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辺境の村の英雄、四十二歳にして初めて村を出る  作者: 岡本剛也
第3章

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第100話 雷帝の貴公子


 ゾーラとソニアを仕留めたため状況的には一対三だが……ジーニアとアオイは手は出さないから、実質俺とデュークとの一対一。

 デュークは何やら笑みを浮かべており、表情から察するのであれば、飛ばす斬撃の対応策を思いついたという表情。


 対応策が完璧に取られているのだとしたら、わざわざ飛ばす斬撃で攻撃する必要ないのだが、試したくなってしまっている。

 初見であろう魔法で蹴散らしても、何も面白くないしな。


 俺は刀を構え、ゾーラとソニアを斬ったように――デュークにも飛ばす斬撃を浴びせにかかる。

 左右上下、様々なタイミングで斬ったのだが……デュークは剣を抜くことはなく、体一つで避けてきた。


 ジーニアほどではないが……相当目が良い。

 体の動かし方にもセンスを感じ、自分の思っている通りに体を動かせていることが分かる。


「凄い攻撃だが――もう見切った」


 デュークはその言葉と共に、俺の飛ばす斬撃をかわしながら一歩ずつ近づいてきた。

 対応するというのが人間の優れた部分であり、魔物にはあまり備わっていない能力。


 そしてSランク冒険者なだけあって、その対応能力が遥かに優れている。

 まさか飛ばす斬撃を完璧に見切られるとは思っていなかった。


「もうおっさんに勝ち目はないよ。俺の通り名を教えてやる。【雷帝の貴公子】。実は俺は近接戦闘よりも、魔法の方が得意なんだ」


 聞いている俺が恥ずかしくなるような通り名を名乗った後、両手に魔力を溜め出したデューク。

 溜まった魔力は雷魔法へと変化し、変化したと共に突っ込んできた。


「一撃で仕留める。――【雷爪】」


 雷魔法を爪のように見立てた魔法。

 トリッキーな動きから、【雷爪】で切り裂きに来たが、俺はそんなデュークの攻撃を避けて避けて避けまくる。


 デュークは俺が近接戦が苦手だから、飛ばす斬撃という変わった攻撃を行っていたと予想していたようで、一撃も当てられていないことに目を見開いて驚いている。


「勝ちを確信していたのに悪いな。俺は近接戦も得意なんだ」

「くそがッ! ――【雷爪雷列派】」


 爪のようにし、武器のように振り回していた魔法を解除し、やけくその広範囲攻撃を近距離から放ったデューク。

 狙いのない魔法をぶっ放す攻撃ほど対応の楽な攻撃はなく、俺は刀で魔法を斬り割きながら近づき――デュークの心臓を一突き。


「その年齢でその強さは本物だ。……ただ、通り名を名乗るのはダサいから気を付けた方がいい」


 そんなアドバイスを行ったと同時に、デュークは光の粒子に包まれ消えた。

 この場に残ったのは、俺達だけとなったところでサリースによって試合終了が告げられた。


「凄いな。またしても完勝だ。こんな逸材が隠れていたなんて末恐ろしい」

「ギルド長が散々馬鹿にされたみたいだからな。見返してやろうって気持ちが強いから、いつも以上に調子が良いのかもしれない」

「調子どうこうで変わる強さではないように見えるぞ? とりあえず残るは二戦。このまま全勝を目指して頑張ってくれ」

「ああ。ギルド長の名誉のためにも最後まで暴れさせてもらう」


 サリースとそんな会話をしてから、ジーニア、アオイ、ギルド長の下に戻った。

 三人は笑顔で向かえてくれており、軽くハイタッチを行う。


「流石は安定の強さだったな。あの【バッテンベルク】に完勝とは……。グレアムさんの力が改めて末恐ろしい」

「これでいて、グレアムさんはまだ魔法を使っていませんもんね! 魔法を使ったらどうなってしまうのでしょうか?」

「そりゃ瞬殺でしょ! 強い強いと思ってはいたけど、ここまで圧倒的だとは思ってなかった! ……全人類の中で一番強いんじゃないの?」

「流石にそれはない。いい感じで噛み合ったっていうのもあるからな」

「いっつも“それはない”じゃん! 絶対人類最強クラスだって!」

「俺は初めて見た時から、グレアムさんが最強だと思っていた。だから、唯一敬語で接しているしな」


 本当に買い被りすぎなのだが、Sランク冒険者相手にここまで戦えているのは自信になる。

 ……ただ、想像していたよりも弱いのは気になるが。


 魔王軍と何度も交戦してきた俺には分かるが、比較すると圧倒的に弱い。

 魔王軍が攻め込んできた時、どうやって対処していたのかシンプルに気になってしまう。


「ドウェインさん、それからグレアムさん。数々の非礼を詫びさせてください。ここまでの強者だとは思っていませんでした。本当に申し訳ございません」


 そんな謝罪の言葉と共に頭を下げてきたのは、【バッテンベルク】を連れてきた眼鏡のギルド長。

 確か名前は……リュネットだったっけか?


「別に謝らないでいい。リュネットには何とも思っていなかったからな。【バッテンベルク】も気持ちのいい冒険者だったし、また交流させてくれたら嬉しい」

「こちらこそぜひお願いします。グレアムさんには、ぜひ一度ダンジョン都市には来て頂きたいので。このダンジョンなんか比ではないダンジョンがありますので、一度遊びに来てください」

「勧誘だけはしないでくれよ。グレアムさんはビオダスダールで唯一の希望だからな」

「安心してくれ。拠点を移すつもりはない。……がダンジョン都市は気になるな」


 ここのダンジョンですら、もっと色々と調べてみたいと思ったぐらいな。

 王都のダンジョン以上のダンジョンがあるなら、ぜひ一度は行ってみたい。


「ぜひ来てください。その時は案内しますので」

「ああ。よろしく頼む」


 俺はリュネットと握手を交わし、ダンジョン都市に遊びに行く約束をした。

 そして、ちょうどそんなタイミングで――。


「あっ、次の試合が始まりますよ! 【白の不死鳥】と【紅の薔薇】みたいです!」


 ここまで試合結果の分かる試合はないが、【白の不死鳥】については見ておきたい。

 会話もそこそこに、俺は第四試合に目を向けた。


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