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ハーレムコンプライアンス  作者: 日曜
一章 大氾濫
8/17

八話

「仙太郎!!」

「わかってるッ!!」


 エルミスの注意喚起に反応し、深い紫色の大狼――――ダスクハティを射抜く仙太郎。その後ろからも、何頭ものダスクハティが迫ってきている。――――だが、これだけ近ければッ!


「――――ッ!!」


 息を止めたまま、一息に連射をする仙太郎。放たれた四本の矢は、ダスクハティの反応速度を越えて、まっすぐその額を射抜く。先頭の四頭を仕留められた紫大狼たちは、その事に動揺して遊牧民の集団へ駆け寄っていた足を緩める。しかし、それこそが命取り。さらに一息で四矢を放ち四頭を仕留めた仙太郎が、大声で叫ぶ。


「タルト! 任せるッ!」

「おうよッ!!」


 元気よく返事をしたタルトが、威勢よく短弓を引く。放たれた矢は、仙太郎やエルミスの放つものより幾分頼りなく空をかけ、しかし過たず標的を射抜く。


「よしっ!」

「その程度で喜んでる暇はねーぞ! とっとと次の矢を放て!!」

「わ、わかってるよッ!」


 仙太郎の注意に、ややバツの悪そうな顔で矢を射るタルト。残りの紫大狼は三頭。タルトに任せても大丈夫だろう。そう考えた仙太郎は、目の前のグリーンスコルニ十頭に向き直る。いや、さっき七頭倒したから、既に十三頭だったかと思い直す仙太郎。

 もはや槍すら届きそうな距離。弓の間合いではない。流石に、ダスクハティに時間をかけすぎたようだ。馬を駆り、後退射撃に移行しようとした仙太郎だが、ここにきて慣れない馬だという事を忘れていた。迫るグリーンスコルの群れに恐れをなしたのか、馬が竦んで動かない。


「おいおい……」


 切迫した状況にあって、しかし仙太郎の口から漏れたのは、呑気ともいえるような呆れの声だった。


「――――ったく……。しゃーねーな」


 仙太郎は心底嫌そうにそう言うと、グリーンスコルに手の平を向ける。


「〝火竜の顎(フロガ・エクリクスィ)〟」


 仙太郎が小さく呟くと同時、手のひらから陽炎のようなものが立ち込め、一瞬で霧散する。――――直後、スコルたちの足元から、火山の噴火よろしく火炎が立ち上る。数体の緑大狼を燃やし尽くした炎は、仙太郎に向かっていた群れの足を、完全に止めてしまう。

その、紅蓮の柱の向こうから、狩人の鋭い眼差しが向けられている事も忘れて。

動けない緑大狼たちを、冷静に一頭ずつ仕留める仙太郎。自らの死が迫る中、それでも微動だにせず殺されていく獣たち。

あたかも、屠殺されるかのように、機械的にその命は刈り取られていった。


 ●○●


「お手を煩わせてしまい、申し訳ありません旦那様」

「いや、ダスクハティは数が多かったからな」


 合流するなり、頭を下げてくるエルミスに、手を振って答える仙太郎。エルミスは、仙太郎の対峙していたグリーンスコルではなく、ダスクハティと闘っていた。だが敵の処理が追いつかず、後ろに抜けられてしまい、仙太郎の戦闘の邪魔をしてしまった事を恥じていた。その事で、夫に魔法・・まで使わせてしまったのだから、なおさらである……。


「怪我はないか?」


 しかし仙太郎は、そんなエルミスに微笑みかける。ややぎこちなく、不器用な笑顔。そんな朴訥な優しさに、エルミスの胸は締め付けられるように高鳴る。


「いえ。旦那様の方は……」

「俺は大丈夫だよ。怪我がなくてよかった」

「はい……」


 お互いの無事を確かめ合い、安堵する二人。そこに————


「くそぉ……。俺だけ四頭しか倒せなかった」


 駆けてきたタルトが、不服そうにぼやく。どうやら、自分の戦果が小さい事に不満があるようだ。

 たしかに、仙太郎はともかく、エルミスまでもが矢面に立って戦いに参加しており、明らかにタルトよりも多くの戦果をあげている。一端に戦士を名乗るタルトとしては、手柄をあげる機会を与えられていない不満が燻っているのだろう。

だが、仙太郎やエルミスが危なげなく敵を倒せているのは、なにもスコルやハティが弱いからではない。個体であろうと、一人の人間を凌駕する能力を持つ魔物が、あまつさえ群れているのだ。普通は、単体で行動する魔物の方が対処はしやすい。

こうして危なげなく処理できているのは、それだけ仙太郎とエルミスの実力が高い事を意味している。

 とてもではないが、タルトという新米がくつわを並べられる領域の戦闘ではない。だが————


「おい、センタロウ! 俺も、もっと前線に出たいぞ!! 見ろ、あの戦果!四本の矢で、四体の魔物! ホラ! 俺だってちゃんと戦える! 次はちゃんと、俺も前に出せよな!!」

「ああ、敵が少なかったら、俺かエルミスの付き添いの元、もっと前に出ていいぞ」

「だから! そうじゃねーっての!! 俺は一人前だッ!!」


 馬上にあって、ジタバタと駄々をこねるタルトが、最後に盛大に不満を吐露する。仙太郎はそれに対し、一言苦言を呈そうとしたが、どうやらその役目は他に任せても良さそうである。


「旦那様!!」

「げ。ラピス……」


 突然の嫁の登場に、一気にバツの悪そうな表情を見せるタルト。


「旦那様、あまりご自分を過信してはなりません。旦那様は勿論、ご立派な戦士です。ですが、まさか歴戦の戦士であり、武勲の誉れ高きセンタロウ殿と、同等の戦士だとでも?」

「い、いや……」

「エルミス殿もです。エルミス殿とて、長年の研鑽を重ねた馬術、弓術の腕前は旦那様よりも上にございます。これは、揺るがし難き事実として、ご認識召されませ!」

「お、おう……」


 完全に気圧される形で、タルトが頷く。なおも、ラピスは続ける。


「そんな先達お二人の指示を無視し、実力も弁えずに敵に突撃するなど、愚の骨頂。永代笑い者にされる事、必至にございます! まして、旦那様は初陣ですよ? お二人のおっしゃられる通りに動く事こそ、今の旦那様にできる最大限の働きにございます!」

「……で、でもよ……。手柄が……」

「そういう旦那様の思考を『功を焦る』というのです! 功を焦った者がどうなるかまで、お話しせねばなりませんか!?」

「い、いや、いい。ごめん……」

「私に謝っても仕方がございません。謝罪はセンタロウ殿に。でも、素直に非を認められる事こそ、旦那様のいいところだと、ラピスは思いますよ?」


 仙太郎から見れば年下のラピスであるが、こうしてしっかりとタルトの手綱を握って姉さん女房をしているあたり、自分よりも余程しっかりしていると感心する。バツの悪そうなタルトの謝罪を軽く受け、再び警戒に戻ろうとする。しかしそこで、ラピスが仙太郎にも話しかけてきた。


「それにしても、やはりセンタロウ殿の魔法・・は素晴らしいですね!」


 そう、言った。


「迫りくる数多の大狼を、一瞬にして灰燼に帰す炎の柱。かねがね、センタロウ殿の使う魔法のお噂は耳にしてきましたが、こうして実際に目の当たりにすれば、過剰に思えた噂話はむしろ過小評価。それ程の才能を生まれ持ったセンタロウ殿は、まさに天に選ばれた英雄と呼ばれる存在なのでしょうね!」

「むむむむ…………」


 陶然と言い募るラピスと、愛妻のそんな姿に嫉妬を覚えて唸るタルト。しかし、それに対する仙太郎の表情は暗い。先程魔法を放った右手を見下ろすと、小さく舌打ちをする。


「さ、さぁ、ラピス。早く後方に戻ってください。ここに居られると、いざというときに守りきれませんので」

「そうだぞ、ラピス。ただでさえ手が少ないんだ。お前の守りに手は割けないんだからな!」


 焦ったように促すエルミスに、愛妻家のタルトは数秒前の嫉妬はどこへやら、心配そうにラピス後ろに下がるよう言い含める。


「ええ、わかっていますとも。私はただ、後方から旦那様の勇姿を目撃し、その感動をお伝えに参っただけですので」

「ゆ、勇姿って……。センタロウやエルミスより活躍したわけでもないのに……」

「いえいえ!! 本当に格好良かったですよ、旦那様! 初陣にしてあの働きは、なかなかのものです!」

「そ、そうか……?」

「ええ、勿論!! 流石は、ラピスの旦那様です!あ、でも、増長はダメですよ? ちゃんとセンタロウ殿やエルミス殿の指示に従って、無理をせず、お怪我なさらず、必ずや無事にラピスの元へとお戻りくださいね?」

「おうよッ!!」


 再びイチャイチャと戯れだした二人から少し離れ、エルミスは仙太郎の様子を窺う。

夫は、基本的に感情の起伏の少ない人だ。しかし、そんな夫にも感情の抑制が利かない場合が、二つある。野球という訓練を軽んじられる事と、自らの持つ恩恵を賞賛される事——とりわけ、神や天を絡めて賞賛する事を、本気で疎んじているのだ。

 本当はもう一つ、エルミスに関する事でも感情を昂らせるのだが、エルミス当人はまだ、その事に気付いていない。


「旦那様?」

「……。……大丈夫だよ、エルミス。あいつらを離してくれて、ありがとう……」

「いえ……」


 エルミスも最近わかってきた事だが、仙太郎はどうも、自らの努力で得たものではないものが、あまり好きではないようだ。だからこそ、神から賜りし魔法を毛嫌いし、土壇場まで使わない。これまでも、相当に追い詰められなければ、仙太郎は魔法を使わなかった。

 とはいえ、その意地と実際の危険を天秤にかける事はなく、自分や仲間の危機には、魔法を使って戦ってくれた。だからこそ仙太郎は、ゾル族の中で一定の信頼と、大きな賞賛を向けられている。特に、戦士としては、一目も二目も置かれているのである。

 しかし、そうして神の恩恵に頼る度、仙太郎は自己嫌悪に苛まれるのであろう。普段は無口でぶっきらぼうな仙太郎が、刺々しく周囲を威圧するので、魔法を使ったあとの仙太郎のフォローは自然とエルミスが行うようになっていた。


「……なにも説明してないんだから、ラピスは悪くないんだが、どうにもな……」


 なにも聞かされていないラピスが、仙太郎の能力を賞賛する事に、腹を立てても仕方がない。仙太郎に近しい者——――エルミスやパテラス、そして一部の戦士たちには仙太郎の境遇を説明している。なので今さら、魔法やその他の恩恵に関して、突っ込んだ話をしてくる事はない。彼等も、仙太郎が神の恩恵を疎んじている事は知っているので、あまり話題にしたりはしない。そして、仙太郎としては吹聴するような事でもないと思っているので、一族の中でも仙太郎が異世界の出身であるという事を知るのは、一握りの者だけである。


「いえ、旦那様は悪くありませんよ。誰しも、譲れないものというのは、あるのですから」

「……そうだな。ありがとう」


 重ねて礼を言う仙太郎。

 本当に、エルミスは自分には過ぎた嫁だと再認識し、大きく深呼吸をして気持ちを落ち着ける仙太郎。目を閉じて緑の匂いを吸い込むと、それだけでささくれ立っていた心が落ち着いていく。


「ですが……」

「ん? どうした?」


 怪訝な雰囲気を帯びたエルミスの声に、仙太郎は目を開いて問い返す。


「些か、魔物の数が多くありませんか?」

「……たしかにな」


 既に、これまで遊牧民が滞在していた場所からは、かなりの距離を移動している。戦士団が魔物の群れに迫っている以上、それから離れているはずの自分たちが、これ程までに敵と遭遇するのはおかしい。


「方角を見誤った可能性は?」

「あり得ませぬ。我等は遊牧民ですよ? よしんば、私が間違ったとしても集団の誰かは気付きます」

「それもそうか……」


 広大な平原を転々とする生活をしている遊牧民たちが、これ程天気のいい日に方角を見失うなんて事はあり得ない。それに、見晴らしのいい平原を移動しているのだから、道を間違えるはずもない。ぐるりと回って、敵の方に向かっていた、などという事はありえない。

 しかし、だとしたらこの遭遇率はおかしかった。


「ただの偶然か……?」

「しかし、以前確認した群れも、グレイハティとグリーンスコルのものでした。スコルはともかく、ハティがこの時間に活動しているという事は、大氾濫の一部と見るべきでしょう」

「でも、だったらおかしいよな? パテラスたちが向かっているのと、俺たちが向かっているのは、ほとんど逆方向だろ?」

「……ええ」


 大氾濫から逃れる為の移動なのだから、当然その中心地からは遠ざかるように移動する。勿論、移動先の水場や牧草地の場所を鑑みたうえで進路を決めているのだが、五千もの魔物の群れからは遠ざかっているはずなのだ。しかし、今は移動すればする程に、魔物と出会す事が増え、数もまた増えている。

 この状況が意味するところはなにかと、二人は頭を悩ませる。


「俺たちが最初に見た四百の群れみたいに、斥候として方々に放っていた群れの一つという見方は?」

「その可能性が一番高いでしょうか……。やや釈然としませんが……」

「たしかにな」


 四方八方に斥候を放つなら、その数は少数に抑えるものだ。スコルやハティといった、集団での狩りを得意とする魔物が、それを見誤るはずはない。だからこそ、四百の大群を目にした仙太郎とエルミスは、それが斥候ではなく先遣と見て、進行方向である王国に注意喚起を促したのだ。それは、群れの本体が五千という途方もない数だと判明した今でも、揺るがないと考え、進行方向は王国方面だと考えていた。

 しかし、この状況ではそれが見当違いだったのでは、と勘繰ってしまう。


「あるいは、五千の方が囮、という可能性はないか?」

「なるほど……。群れのボスが、五千を囮になんらかの目的を果たす為、少数を引き連れて別働している、と?」

「可能性は、どの程度のものだと思う?」

「……そうですね……」


 おとがいに手を当て、しばし考え込むエルミス。やがて、真剣な眼差しで仙太郎を見据えると、口を開く。


「可能性としては、斥候だという可能性とどっこいです。ですがそれは……——」

「————一番高い可能性と、同じくらい高いって事か……」

「はい……」


 重苦しい声音で頷くエルミス。それはそうだ。もしその別働隊の目的が、パテラスたち戦士団の横腹を突く事なら、戦士団は一気に窮地に陥る。だが、仙太郎たちは集団の護衛を任された、たった三人の戦士である。この中から、可能性の段階でしかない危機を知らせる為に人数を割く事はできないし、間違ってもそちらに進行方向を変えるわけにはいかない。

 なんとなれば、戦士団が確実に全滅するとわかっていても、民の安全の方が、この場合は優先するべき事なのだから。


「場合によっては、目的地の変更も視野に入れるべきじゃないか?」


 いっそ、目的地を変えていち早く民の安全を確保すれば、援軍として向かう事も可能ではないかと提案する仙太郎。しかし、エルミスは苦々しい顏で首を振る。


「無理ですね……。ここから目的地を変えますと、どこも二日以上の移動時間を要します。その間に、人はともかく、家畜たちの糧秣と水が枯渇します」

「そうか……」


 本当にいざとなれば、家畜たちを囮にして、女子供を優先して逃走する可能性も考慮には入っているのだが、それは最終手段だった。家畜は、彼等遊牧民の生命線にも等しい。そんな家畜たちを犠牲にして別の場所に移り住んでも、困窮は目に見えていた。

 それに、エルミスは言葉を濁したが、おそらく人の飲む水や食料とて、安心できる状況ではないのだろう。できるだけ早く水場を確保しなければ、体力のない子供や老人から死んでいく。目的地を変え、移動時間が嵩めばなおさらだ。


「仮に、安全な場所を確保したとしても、旦那様がいなければ、いざというときに戦えません。民たちの為にも、短慮はお控えください」

「……ああ、そうだな」


 父親の命がかかっているというのに、気丈にそう言うエルミスに対し、なにを言うでもなく頷く仙太郎。

 なにを言えようか。あれ程父を好いて、尊敬しているエルミスが、この状況で心痛を感じないはずがないというのに、よりにもよって『民の為に、父親の事は捨て置け』と言っているのだ。

 エルミスの父――――パテラスはゾル族の族長で、エルミスはその娘なのだ。一族を守るのが仕事であり、きっと立場が逆だったら、パテラスもエルミスの事を見捨てただろう。それ程の覚悟を前に、仙太郎になにが言えようか……。


「……やっぱり、神だの悪魔だのにできる事なんて、この程度なんだよな……」


 切迫した状況にあっって、なんの役にも立たない自分の恩恵のろい。自らの嫁も、多くの民も、世話になった戦士たちも、十把一絡げに守れるようなヒーローにはなれない。いくら超常の能力を持たされようと、自分は所詮ただの野球バカでしかない。悪魔によってもたらされた異能があろうと、この状況では無用の長物と言わざるを得ない。


「だからといって、ちょっと努力した程度でなれる程、ヒーローってのはお安くない……」


 ぼやく仙太郎が見遣る先には、再びポツポツと黒い影があった。


「……グレイスコルだな……。数は三十……」

「……多いですね……」


 既に、先程倒した大狼たちも含めれば、その数は百にも及ぶ。そのほとんどを仙太郎が、残りをエルミスが倒している。タルトも四頭倒した。だが、このまま数が増え続ければ、いずれ仙太郎たち護衛を突破する魔物が現れかねない。もしそんな事になれば、後方にいる女子供、老人があの怪物たちに蹂躙されてしまう。


「エルミス、民を頼む。俺はタルトを連れて、あれを狩ってくる。なにかあれば、すぐに戻るから」

「はい。どうぞお気をつけください」


 宣言通り、手頃な数の獲物を狩るのに、タルトを連れて行こうとする仙太郎。エルミスもまた、新米の戦士にとっては、いい経験だと口を出さない。一刻も早く、タルトが戦士として使えるレベルに成長すれば、二人も楽になる。

民の護衛に就いた事を嘆いていたタルトだが、こうして仙太郎やエルミスに守られながら、切迫した実戦を重ねられているのは、或いは本隊に残った新米の戦士たちより、はるかに恵まれた環境だった。単独では絶対に敵わないような敵の群れに、安心して挑めるという事は、期せずして、一人前への特急券を手に入れたようなものである。

 しかし、大陸の一般常識では、タルトのような新米の兵士が、スコルやハティのような魔物を相手に、まともに戦えている時点でやや異常である。まして、一対四で危なげなく勝利できる時点で、普通は一人前であろう。


 エルミスはともかく、仙太郎もだいぶ戦闘民族の遊牧民に毒されているのであった。

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