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31 麿莉奈のコスプレ

 俺はソファでゴロゴロする。

 恥ずかしい課題を出してしまった~と、ちょっと自己嫌悪。


 でもコスプレは立派な文化だ。何も悪くない。裸になれ、よりもずっとマシだと心の中で言い訳する。


 リビングの裏側がちょうど女の子たちの個室。ドアがずらっと並んでいる。


 女の子たちがクローゼットから衣装を選んで来るのは見ないようにした。

 何の衣装を選んだのか知らない方が、見た時にびっくりする。


 20分ほどして、氷室さんが戻ってくる。

「コスプレパーティーの準備が整いました。一人ずつ部屋から出てきますので、幸斗様はソファに掛けてご覧下さい」


 俺は女の子の部屋と向き合うソファに座り直す。


「登場の順番はジャンケンで決めてもらいました。最初に恥ずかしい思いをするのは、麿莉奈様でーす」

 氷室さんが麿莉奈の部屋の前に立つ。ドアを少し開けた。


「やっぱり、恥ずかしいわー」

 部屋の奥から京都弁のイントネーションで嘆きが聞こえてきた。


 え!? どんなコスプレしてくんの!?

 没落令嬢だから、羽織袴(はおりはかま)姿とかじゃないの。昔の女学生の服装だったら似合ってそうだが。


「さあ、勇気を出して、行きましょう」

 氷室さんに励まされている。


 カツカツという靴音がする。


「し、失礼します」

 緊張しまくった声で部屋から出て来た麿莉奈は――

 バニーガール姿。


 黒いうさ耳がかわゆい。でもって黒いボディスーツと網タイツがセクシー。赤いハイヒールの靴を履いている。


 俺は、ぼおっと見入ってしまう。


「後ろを向いて、お尻も幸斗様にぜひ見せましょう」

 氷室さんが不埒なことを勧める。


「ううう……」

 麿莉奈がヒールをカツカツ鳴らして、180度回転。


 後ろからみるとお尻の半分くらいが網タイツになっていて、プリっとしたお尻の形がくっきりと見える。はっきりいってエロい。

 腰の辺りに白いふさふさのしっぽがついているのはかわゆい。


 ゆっくりと麿莉奈はまた前を向く。顔が真っ赤だ。


「麿莉奈様はなぜこの服を選んだのでしょうか?」

 氷室さんが右手を麿莉奈の口元に突き出してインタビューする。マイクは持ってないけど。


「あ、あの、ウチは幸斗さんに堅い女やと思われてそうなので、そうやないよって知ってもらいたく。あう……」

 麿莉奈は恥ずかしすぎるみたいで目を伏せた。

 女の子が恥じらっている姿ってキュンと来る。


「幸斗様はどうご覧になりましたか。感想はいかがでしょうか?」

 氷室さんは俺にも話を振る。恥ずかしいから聞かないで欲しかった。


「……確かに麿莉奈は没落令嬢、いや失礼、清楚なお嬢様っていうイメージがあったからね。びっくりした」


「うう……外しましたね。幸斗さんをドン引きさせたわー」

 麿莉奈がますます(ちぢ)こまる。


「い、いや、とっても似合っているよ。可愛い」

 俺は緊張してしまって、女の子に可愛いなんて普段言わないことを言ってしまう。


「ほ、ほんま!?」

 麿莉奈が赤い顔を上げる。


「うん。ばっちりだよ。ありがとう」

 俺は何がありがたいのか自分でもよくわかんなくなっているが、麿莉奈を慰めたくて言っておく。


 まあ、俺なんかのために大胆なコスプレをしてくれるのは感謝しとかないとね。恥ずかしい気持ちを我慢するなんて、麿莉奈はやっぱり頑張り屋だよ。


「はーい、麿莉奈様、OKです。ソファーの方へ行って下さい」

 氷室さんが、もういいよと言う。


 麿莉奈はうれしそうな顔をして、俺の左に来て座る。

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