15 千紘姉さんとお昼ご飯
◆◇◆
映画が終わって、俺たちは手をつないでショッピングモール内を歩く。
「面白かったねぇ、幸斗」
「良かったよ。最近はネトフリでシリーズものばかり見てたからね。たまには2時間で完結する話を見るのもいいな」
俺はカッコつけて、えらそーな口をきく。
通り過ぎる歩行者の男は、千紘姉さんの顔と胸をガン見している。ものすごい美人で爆乳の持ち主だもんね。俺は鼻が高いよ。
13時ちょっと前。
お昼ご飯をフードコートで食べる。
俺たちは金がなかったから、ショピングモールに足を踏み入れたことがほとんどない。聞いた話ではショピングモールはファミリー層が多いが、高校生でもデートに使っているという。
フードコートは確かに家族連れがひしめいている。でもちらほらと、高校生らしき男女が2人で食べている。
「先に席を確保した方が良さそうね」
「だね」
俺たちは広いフードコート内を歩き回って、端っこで空いている2人掛けのテーブルを見つける。千紘姉さんが傘を立て掛けておいた。
空いているレストランもあるんだけど、高校生はフードコートの方が似合ってるだろうと思う。
「幸斗は何にする?」
「そうだなぁ」
俺は色んな店があるのを眺め渡す。
ラーメン屋が目に止まった。
最近はラーメンを食べてない。女の子たちが豪華なご飯やお弁当を作ってくれるから。
「じゃあ俺はラーメンね」
言ってから、あまりデートっぽくないんじゃと思った。
「私もラーメン食べたいな」
千紘姉さんがすかさず同調してくれる。気が合ってうれしい。幼い頃から一緒にいる千紘姉さんには俺はカッコつける必要がないんだった。気楽にできるのはありがたい。
カウンターで俺は醤油ラーメン大盛り、千紘姉さんは醤油ラーメンを注文してお金を払う。
食券を受け取って、トレイに載せて、列に並ぶ。
「学食みたいだね」
千紘姉さんが面白がっている。
「うん。でも学校の外で、学食みたいに食べるのは初めてだから新鮮に感じるよ」
ラーメンを受け取ってテーブルに運んだ。向き合って座る。
「幸斗、食べさせてあげよっか?」
千紘姉さんが箸を差し出してくる。
「うーん、せっかくだけどラーメンは遠慮しとくよ。俺に食べさせているうちに千紘姉さんのラーメンが伸びちゃうじゃん」
俺は千紘姉さんが食べさせてくれるという気持ちだけでうれしい。
「そうね、幸斗はやさしいなあ」
「デートは俺ばっかり楽しくてもダメだよ。さ、食べよ」
「うん、いただきます」
千紘姉さんがラーメンをちゅるちゅるする。
俺にとって絶世の美女は何を食べても絵になる。
「写真撮ってもいい?」
俺はスマホを取り出す。
「いいよ」
千紘姉さんがにっこりして、ぴーす。かわゆい。
パチリ
「千紘姉さんと初デートだから、記念写真を撮っとかないとね」
「うんうん、私も幸斗とのデートが一生の思い出になるよ」
俺はスマホの写真を確認して満足。千紘姉さんも俺とのデートを特別に思ってくれてて感激する。
ラーメンの味はひとしおだ。大好物がいつもの数倍のおいしさに感じられる。好きな人と食べる料理っておいしいね。




