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連載開始 1巻4/10発売!【完結】魔王様、溺愛しすぎです!  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
78章 温泉旅行は驚きがいっぱい

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1083. 親探しは数年後

 ピヨの魔力がピンクに見える話は以前に聞いた。外見の色と魔力の色は一致しないのだ。だが、今度の雛もピンクだとすれば……兄弟や姉妹の可能性があった。


「……ピンクの魔力」


 残念ながら、ルシファーやアスタロトの能力を持ってしても、魔力の色は見えない。魔力の量や質を感じることは出来るが、可視化していなかった。


「同じピンクの魔力の持ち主を根気よく探すしかないでしょうか」


 見えるのがリリスだけなら、リリスを連れて各地を回るしかあるまい。視察に出向いた先で、こつこつ探すのが近道か。顔を見合わせた魔王と側近の隣で、リリスはポシェットから出した飴をひとつ口に放り込んだ。首を傾げて瓶を振る。


「いえ、今は結構です。ありがとうございます」


 丁重に断ったアスタロトをよそに、ルシファーは口を開けて入れてもらった。甘い物が食べたいというより、リリスが勧めたから食べただけだ。


「はふへへはひぃひゃらい」


 集めればいいじゃない。暗号めいたリリスの提案を、ルシファーが通訳する。アスタロトは行儀が悪いと呟いたものの、それ以上指摘しなかった。考えに没頭しているようだ。


 リリスにしたら、わざわざ出向いて探すのは面倒だし、視察は旅行だと思っている。ピンクの魔力探しに時間を費やすのは勿体ない。それなら一箇所に人が集まる機会を設けて、纏めてチェックした方が早かった。


 目に飛び込む色が鮮やかで疲れるが、敷き詰めた飴の中から大好きなピンクを探すくらい、何とかなる。簡単そうに請け負ったリリスが笑う。口の中の飴を転がし、からころと音を立てた。


「一番早く民が集結するのは……結婚式でしょうか」


「え? あと数年先の話だろ」


 リリスや魔の森の状況によっては、10年単位で先送りも考えられる。彼女がまだ感情的に幼いこともあり、恋人より父親の感覚が強かった。長い寿命の持ち主であるルシファーとしては、あと数十年待っても構わないと考えている。


「では即位記念祭の方が早いでしょうか」


 我慢するつもりだが、あっさり先延ばしされるとそれも面白くない。複雑な心境で、ルシファーは返答を避けた。黙り込んだルシファーの頬に入った飴を突き、リリスが笑う。


「あのね、魔の森は5年もしたら起きるわよ。だってうたた寝だもの」


 魔王城から離れたためか、活火山がある場所のせいか。リリスは魔の森の状況をある程度掴んでいる様子だった。そこから森に関する幾つかの質問に答え、アスタロトは満面の笑みで頷いた。


「助かりました。では母なる森が目覚め次第、結婚式を行いましょう。準備は5年後を目処に進めます」


 忙しいスケジュールだが、何とかなるなら任せよう。ルシファーが下手に口出ししたり、余計な手出しをすると邪魔になる。文官の試算や現場の動きは、慣れた者に任せるのが一番だった。


 ルシファーはよく知っているのだ。魔力や魔法に関してはほぼ万能に近い自分だが、専門に培われた技術や知恵を伝承する者には敵わないことを。どの分野であれ、専門家がいるなら一任する。その責任を取り許可を出すのが魔王の仕事だった。


「雛はどうするの?」


 リリスの疑問に、アスタロトが物憂げな息を吐いた。アムドゥスキアスを母親と刷り込まれたため、今もデカラビア子爵家で火を吐いて暴れている。預けるのは無理があるだろう。だがあの翡翠竜に育てられるのか。その懸念を言葉にした途端、ルシファーも唸った。


 甘えん坊でドM体質の小竜だ。面倒は見たとしても、雛の将来が不安だった。ドM体質に育ったらどうしよう。一番理想的な解決は、実の親が名乗り出てくれることなのだが。


「一度魔王城に持ち帰るか? ピヨがいれば、何とかなるかも知れん」


「何とかならなかったら、火口に放り込みましょうか」


 無責任な発言をする側近をちらりと見て、ルシファーは隠れて笑った。どうせそんなこと出来ないくせに。存外甘いのだ。婚約者のそんな仕草に、リリスも釣られて頬を緩めた。

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― 新着の感想 ―
[一言] アスタロトさんは本当に庇護が必要な弱者や善生な信念を持つ弱者に優しい。
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