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おっさんと彼女と異世界チャリ  作者: モロコロス
おっさん、チャリをパクられる
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魔王が勝手に大活躍

 夜歩いてる時に職務質問を受ける事がある。そんなに無い人もいれば、しょっちゅう受ける人もいるらしい。パトカーとかおまわりさんとか見かけた時に目を逸らすといけない、らしい。かと言ってジッと見てるとやっぱり何ガンたれてんだとばかり職務質問を受けるのだそうで、不思議な話である。まあよく職務質問されるって嘆いていた大学の先輩の見た目はどうみてもヤーサンだったので仕方ないっちゃ仕方ないし、なぜ今時パンチパーマなのか、て質問はついぞ答えてくれなかったっけ。


 というわけで、暫く小柄な衛兵さんの職務質問に答える、扉破壊の現行犯こと俺達である。小柄な衛兵の名前はジェムジャラムリン、と言うらしい。


 他の二人は名前を教えてもくれず、「だま!えれぐりだるめるだ!」などわけのわからない雄叫びとともに道の向こうに駆け出していった。ちゃんと聞き取れてるかどうかすらわからんので彼らの(恐らく)東方語は適当だ。


「だま、ていうのは驚きの意味?」

「そう。西方共通語、何だって、意味」

「なにい!とかなんだと!とかええ!って意味だね」

「そうですホッジョチャン」


 下手な名乗りのせいで、名前がホッジョチャンで固まってしまった。顔も固まる本上さんだった。


「あの人たちはどうしたの?」

「二人の番い、旅の理由、伝えた。もしかして、仲間」

「ああ、居るのかやっぱり」

「数ヶ月前、見つけた、新種、ゴブリン。珍しい、おとなしい。飼育、言いました」


 まあ死んでてもよかったんだが、無事に飼育されてたか。飼育の単語に少し俯いて笑ってる本上さんは放っておこう。俺達というかジェムジャラムリンが残ってるのは扉が壊れてるからに違いない。


「扉を直さなきゃなんだよな、ジェムジャラムリンだっけ」

「はい。森はゴブリン。先ほど、大きい音、した。ゴブリン、いる」


 俺と本上さんは顔を見合わせた。


「ちなみにどんな音」

「何かぶつかる、大きい音。風がふく。木、倒れる、いろんな音」

「ごめん多分それ俺達だ」

「森には、私たち以外居なさそうだったけど」

「あれ、お二人?」


 ジェムジャラムリンは驚いた、ように見えた。顔のパーツ比率が違うから、表情が読みづらい。


「森にゴブリンってどれくらい居るんだ?」

「わからない。前、いっぱい捕まえた。少ない、今、思うます」

「捕まえたんだ」

「飼育、労働、使うます。売るます。街、儲かるます」


 まさかのゴブリンさん奴隷化計画である。いや確かに、人間とほぼ同等の知性ある生物って労働力として最適だと思うが。


「ゴブリン全滅、思いますた。だから、扉、開くます、た。さっき、音。慌てます。閉めたます」


 ジェムジャラムリンの説明で大体把握した。ゴブリン狩りで、ゴブリン森からゴブリンはいなくなった。大きい森だからまだ数匹隠れてる可能性はあるが、探しても見かけなくなったのでこれはもう全滅したか、街から離れた場所に移動したに違いない、と扉は最近、ずっと開きっぱなしだったのだ。ところが先程、魔王様の落下やら人力ヘリコプターやらショベルやら、石礫で森林破壊やら俺達がしでかしたので、何か異常、つまりゴブリンの逆侵攻があるかも、と慌てて扉を閉めたのだろう。


「街の人、みな、逃げた。種まき前、出来る、逃げる」

「そうだったかあ。ちょっと待っててくれ」


 俺はジェムジャラムリンと本上さんをその場に残して、壊れた扉を避けて一旦森にでた。


「魔王様〜」

「はい、なんでしょう」


 木々の隙間から魔王様がひょっこり顔を出した。なぜ三メートルの高さから顔だけ覗くのかは考えないようにする。


「この森のゴブリンってさあ」

「先程この森のゴブリン、生き残った若人三名が最後の無駄な突撃を敢行しようとしておりました。必殺、魔王チャリごとストライクで埋まってしまいましたが」

「それってクレーターできた奴?」

「先程のクレーターですね。チャリを掘った反対側あたりに埋まっていましたが、軽く埋めただけですし、数時間は経過しています。まもなく脱出できると思いますが、街には来ないでしょう」


 知らない間に解決してたらしい。

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