045 誰もが羨むムチムチボディ
チビにとっては、あの1軍で2000本もヒットを打つなど途方もない偉業だった。160キロのフォーシームを投げるピッチャーは当たり前だし、それこそ七色に光る変化球を自在に投げ込むピッチャーが当たり前のようにいる。元が動物だからとてつもない身体能力をしているので、彼らはとてつもないプレーを当たり前にしてくる。21世紀ではスパープレーとして扱われていたのに、22世紀では普通のプレーとして扱われているなんて当たり前である。それこそ2軍でくすぶっているチビには想像もつかない世界なのだ。1軍とは。
そんな世界で2000本もヒットを打つというのはとんもない事なのだと、少なくともチビはそう感じていた。この黒毛和牛専門店も一部の選ばれた金持ちしか出入りできず、チビのような無価値な貧乏人は直ぐに追い出されてしまうだろう。プロ野球選手になったといえど、1軍に出場して活躍しなければ知名度など皆無に等しいのだ。そういtった意味ではどうすれば1軍に出場出来て、なおかつモチベーションを維持する方法を是非とも教えてもらいたい。
「ああ……美味しいです」
ミラベルが焼いてくれた肉は格別だった。自分のような焼肉素人ではとても生み出せない味である。相手を称えるとか、そういう意味など全く無く素直に相手を褒める言葉が口から出てきた。
「私は焼肉が大好きだから、毎日ここで食べてるわ」
「毎日ですか! 良く飽きないですね!」
さすがのチビも動揺した。焼肉を毎日食べるという偏食っぷりは中々お目に掛かれないからだ。しかも肉を毎日食べているのに、そのスレンダーなムチムチボディを維持出来ているのは凄まじい才能だ。




