表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
連載開始 1巻4/10発売!【完結】魔王様、溺愛しすぎです!  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
78章 温泉旅行は驚きがいっぱい

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1081/1398

1075. お風呂に入りたいの

 温泉がメインの屋敷で、お湯が出なければ価値がない。デカラビア子爵家への連絡と確認は、シトリーが向かうことになった。婚約者の実家なので、最適の人選だ。


「悪いけれど、お願いね」


 お風呂に入りたいリリスは、両手をしっかり握ってシトリーにお願いする。にっこり笑った銀髪の少女は、握り返しながら頷いた。力強い了承に、リリスは安心して振り返る。


 火口へ向かうため、炎に耐性がない種族はお留守番だった。今回だとヤン、イポスの護衛コンビである。イポスは火傷しても同行すると願い出たが、今回は諦めざるを得なかった。


「私がリリス姫とルシファー様の護衛をしますから」


 大公アスタロトにそう言われては、残るしかない。無理に同行すると言えば、彼では実力不足だと罵るのと同じ。仕方なく屋敷の警護に同意した。気の毒に思ったのか、リリスがルシファーに耳打ちする。肩をすくめたルシファーが、直した寝室に荷物を並べ始めた。


「ここに荷物を置いていく。装飾品もあるから、しっかり守ってくれ」


 リリスの気遣いに、イポスが泣き笑いの顔で頷いた。それを見るなり、シトリーとレライエも収納から荷物を出して部屋にしまう。彼女らの場合、荷物を収納に入れていると、魔力を消費する。少しでも身軽な方が都合がよかった。ヤンの柔らかな毛皮を撫でて、荷物の見張りをお願いする。満足げに鼻を鳴らすフェンリルは、部屋と部屋を繋ぐ廊下の真ん中に陣取った。


「私も置いていきましょう」


 収納の容量はほぼ無限大の魔王と大公だが、この状況で自分だけ荷物を出さずに行くのは気が引ける。まるで残る護衛を信用していないように見えるだろう。いくつか服と装飾品、書類入れの箱を部屋に入れた。


 ここで準備完了だ。シトリーは一足先に空へ舞い上がった。デカラビア子爵家までは、そう遠くない。鳥人族の翼ならば、15分あれば到着するだろう。事情を説明して合流するまでに、火口の状態を確認するつもりのルシファーが魔法陣を描いた。


「行くぞ」


 レライエは火属性、翡翠竜は風属性だが竜種は炎に強い耐性がある。アスタロトの心配は不要だし、ルシファーとリリスは言うまでもなかった。ピヨとアラエルは先に火口へ向かっている。


 瞬きの時間で火口付近の岩の上に着地した。ぐらりと岩が傾く。


「やだっ!」


 驚いたレライエが、咄嗟に翡翠竜のバッグを強く抱き締めた。動けない上、魔法陣も使えない状況にも関わらず、首を絞められたアムドゥスキアスは嬉しそうだ。


「ルシファー様、どうしてここを選んだんです?」


 文句を言いながら飛び降りたアスタロトが、手を広げてレライエを受け止める。義娘の同僚で友人なので、破格の対応だった。アムドゥスキアスが唸り声をあげるが、レライエに叱られて首を引っ込めた。婚約者に触れたので、アスタロトへ一言文句をと思ったらしい。


「きゃっ」


 リリスを抱いて飛び降りたルシファーは、直後に転がっていく巨大な岩を見て肩をすくめた。


「悪い。以前は平地だったぞ」


「転移先の確認を省かないでください。何十年前の記憶ですか」


 以前に含まれる「過去に来た時」という部分を、皮肉って叱る。だがルシファーはけろりとしていた。このメンバーで、ケガ人が出るわけがない。危険なら結界で包んで守ればいい話なのだ。この魔力任せの危機感の無さが、最大の問題です……ぼやくアスタロトの心労は尽きなかった。


「かなり暑いわね」


 汗が出ちゃうわ。ポーチから取り出したハンカチで額を拭うリリスに、慌ててルシファーが結界を張った。ドーム系では動きにくいため、個々に膜を纏う形で熱を遮断する。


「ありがとう、ルシファー」


「どういたしまして。これなら飴も溶けないな」


 言われて、リリスはポーチの中に飴を入れていたことを思い出した。あのまま火口に近づいたら、溶けた飴が一塊になるところだ。


「危なかったわね」


「飴にも復元の魔法陣をつけておこうか」


「ルシファー様、無駄なことはおやめください」


 食べた分が減るのに、復元は適用できない。瓶が割れたり、中身が溶けた時の為だけに魔法陣を使うのは贅沢だろう。そもそも飴ならなくしても、買えば済むのだから。放っておくと効率を考えずに動くのは、ルキフェルもよく似ていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ