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辺境の村の英雄、四十二歳にして初めて村を出る  作者: 岡本剛也
第3章

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第250話 絶対的な信頼


 飛んで逃げた魔物を十数体ほど取り逃がしはしたものの、ほぼ全ての魔物の殲滅が完了した。

 重力魔法によって混乱を起こしたお陰もあり、殲滅自体は非常に楽に行うことができた。


 とはいえ、数が多かっただけに、結構な時間がかかってしまったのは誤算だ。

 【絶対零度】の使用を抑えることができていたら、魔法でもっと楽に倒せていたとは思うが……まあ無事に倒し切れたわけだし、細かいことは考えないようにしよう。


 そう頭の中で整理しながら、後方に残していたウスマンたちの隊の下へ戻ると、ギルド長とスペンサーの姿もあった。

 どうやら俺が戦っている間に追いつき、合流していたようだ。


「ん? グレアムが戻ってきたじゃねぇかァ! おい、魔物たちはどうなったんだ?」

「本当に無事に逃げて来られたのか。一体……何者なんだ?」


 俺が戻ってきたことに驚いている、スペンサーとウスマン。

 驚く二人を見て、何故か得意げになっているギルド長。


「だから言っただろ。グレアムさんは大丈夫だってな。それに、逃げ帰ったとは失礼すぎるぞ。グレアムさんのことだから、やっつけたか、最低でも追っ払ったくらいのことはしている……はず!」


 少し心配そうに“はず”と付け加えたものの、絶対的な信頼を置いてくれているギルド長。

 今回はちゃんと殲滅することができたから良かったものの、俺が逃げ帰ってきていたらどうするんだと思ってしまうほどの自信っぷりだ。


「はずって、なんだそりゃ。で、グレアム。ドウェインの言う通り、本当にやっつけることができたのか?」

「ああ。襲ってこようとしてきた魔物は全て倒してきた。十数体には逃げられたけどな」


 俺のその返答を聞き、一番驚いた表情を見せたのはウスマンだった。

 報告も受けていたこともあり、一人で倒せる魔物の数ではないと思っていたんだろう。


「信じられん! 信じられんが……実際にグレアムさんの魔法をこの目で見ているから疑うことができない! ――が、流石に『全て倒した』は信じることができない!」

「わっはっは! 信じられないその気持ち、よく分かるぞ。ただ、グレアムさんなら可能なんだ。常識から逸脱している男だからな」

「本当に全て倒したっていうなら、とんでもねぇな。オーガとトロールの群れを一人で倒すなんて、英雄譚でも聞いたことがねぇぞ」

「だから言っただろ。グレアムさんは凄いってな」

「凄いってレベルすら逸脱してるだろ」


 何故かギルド長が終始ドヤっているのが気になりはするものの、おおむね好感触なのは良かった。

 一時はスパイだと疑われてもおかしくないくらいの状況だったからな。


「疑いが晴れないようなら、確認してきてほしい。死体はそのまま放置しているからな」

「いや、魔物の群れが迫っているという情報があって、これだけ静かな時点で疑ってはいねぇが……戦いの跡は単純に気になるなァ」

「私も気になっています。ギルド長、部隊を引き連れて見に行きませんか?」

「ああ、そうさせてもらおうかァ。グレアム目線じゃ疑っているように見えるかもしれねぇが……悪いな。単純に気になっちまう」

「別に謝る必要はないぞ。俺も確認してもらったほうがありがたい」


 ということで、スペンサーは集めた兵士と冒険者の部隊を引き連れ、俺が倒した魔物の確認へと向かった。

 兵士連中はウスマンの言葉もあってか、横を通るたびに全員が敬礼をしてくれた。


 ただ、冒険者連中は手柄を取られたと思っているようで、不満げな様子のまま俺の横を通って行ったのが印象的だった。

 まあ兵士は給料、冒険者は成果報酬だろうから、対応に違いが出るのは仕方がないか。


「あれ? ギルド長は一緒に見に行かないのか?」


 てっきりみんなについていき、先ほどと同じように自分のことのように自慢して回るのかと思っていたが、何故か俺と一緒に残っている。


「見に行きたい気持ちは強いが、功労者のグレアムさんを一人待たせるわけにはいかないからな。一度フリンブルに戻ったあと、一人でしっかりと確認しに戻るつもりだ」

「さすがに二度手間ってレベルを超えているだろ。それに、片付けられる可能性があるぞ」

「そ、それなら……今……み、見に行かない。俺はグレアムさんの活躍はいつでも見られるわけだしな」


 見に行きたそうにしているし、実際に行きかけていたが、理性が何とか勝ったらしい。

 俺は刀の手入れをしようと思っていたし、気にせず行ってくれて構わないんだが、まあ無理に勧めるのも違うか。


「分かった。なら、無理には勧めない」

「あ、ああ。グレアムさんの話を聞かせてくれ」


 酷く悲しそうな顔をしているギルド長に笑いそうになりつつ、どう戦ったのかを軽く報告することにした。

 苦戦すらしていないから大した報告はできないが……まあギルド長なら喜んで聞いてくれるだろう。



ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。

書籍版の第2巻が発売しております!!!

Web版をご愛読くださっている皆さまにも楽しんでいただけるよう、加筆修正を加えたうえでの刊行となっております。

ぜひお手に取っていただけますと幸いです!

引き続き、応援のほどよろしくお願いいたします!!


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