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虹色魔導師は目立ちたくない  作者: プリン伯爵


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魔法対戦でも目立ちたくない①

フェイルにとって、魔法対戦は騎士団長である兄に自らの実力を見てもらえる良い機会であった。

予選も簡単には突破できなかったが、それでも意地と根性で突破してきた。


来たる本戦。

相手は3年生の一級クラス委員長らしい。

簡単に勝てる相手ではないだろう。

しかしフェイルの目は熱がこもっていた。


「では、次の対戦カードを発表します!!なんと、四大公爵家の次男!あの騎士団長の弟フェイル・ワーグナーが参戦!対する相手は3年生でもトップの成績を誇り副団長の弟子に当たるフィーナ・クリスタ!!お互いに魔剣士同士の戦いとなりますね!」


実況の声を聞き正面からステージに上がった相手を見て、手に力が入る。

まさか同系統の魔導師と戦うことになるとは思っていなかったフェイルだが、相手にとって不足はないと気合を入れ直した。


「フフフ、フェイルさんがお相手ですか。魔剣士同士の戦いが出来るなんて……ワタクシ本気でいかせて頂きますわ。」

「フッ、俺もまさか次期副団長と言われている貴方と戦えるとは思っていませんでしたよ。こちらも本気で戦わせて頂きます!」

お互いに相手の実力はある程度知っている。

フィーナは騎士団長に鍛えられたフェイルの技を知っているしフェイルはシャーリー副団長の素早さに特化した魔剣を見たことがあった。


フェイルは相手を見据えたまま腰に差した剣を抜く。

抜身の刀身には青空が映り込んでいる。

出場前に磨いていたおかげか曇りひとつない。

フィーナも同じように剣を抜いた。

フィーナの持つ細身の剣は素早さに特化している事を現していた。


お互いに剣に魔力を流し込む。

騎士たるもの、正々堂々と同時に踏み込むのが戦闘の合図だ。


フェイルの剣は黄色の魔力を纏い黄金のオーラを放っている。

対してフィーナは緑の魔力を纏い淡い緑色のオーラを放っていた。


「「魔光剣!!」」

二人は魔力を乗せた剣圧を飛ばす。

二つの魔力がぶつかり合うと霧散したが、その隙に踏み込んだフィーナはフェイルに肉薄する。


「クッ!」

なんとかギリギリ剣で受け止めたが少しでも遅れればフィーナの剣戟を捌ききれず呆気なく終わる事だろう。

しばらく剣で打ち合っていたが、やはりフィーナの方が経験値で上回っており次第にフェイルは押され始めた。


一気に後ろへ飛び距離を取ったフェイルは片手に魔法陣を生み出し相手へと向ける。


疾走雷撃(ショットボルト)!!」

マリスが得意とする最速の一撃。

フェイルはそれを相手の足元へと放った。


不意を突かれたせいかフィーナはバランスを崩した。

フェイルは一気に畳み掛けるように魔剣を振りかぶる。


「雷神剣!!!」

雷を纏った剣を上段から振り下ろすと雷の刃が生まれた。

その刃はバランスを崩したフィーナへと一直線に飛ぶ。


「風神剣!」

しかしただやられるフィーナではなかった。

風を纏った細剣を横薙ぎに振るうと暴風が吹き荒れた。

雷の刃は風に阻まれたが、フィーナが魔力を十分に乗せきれなかったのか相殺しきれず片腕を掠った。

血が滲む制服を見て、フェイルは少し顔を綻ばせた。

格上と戦い傷を負わせた事は十分評価に値するからだ。


「やりますわね……フェイルさん。昔見た時より強くなっておりますわ。」

「フッ!まだ俺は強くなりますよ!!」

「ですが……油断は禁物だと教わらなかったので?」

フィーナはニヤッと口角を上げるとその場から姿を消した。


見失ってしまったフェイルは咄嗟に剣で防御態勢を取ったが一歩遅かった。

素早さに特化したフィーナはまだ本気で戦っていなかったからこそフェイルが傷を負わせることが出来たがフィーナ本来の戦い方は目に見えないほどの速度で動き切り刻む戦法を得意としていた。


フェイルは細剣が視界に映ったと思うと直ぐに痛みを感じ闇雲に剣を振るうが既にそこにはフィーナはいない。

何度目かの攻撃により膝を付いたフェイルは既に満身創痍だった。

腕輪は砕けていない以上まだ戦うことは出来るが、制服は切り刻まれ血が滲んでいる。


フェイルの正面に佇むフィーナはもう彼に勝ち目はないと確信しているようであった。


「フェイルさん、決着は着きましたわ。降参なさったほうがよろしいのでは?」

「……いいや!まだだ!!まだ俺は切り札を使っていない!!」

「切り札?魔剣士の貴方に剣とは別の切り札があるとでも?」

魔剣士は剣での攻撃が基本になる。

いわば普通の魔導師のように魔法を打ち合う事はせず接近し戦う事が前提であった。


既に満身創痍のフェイルにはそんな芸当はもはや不可能に見えたフィーナは訝しんだ。

いくら今から全力で向かってこようとも迎え撃てるくらいの余裕があったからだ。


しかしフェイルを見ていれば少しずつ魔力を練っている事が分かった。

何かするつもりだと、すぐに判断したフィーナは細剣を構えた。

ここから巻き返す事はほぼ不可能。

だが油断は禁物だと何度も師匠から教えてもらったフィーナは警戒を解くことはなかった。


「風神の鎧!!」

風を自身の身体に纏わせ風の鎧を創り出す。

これで万が一フェイルが飛び込んで来ても自身の身体まで剣は届かない。

フィーナはその状態になってもまだ警戒は解かなかった。

それはフェイルの目が未だ諦めていなかったからだ。


魔剣士は最後まで剣を取り戦う。

最後の時まで剣は手放さない。

手放した時が魔剣士の敗北を意味するがフェイルは目に戦意を灯し剣を強く握っていた。


「そこから貴方が動かないというのは好都合ですよ。俺にはまだコントロールが上手く出来ませんから。」

何の事を言っているのかフィーナには分からなかった。

ただこれから何かをするつもりなのだけは分かったフィーナは再度細剣に魔力を流す。

風の鎧と風の刃。

二つの魔剣で迎え撃つつもりだった。


「これは俺の友人が教えてくれた切り札なんですよ。これがなければ俺はここで負けていた。感謝するぞマリス。」

フィーナは聞き覚えのある名前に耳を傾けた。

マリス・レオンハート。

入学早々、決闘騒ぎを起こした者の名前だ。

その名前は学園にいる者であれば殆どが知っているはず。

それがなぜフェイルの口から出てきたのかは分からないが、あのマリスの事だ。

何かしらフェイルに仕込んでいたのかもしれないと、警戒を最大限に強めた。



「これが、俺の今の実力だ!!!受け止めて見せるがいい!!!フィーナ・クリスタ!!!白き破壊の雑音(ホワイトノイズ)!!!」


聞き慣れない魔法名が耳に入って来ると同時にフィーナの視界は白く染まった。

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