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076  理想を思い描く瞬間とは


 テレビを見ていると1軍で活躍しているスーパースターがCMに出演していたりする。それは誰もが知っている知名度を誇っているが故に、こうしてCMに出演できるのだ。そもそも全国規模での知名度が無ければCMのお誘い自体が来ないので、昔よりかは幾分も野球人気が上がったようだ。昔は野球人気も低迷気味で、全国の人々に顔を知られている野球選手などあまりにも少なかった。ところが、チビが崇拝いているAKIRAは野球人気低迷の中でもひときわ輝いていたので、引退した後もCMに出演し続けている程の人気っぷりだった。それぐらい彼は日本中の誰もが知っている存在へと成長していたのだ。だからこそ、自分もCMに出れるぐらいの活躍をしたいと心の底から願うチビは「よし!」と心の中でエネルギーを放出させた。そして木製のバットを持ったと思うと、次の瞬間には外に出てバットで素振りをしていた。目指す位置はCMに出演するために誰からも認められるプロ野球選手になる事だ。そうなるためには日々の練習を積み重ねて、技術と体力を向上しなくてはならないので大変である。しかしそれでも挫けずに困難に立ち向かって前進する者が成功の二文字を手にするのだ。


「あら、正月開け早々練習漬けとは大変だね」


 するとそこに現れたのは寮のおばちゃんだった。このおばちゃんは今年で60歳を迎えるのだが、その歳とは裏腹に子供のような嘘をついたり、選手のユニフォームを自分が隠したのに「私は知らんよ」と白を切る程の意地悪おばさんだ。それでいて、好みの若い子を見つけると、その子から気に入られようと賢明に色気を使っている故に、皆から嫌われているのだ。しかもおばちゃんは自分が

皆から嫌われているのを分かっているくせに嫌がらせをやめないのだ。


 そんなおばちゃんに声をかけられたチビは一瞬膠着したのだった。



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