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まおう、つやつやする

 


「魔王らしい事をしますわ!」

「はい、お嬢様……」


 今のわたくしはこの異世界に来てから一番調子がいいと言っても問題ないくらいに絶好調ですわ! あと肌も艶々ですわね!

 フブキはちょっと、ちょっっとばかしわたくしが血を吸いすぎてグロッキーになってますが流石に一日では回復しませんでしたわね。

 それも時間経過で元に戻るでしょう。

 そんなヨロヨロと歩くフブキを連れてわたくしは冒険者ギルドへ向かっているのですが、歩いていると凄く視線を向けられています。主にわたくしの横を歩くフブキに向けて。


「やっぱりあれね」

「はい、服装でしょうか」

「服装を変えましょうか?」

「……これがデフォルトで変更できないんです」


 この痴女仕様のスクール水着にフリルエプロンがデフォルト…… しかも変更不可とかただの嫌がらせでしかないですわね。

 まあ、この世界にスクール水着という服があるのかどうかはわかりませんが、もしないとするならば完全に痴女ですわよね。

 そう考えればフブキに視線が集まるというのは当たり前というものですが…… それも主に男性の。


 ぷるん、ぷるんと歩くたびに揺れる胸元にある凶器のせいじゃないかしら?

 すごく柔らかかったし。


「もし、フブキに不埒な事をする方がいたら呪いをかけてやりますわ……」


 主に男の象徴部分に!

 初めてできた従僕! 守るのは当たり前です。ですが正直、物理的な攻撃力が欲しいところですわね。


「わたくしが戦おうにも武器なんて使えませんし」


 マオ学でも武器を使った授業はありましたがわたくし、才能なんて微塵もありませんでしたし!

 剣とか槍を持てば自分の腕や足を斬る始末でした。まあ、吸血鬼ですからよほどじゃないかぎりは治りますけど。

 それにわたくしが使える戦闘向きの魔法は攻撃を倍にして返すハイカウンター位ですし……あとは精々武器になるのは長さを変えれる爪くらいね。


「お、お嬢様が戦うならフブキも、あいだぁ⁉︎」


 わたくしの方を見ていたフブキが何かにつまづいたのか転けました。すでに冒険者ギルドに向かい始めて七回目の転倒ですわね。

 だめだわ。この子に戦闘なんてさせたら手にした武器で手や足を斬るどころか自分の体に突き刺さりかねないわ。それくらいドジなんですもの。


 転んで涙目になっているフブキへと手を貸しながらそんな事を考えます。


「それでお嬢様。魔王らしい事ってなにをするんです?」

「悪い事かしら?」

「悪い事ですか……というかなんで疑問形なんです?」


 悪い事をするだけなら戦闘能力はいらないはずだわ。

 魔王ポイントも貯まるし。

 と言っても悪いことって何をすればいいのかしら? 摘み食いとか?


「だからまずは冒険者ギルドに行って外に出る依頼を受けますわ。街の中より外の方が動きやすいですし」

「わかりましたぁ。行きましょう! あだぁ⁉︎」


 歩き出した瞬間、またフブキが転けました。

 ……これ、冒険者ギルドに行くまでに二桁超えそうですわね。

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