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連載開始 1巻4/10発売!【完結】魔王様、溺愛しすぎです!  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
78章 温泉旅行は驚きがいっぱい

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1073. 休暇の初日だからな

 結論から言うと、魔法陣がやや焦げていた。ルシファーがよく使う主寝室に魔法陣を仕掛けてあった。気を利かせすぎたピヨは、奥の主寝室から掃除を開始したらしい。


「直り、ますでしょうか?」


 恐々覗くヤンは、ぺたりと耳が垂れている。養い子の失態に、気持ちが折れていた。フェンリルは風の魔法を使うものの、魔法陣と縁がない。そのため、焼けた魔法陣を見ても修復可能か判断できなかった。


 屋敷が元に戻らなかったら、腹を切って詫びるべきか。この首ひとつで納得してもらえるだろうか。不安は尽きない。毛皮と首でなんとか……そう嘆願しようとした時、ルシファーが煤の上に膝をついた。壊れた魔法陣の端を指でなぞる。


「問題ないな。この程度なら発動するし、元の形がわかるから復元可能だ」


「うっ……我が君」


 鼻を啜るヤンに、笑いながら立ち上がった。邪魔にならないよう大型犬サイズに縮んだフェンリルの鼻先を、優しく撫でる。


「ヤンの失態じゃないし、ピヨも反省している。次は叱るが、今回は見逃そう。何しろ休暇の初日で機嫌がいいからな」


 巻き込んでいた尻尾を振りながら礼を口にするヤンを見ながら、アスタロトは肩をすくめた。魔王本人がそれでいいと言うなら、別に口出しすることではない。


 たとえ……この魔法陣がどう見ても修復不能であったとしても。ルシファー自身が何とかすると断言したなら、側近が口を挟む話ではなかった。ルシファーが口にした通り、今日は休みの初日なのだ。わざわざ険悪な雰囲気を作ることはない。


「では陛下にお任せし、部屋割りをしましょうか」


 何度も訪れた別邸は、側近達も自由に使ってきた。部屋の数や間取りは頭に入っている。取り出した紙に、さらさらと図面を描いた。


「主寝室の隣は、護衛の部屋となるのが慣わしですので……イポス。向かいの部屋は私が。あなた方はここから西側の部屋を好きに選んで構いませんよ」


 東の端にある主寝室から順番に決めていき、余った部屋は15部屋。普段誰が住むわけでもないのに豪勢だが、これには理由があった。30年に一度程度の感覚で、魔王城の侍女や料理人の大量入れ替えが行われる。その際の研修施設としても利用されてきた。


 部屋の間取りは魔王城を参考にしており、実践に近い環境で研修が出来るため有用だ。また上司を通して申請することで、会議や親睦会での利用も許可された。魔王城に勤める者の特権なのだ。過去には魔王城の侍従長を500年ほど勤めた男が、家族連れの温泉旅行をする際に魔王から借りた記録もあった。


「私はここ、リーはどうする?」


「なら隣にする。向かい側はシアとルカが使えばいいわ」


 休暇明けの仕事で到着予定の同僚の部屋も決めた。アスタロトにそれを伝え、後ろを振り返る。


「魔法陣を発動する。全員外へ出てくれ」


 復元の魔法陣は、壊れる前に仕掛けておくのが発動条件のひとつだ。壊される前の状況に戻すには、不純物が少ない方が楽だった。つまり、この部屋にいる者がすべて不純物に該当する。


「陛下、ここ……間違ってますよ」


 レライエのバッグから身を乗り出した翡翠竜が指摘したのは、焼け焦げた部分だった。


「ん? ああ、本当だ」


「これでは屋敷が吹き飛びますね」


 アスタロトも確認して眉を寄せる。なんだか心配になってきた。ルシファーが吹き飛ぶ懸念はないが、魔法陣ごと消去したら復元が大変になる。端から端まで確認するアスタロトの後ろへ、婚約者のバッグから飛び降りたアムドゥスキアスも近づいた。


「こうして、こう」


 円がぼやけた部分を修正し、煤で汚れた手を洗浄する。ぺたぺたと戻った翡翠竜を、レライエが回収してバッグに詰め直した。


「私達は外で待機します」


 シトリーとレライエが手を振ると、リリスも振り返した。この時点でリリスは動く気がない。後ろに控えるイポスも同様だが、魔法陣のチェックを終えたアスタロトに促された。


「ヤン、イポス、ピヨ。外へ出ますよ」


 自分も行くと大公アスタロトに言われては、逆らうことができない。2匹と1人は彼に従って屋敷を出た。

****************

『彼女が魔女だって? 要らないなら僕が大切に愛するよ』というタイトルで、ヤンデレ系の溺愛ハッピーエンド新作を書き始めました。一緒にお楽しみください(=´∇`=)にゃん

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