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16 ゲーセン

 ◆◇◆


 ラーメンを食べ終えた俺たちはショピングモール内のゲーセンに行く。


「さ、遊びまくろうよ。お金はいくら使ってもいいから」

 俺は超金持ちだから、ゲーセンで使うくらい余裕。普通の高校生のお小遣いだったら、千円くらいしか使えないんだろう。


「あ、でも今日のテーマは普通の高校生のデートなんだった。予算は千紘姉さんと2人分で2千円にしておこうか」

 俺はすぐに訂正。


 若者を安くこき使うことしか考えてないゴミ政治家のせいで、日本人は貧乏になるばかり。千円でも貴重かもしれない。大事にしよう。


「私はゲーセンが初めてだから、どうしたらいいのかわからないよ。幸斗と一緒に遊びたいな」

「俺も初めてだけどな……まずはレーシングゲームにしよう」


 マ○オカートに移動。

 俺は家ではゲームをやりまくっているからな。ニンテ○ドースイッチのマ○オカートもやったことがある。


 ちょうど空いていたので、千紘姉さんと並んで座る。ゲーセンはアクセルとブレーキを踏むところが、家のコントローラーと違う。何となく遊び方はわかるので、千紘姉さんに説明。


 100円玉を千紘姉さんに渡して、投入してもらう。

 キャラクター選択画面が表示される。


「どうすればいいの?」

「好きなキャラを選んでくれればいいよ」


「うーん、モンスターみたいなのにする」

「クッパだ」

 千紘姉さんはキモ可愛いのが好きな人なんだよね。


 俺はヨッシーにしとく。

 コース選択画面が表示される。


「今度はどうすればいいの?」

「同じコースにしよう。ハンドルを左右に動かして俺と同じのを選んで。なるべく簡単なのにしよう」


 池ポチャがないように、サーキット場にする。


 画面が切り替わり、スタート地点で車が整列している。


 テッ テッ テーン


 ヨッシーが勢いよく走り出す。

 千紘姉さんの方を見ると、進んでいない。


「姉さん、ブレーキ踏んでるよ」

「えっ!? 逆なのね」


 千紘姉さんが慌てて踏むペダルを入れ替えて、クッパがようやく走り始める。

 初心者だからしょうがないんだけど、圧倒的にドンケツである。


 かわいそうなので俺はスピードをゆるめて、クッパが追いついてくるのを待つ。

 だがクッパは壁に激突したり、引っかかったりして遅い遅い。


「うう……難しいわ」

「だんだん慣れていくから、諦めないで」

 俺は千紘姉さんを励ます。


 クッパは他のキャラにアイテム攻撃を受けまくって、転倒しまくり。

 2週遅れになって、ようやくゴール。


「私は下手ね……」

 落ち込んでいる千紘姉さんが愛おしい。


「最初は誰でも難しいよ。もう一度やろうよ、姉さん」

「そうなの? 私は普通よりずっと下手なんじゃ」


「む、むしろ上手な方だよっ さ、もっかい同じコースで」

 

 俺たちはさらに2回、マ〇オカートをやった。3回目ともなるとさすがに千紘姉さんでもやり方がちょっとはわかったみたいで、壁にぶつかりまくることもなくなった。


「私はやればできる子なのね」


 最下位ばっかりだったけど、千紘姉さんが楽しんでくれていて俺は満足。


 次はクレーンゲームに挑戦。

 初めてだけど、操作方法はレバーを動かして、降下ボタンを押すっていうくらいは知っている。


 アニメの萌えキャラのフィギアの台に、まず俺が100円玉を入れる。

 クレーンを前後左右にレバーで動かして……

「よし、この辺だな。行けっ」

 降下ボタンを押す。


 クレーンが降りていくのを、二人で見守る。

 上手い具合に箱の端をクレーンが挟んで持ち上がる。


「すごい、幸斗。取れそうじゃない!?」

「このままいけっ」

 

 ズズズ……ボトッ

 だが無情にもゴール手前でクレーンから箱が落っこちる。


「あああああああ」


「ああ……残念」

 千紘姉さんも悔しがっている。


「んー きっとそう簡単には取れないんだよ。取れそうで取れないっていうドキドキ感を味わうものだよね」


  100円で数千円するフィギアが取れたら、ゲームセンターの商売が成り立たないっていうのは俺でもわかる。

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