二十八話 クセが強いスキル紹介
俺でさえレベルが2つ上がったのだから。
俺はこれで獲得したスキルポイントで新たなスキルを得るつもりだがその前に聞いたかった。
「まずはサンサンからや」
「私からアルカ。ええと、ユニークスキルが〈鎧袖一触〉と〈被虐体質〉〈武術肉体(妄)〉アルナ。そして他に〈雷霆互調〉〈蠱毒八極〉〈炮烙掌底〉があるアル」
〈鎧袖一触〉はギガントクリオネの時に〈被虐体質〉はヘイシダコを討伐する時に使用した。
最後の三つはサンサンに出会った時に〈鎧袖一触〉を教えてもらった時についでに聞いた。
「後半三つは前に聞いたな。〈武術肉体(妄)〉ってなんや?」
「ええと、技名がある攻撃の攻撃力と会心率を向上させるって書いているアル」
「結構強いやないかい」
結構な性能の攻撃バフじゃないか。
サンサンの役職【バーサーカ】に恥じないスキル内容。
ただ、ドMのサンサンの事だ、何かしらデメリットがあるだろう。
「でも、使うと体力が減るらしいネ」
「うん、流石デバフ大好き中華娘。オチが分かってるやん」
「ご主人様、褒めてくれているアルカ?」
「褒めてないわ」
話にオチがある事は褒めたが総合的には褒めていない。
ここまでの流れ、デバフスキルを習得するのがこの駄メイドの典型例。
「………んんん。上げてから落とす。流石私のご主人様。分かっているアルナ」
「よし、この変態駄メイドは放っておくか」
サンサンの対応にいちいち反応していたら時間がかかってしょうがない。
「トキマサさんから聞いておいてダメだったら放っておくってちょっと下衆じゃない?ねえTー34」
「そうだな、我が飼い主よ。同志もなかなかだな」
近所のおばちゃんみたいに口元に手を添えてヒソヒソ話をするゼアミとTー34。
基本的にそういう系の話は周りは聞いている。
いや、わざと聞こえるような声量で喋っているのだろう。
「聞こえているぞ。よし次はお前だぁぁぁぁ。Tー34」
「ほう、私の出番だな。では言ってやるぞ。私の偉大なるソビエトのスキルを‼︎」
「崩壊した国はどうでもいいから早よ言え」
「まだ崩壊しておらぬわ」
「まだって事はいつかするんやろ。早よ言えって」
突然崩壊して夢の国になった国はもう良いんだよ。
俺は年齢的に崩壊した後に生まれた世代。
出来るなら崩壊した瞬間を見たかったと思う今日この頃。
「こほん、では述べるぞ。一回しか言わぬからよく聞いておけ。ユニークスキルは〈第二永久機関〉〈野獣本能〉〈赤化の波〉。そしてソビエトのスキルが〈魔銃火器掃射〉〈無限魔弾〉である」
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