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異世界カフェ~裏メニューは勝者への道~現代ストレスからの逃亡者たちが勇者パーティとなって異世界を救う件  作者: 稲盛 皆藤
異世界カフェ

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7/20

初めての実戦

 訓練場での各々のトレーニングも基礎レベルを超えて来たため、固定の的に対する

攻撃だけでは満足できなくなってきたようだったので、来週からはギルドの職員の同行で

初めての実践訓練に近くの森に出ることになった。現在のYUKIのステータスはこんな感じで

着実に実力を身に付けていた。

・主要ステータス

 小川幸江(YUKI)

LV132 *地球の人間属(転移直後の数値)

 体力 ゲージ・・・3800/3800(3200)

 魔法 ゲージ・・・1100/1100(100)

 気力 ゲージ・・・10600/10600(10000)

・アビリティ

 ちから 3280(3200 )すばやさ 10200(9600 )みのまもり 1800(600 )知恵 4600(3200)

 剣 100(100) 斧100(100) 槍 100(100) 弓100(100) 銃100800(100000)

 火属性 105(100) 水属性 1080(100) 土属性 110(100)

 風属性 110(100)光属性 210(100)闇属性 105(100)

やる気 4000(3200 )根性 5600(4800) 継続力 5600(4800) 生きる力 2600(1600)

。スキル

 神様の加護(×100バージョン)

 言語自動変換

 速読(×100)

 記憶力(×100)

 銃技術(×100)

 鑑定(×100)

物質化学式操作(×12)

異空間収納(×15)

召喚(×1)

 実践訓練出発の前に、今日は勇者パーティ全員で装備を整えるために王都のギルドお抱えの

武器屋に来ていた。そこには剣や斧、杖や弓などのメジャーな武器から誰が使うのだと思う

よく分からない形状の武器まで何でも取り揃えていた。

SEI「あ、これかっこいいぜー。」と自分の装備品である黒の拳サポーターに注目して見ていた。

店主「どうぞ、お手に取ってご着用下さい。」と販売意欲まんまんで接客を行っていた。

SEI「おー手にフィットするし、この金属板は硬そう。」と両手の拳を合わせて金属板同士を

ぶつけて感触を確かめていた。

店主「さすが勇者様お目が高いです。そちらは、黒曜石を使用しておりますので、

   どんな魔物でも打ち砕くことができますよ。」とセールストークで勧めてきた。

SEI「ドラゴンでも?」といじわるな質問をしてみた。

店主「いや、ドラゴンは魔物とは別でして、それはちょっと無理かと。」恐縮そうに答えた。

SEI「だよな、まあとりあえずこれにしとくわ。これくれるか。」と黒曜石のはめ込まれた

真っ黒な拳サポーターを買うことにしたようだった。

周りのみんなが「なんだ、文句つけといて買うんかーい。」と思ったようだった。


 他のメンバーもSEIと店主の会話を聞きながらいろいろ見て回っていた。

 それぞれ、YUKIは、訓練で使用していた物よりもっと小型でガンタイプの青い魔導銃を

選んだ。以前地球で毎日使用していたガンに持ち手が似ており手に馴染んだのと、

何だか自分の属性が水であることを無意識で選んだカラーの様だ。TOMOは闇属性が

メインの筈だったが、高価な装飾を施した高そうな真っ白な杖を選んだ。WILLは、ここには

必要な剣が売っていないようで、既に持っていた白杖のデザインの柄をあしらえた神聖魔法を

使う剣をそのまま使うことにした。IGLEEとGORRDONは新しい武器には興味が無かったので

窓際にあった待合テーブルでお茶をすすってみんなを待っていた。

 次は、そのままみんなでギルドお抱えの防具屋に来た。防具は武骨な金属製の物が多かったので、

既にチートで防御力を上げている元地球人4名と魔法で防御できるIGLEEは興味を持たなかった。

唯一GORRDONだけは店主のドワーフと知り合いのようで積もる話に花を咲かせていた。

YUKI「私、金属製の防具は重たいし、汗を蒸発させないから蒸れそうだし、着たくないわ。」

とIGLEEに愚痴った。

IGLEE「そうね、私はエルフ属の軽くて丈夫な装備で十分だから要らないんだけど。」と少し

エルフ自慢を交えて答えた。

TOMO「YUKIさんに同意するー。私もこんな暑そうなのやだー。」と店主に聞こえるのも

お構いなしに答えた。

YUKI「だよねー、じゃあ店主さーん、今から私が自分で素材を作るから縫製だけを頼めますか?」

と、GORRDONとお話中の店主に割り込んだ。

店主「とりあえず扱えるかどうかは見てみんとじゃが。」と怪訝そうに答えた。

YUKI「分かりました。じゃ、こっちのテーブル借りますねー。」と言って何やら実験でも

するかのように巨大な実験用バットに液体を流し込んで、何やら呪文を唱える作業を

繰り返した後で繊維を繋ぎ合わせる作業を行った。YUKIの作っている素材は、この世界には

存在しなかった。ケブラー繊維は正式名ポリパラフェニレン テレフタルアミドで構造式は、

[-CO-C₆H₄-CO-NH-C₆H₄-NH-]ₙ で防弾効果があるので金属製の十分の一以下の重さで

デザイン性も優れていた。YUKIには化学式が分かれば物質を作成できるスキルを既に

獲得していたので、大学時代に勉強したポリマーが就職には役に立たなかったなと

思っていたその知識が今ようやく花開くことになったのだった。


 作業には10分程度の時間がかかった。

YUKI「よーし、できました。本当は繊維の間に鉛とかの金属を挟めばもっと防弾効果が

   上がるんですが代わりに魔法で防御効果を付与してあるので、概ね矢、銃撃、

   刃物での斬りつけは防ぐ効果がありますよ。」と得意げに店主に差し出した。

店主「おー素晴らしい、見たことも無い素材ですじゃ。でもこれどうやって切って

   加工するんです?とても普通の刃物では処理できないかと。」

と見たことも無い素材に興奮気味だった店主が我に返った。

YUKI「レーザーカッターかニッパーみたいな物なら切れますよ。」と何気なく答えたが、

この世界には、それらは無い様でGORRDONが助け舟を出してくれた。

GORRDON「ドワーフの大ばさみなら切れるぞい。ミスリルに魔力を注いでやればいいんじゃ。」

店主「そうか、その手があったわい。じゃ、YUKIさんや、お二人分作るで3日間時間を

   くれるかの。それから縫製代は無料で引き受けるから、あとの余った生地は

   もらってもいいかの。もし使えそうなら、また別の生地を作ってもらえば高値で

   買い取らせてもらいたいから、その辺もお願いしたいもんじゃのう。」

YUKI「もちろん、いいですよ、では楽しみですね、よろしくお願いいたします。」

とみんなは防具屋を後にした。


 その後は、道具屋や魔法屋を回って必要な消耗アイテムや備品の補充を行った。

今日もいろんなことがあった。夕食後は自由時間になったので、各自部屋で過ごしたり、

飲みに出掛けたりとバラバラだったが、YUKIは、本を読みながら、ペットの召喚獣

ホワイトタイガーの子供と一緒に過ごしていた。名前は、ハッピと名付けた。

YUKIの幸の字ハッピーなので、そう呼ぶことにしたらしい。今日も癒しの時間を満喫できた。


 いよいよ初めての実践訓練の日が訪れた。

最初は、近くの森に野良の魔物退治であった。

 最初はお約束のスライムが三匹ひょっこりと現れた。SEIが前に出てスライムの一匹に

殴り掛かったが、プニプニしていて倒せなかった。次にTOMOがファイアボールを一匹に

当てたところ、小さくなって消滅した。それを見ていたSEIが、拳サポーターに火魔法を

込めて魔法拳で突いてみたところ、一撃で仕留めることができた。YUKIは残りの一匹に

水魔法の魔導銃で撃ちまくってみたが、スライムの属性が水だったせいでどんどんと

大きなスライムに成長させただけだった。

IGLEEは、それを最初は傍観していたが、あまりにもスライムが大きくなっていったので、

風魔法を乗せた弓矢で核を正確に打ち抜きつかった消滅させた。勇者パーティ初陣は

そんなちぐはぐな感じで勝利を収めた。


 森を奥に進んで行くと、次は一角ウサギが10匹程度の群れで現れた。

みんな好き勝手に、魔法やら攻撃やらを撃ちまくっていた。

SEIは空手の型にこだわりすぎ、主に近距離打撃ばかりで自分に酔いしれている感じだった。

YUKIは魔導銃でひたすら氷のつぶてを撃ちまくっていて単調な攻撃だった。

WILLは魔物を殺すことに対して遠慮がちで魔導剣をただの光る物理剣のように振り回している。

TOMOは自分の持つ全属性の試し撃ちをしているようで、様々な魔法で魔物を消滅させては

いたが個人での動きしか見られなかった。結果的には全滅させることができたのだが、

お目付け役のMIRAGEとBRISEは、あまりにもちぐはぐな連携のない攻撃に目を覆っていた。


MIRAGE「はい、みなさーん、お疲れ様でした。各自ステータスの減りを確認して次の戦いに

    備えて下さい。特に気力ゲージは大事ですからねー。」

と引率の先生のようなアドバイスをしていた。


 確かに乱打戦では使った分の魔力と、疲れとして感じられる体力ゲージの減りはすぐに

実感できたが、気力ゲージの減りは言われないと気付きにくいのか、みんな大きく削られていた。

WILL「はい、みなさん私の近くに集まって下さい。気力回復は私が得意ですので。」と、

やや顔をしかめながらも仕事を努めるといった様子で、みんなを集めて祈りからの

気力回復魔法でみんなを癒した。特に近距離攻撃を得意としていたSEIが血だらけになっていた。

魔物も赤い血を持っているようで、いわゆる殺戮行為にYUKIとWILLはまだ慣れて居なかったので、

気力を大きく削られていたのだった。

 さらに森を奥に進んで行くと、尾っぽが3つもある三尾ウルフの群れに出くわした。

総勢30匹は居たであろう。今回もみんながバラバラに訓練場でトレーニングした技をいろいろ

試しながら、何とか全滅できたが、手ごたえや達成感というより、必死で凌ぎきったという

感じだった。


BRISE「はい、みなさーん、今回は結構やば目でしたね。自分たちの得意技は十分試せましたか?

   回復薬、魔力回復薬、霊薬をお配りしますので、次の戦いに備えて下さーい。」

 自分たちの強さやレベルがどの程度かを悟らせる目的なのか具体的なアドバイスは何も

無かったが、経験値は稼げている様だった。みんなどんどん赤い血が固まった赤黒い色に

装備が汚れていった。YUKIは血がとても気になるようで魔導銃をケルヒャーの高圧洗浄機の

ような使い方で撃ちまくっては、 血を水で洗い流すことばかりしていた。

 さらに森の奥に行くと拓けた草原のようなところに出た。ずいぶん先の方に湖のような

物も見えた。と、何やらブーンという生理的に嫌な音が近づいてきた。虫たちの群れだった。

そこには、クモ、ザリガニ、ムカデ、ダンゴムシ、ハチを思わせるそれぞれ体長は1M以上

あったので、近くに来たときは恐怖しかなかった。今度は総数100匹以上いたので、

全員が焦りまくって訓練場で練習した内で最も馴染みの深い攻撃系の魔法をぶっ放し続けた。


 最初にMIRAGEが戦線から離脱させたのは、WILLだった、みんなをモニターしていたのだが、

体力、気力が0に近づいて危険な状態だった。次は意外にもSEIだった。

まだ戦いたそうだったが、体力、気力が0に近づいており、BRISEはSEIを戦場から強制的に

離脱させた。残った4人はそれぞれ得意な魔法を駆使して苦戦の末、魔物たちを全滅させる

ことができた。しかしながら、これまでに経験したことが無いほどへとへとに疲れた。

MIRAGE「申し訳ございませんが、今回はお二人は危険な状態と判断しましたので、戦線離脱して

    もらいました。体力と気力がもうほとんど残ってない状態になりましたので。ご容赦下さい。

    まだ戦う意志はございますか?」

と理由を説明して納得させたが、SEIが興奮冷めやらぬ状態で嚙みついた。

SEI「まだ、俺やれたじゃん。」と明らかに負け惜しみで駄々を捏ねる子供のような反応を見せた。

WILL「私は、自分が得意だと思ってた気力回復が追い付かずにもうだめかと正直思いました。

   でもまだやれると思います。」

と意気消沈しているようだったが、生来の真面目な性格で使命感を忘れてはいないようだった。


MIRAGE「それでは、このまま訓練を継続しますので、一つヒントをお教えします。

    回復しながらで良いので考えてみて下さい。体力、魔力、気力を上手く

    コントロールしながら戦う方法は何でしょうか?」と問いかけた。

 地元の戦士であるIGLEEとGORRDONには言わないでねという目配せをしていた。

YUKIは魔物の赤い血にぜんぜん慣れなかったので、魔導銃をケルヒャーの高圧洗浄機の

ような使い方で撃ちまくって魔力の無駄使いをしていた。地球から来たみんなはまだ

実践経験が浅く、なかなか答えが出ないようだったが、敵は待ってくれなかった。

 虫たちの死骸を餌と認識してオオツノゴリラが20体程現れた。体長2M以上ある大きな

個体でしかも、オオツノゴリラは、知能が高く防御力が半端なく強く、複数個体が協力して

戦闘をしかけてきたので、勇者パーティはかなりの苦戦を強いられた。各戸バラバラの攻撃

では、どうにもならない。今回は残念ながら全員強制離脱かと思われた際、負ける一歩手前で、

TOMOが得意の闇の広範囲魔法ドグーマを放って魔物を全て消し去り、ギリギリ勝つことが

できた。


 みんな満身創痍であるのは自覚しているようだったので、今回の実践訓練はここまでとなった。

MIRAGEは持参していた転移魔法陣のアイテムを使用して、全員ギルド本部へ戻った。

 みんな疲れ切ってはいたが、全員で反省会を行う必要があった。

MIRAGE「今日は本当にお疲れさまでした。いろんなことを経験できましたが、全員で問題点を

    共有し明日からの訓練ではそれらを修正した訓練メニューを作成しますので、その改善

    内容をホワイトボードに書いていきますので、各自それらの内容をしっかり自覚して

    頭に入れて下さいねー。」

と箇条書きで地球組全員の問題点を大学の講義のように書き込んでいった。


 以下ホワイトボードの内容『

SEI 勇者はリーダーなのに仲間への指示出しが全くない。空手の型にこだわりすぎで

  近距離攻撃しか使っていないので、もっと広範囲の火魔法も使うべき。

YUKI 水魔法の無駄使いが多い。血を洗い流すのは戦闘中にすべきではない。

   広範囲魔法も使うべき。

Will 後衛で全体を見渡して仲間に補助魔法や回復魔法を掛けれていない。

  魔導剣の広範囲光魔法プリズムライトが使えるのに使おうとしていない。

  魔物を殺すのをためらっているように見える。

TOMO 魔法の試し撃ちに問題はないが、単独魔法ばかりで連携しないので、気力の減りが

    早く、気力に連動して体力や魔力も削れている。後衛で仲間が戦い易くなるための

    ポイズンブレスとかの全体を弱らせる魔法やタイムレイトなどの補助魔法を

    使ったりして助け合う戦闘法が必要。』


MIRAGE「SEIとTOMOはもう1年以上前からこちらの世界で活動しているので、

    内容は他の二人より厳しくなっているけど、そこはご容赦くださいね。」

と先輩の二人にはフォローも忘れなかった。


 翌日からの訓練では、各々の課題を明確にしたメニューでの訓練コースが組まれていった。

 その日は疲れていたので、各自夕食以降の時間を過ごすこととなったので、

ようやく自由時間を手に入れたYUKIは、ホワイトタイガーのハッピと憩いの時間を自室で過ごした。

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