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連載開始 1巻4/10発売!【完結】魔王様、溺愛しすぎです!  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
86章 溢れ出たあれこれの後始末

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1192. 情報漏洩からの宴

 魔王軍の撤収に合わせて魔王と魔王妃が城に戻った。が……なぜか中庭がお祭り騒ぎになっている。転移した直後に目に入った状況に驚くルシファーへ、迎えに出たベールが頭を下げた。


「お帰りなさいませ、陛下」


「何かあったのか?」


 きらきらした目で見つめられ、居心地が悪い。そう伝えると、申し訳なさそうに打ち明けられた。


「実は……陛下の背の翼が白くなった話が広がってしまいました」


「ああ、なるほど」


 その短い説明ですべてを察した。魔王に心酔する住人が多い城下町ダークプレイスの民が、お祝いに駆け付けた。ついでに一目でいいから、白い翼を見たいのだろう。全部広げてもいいのだが、先日も魔王軍の一部が魔力酔いに襲われたこともあり躊躇った。


「どうしたものか」


「2枚程度なら問題ないかと思われます」


 いつの間にか距離を詰めていたアスタロトの言葉に、リリスが嬉しそうに見上げる。


「ルシファーは人気があるんだもの。みんな喜ぶわ」


「そうか? 12枚の黒でも消し飛んだ魔族はいなかったし、2枚なら問題ないか」


 迷いながら一対2枚だけ広げる。途端に悲鳴に近い甲高い声や、男達の低い雄叫びが上がった。驚き過ぎて、リリスがルシファーにしがみついている。蝉のようなリリスの姿を笑う者はなく、歓喜の渦に包まれた中庭の興奮は最高潮となった。


 大地を揺らすような興奮の中、ルシファーの結界がいつもの倍ほどに増えたのはご愛嬌である。襲われるかと思った、それが後日の言い訳だった。



「びっくり、したわ」


 なんとか気持ちを落ち着けたリリスが、両手両足でしがみついた魔王から身を離す。その間、リリスのどこを支えていいか迷うルシファーの手が、右往左往していた。良く我慢したと満足げなアスタロトに促され、用意された台の上に移動した。


「魔王陛下の12枚の翼はすべて、このように白くなりました。我らが最強の純白の魔王陛下に栄光あれ!!」


「「「「栄光あれ!!」」」」


 煽られた民が盛り上がる様を、ドン引きした魔王が興奮した婚約者を抱き寄せて見つめる。異様な興奮を発散するためか、多少喧嘩や暴動が起きているのは仕方ないだろう。


「せっかく集まったのですし、備蓄の肉を出しましょうか」


「……足りるのか?」


 数十年単位で魔力不足に陥った動物を食べることになる魔物や魔獣のために、過去に捕らえた魔力豊富な獲物を供出する手筈は整えた。だが備蓄にそんな余裕があっただろうか。


 不安になるルシファーへ、きょとんとした顔のリリスが首を傾げた。


「溢れるほど豊富な魔力を含んだ草を食べるのよ? 動物も魔力を持つ魔獣になりそうな程なの。魔物や魔獣が食事から吸収する魔力量は、増えると思うわ」


 だから備蓄は不要だ。結論を導いたリリスの話を噛み砕き、納得して頷いた。魔の森が人族やモレクの魔力を回収する前は、魔力が枯渇して森の木々や草に魔力がなかった。草食系の動物や魔獣は栄養失調になったが……今の森の草や木々を齧る動物は、魔力が飽和するほど吸収することになるだろう。下手すれば、魔力なしの動物が魔獣や魔物に変化する。大量の魔力に満ちた森は、ざわりと葉を揺らした。


「新種の魔族や魔獣が増える可能性が高く、巡回を密にしました」


 ルキフェルと仲直り出来たらしい。ベールは淡々とした様子ながら、嬉しそうに報告した。その足元で、まだ民が騒いでいる。何もなしで帰しては、この興奮が街中に持ち込まれてしまうか。


「よし! 前にやったバーベキューを開催しよう、城門の外へ移動だ」

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