十三話 漢のロマン
「無加熱金属式バレル、開門!」
「おう、T-34。何言っ………」
俺の横でT-34が持ってきた棺桶を横に傾ける。
何やらガチャガチャ音を鳴らしながら棺桶の下部分に金属製の筒が飛び出てきた。
大きさが三種類ほどの筒が上から少しづつ並んでいた。
「ソビエト製全弾放射式棺桶型砲身、地上へ根性で固定!」
またまた棺桶から二つの脚立が出てきてドシンッと音を立てて固定させる。
そして棺桶には鎌と槌のペイントが表示された。
「畑から採れる兵士の如く無限魔弾、限定で解放!赤い兵よ、叫べ‼︎Урааааааааааа‼︎」
「何それ!カッケーーーーー‼︎」
この異世界で二回目の心からの感動。
ただの棺桶だと思っていたら何やら近代兵器じみたものが出てきたんだけど。
屋敷の西洋人形もそうだがやはり魔術が使える異世界はすげぇ。
「いいいいヤッホォォォォォォォ‼︎」
ダダダダダダダダダダダダダダダッ!
T-34が狂喜乱舞しながら一番槍の如く突っ込んでいく。
棺桶銃をぶっ放しながら走り目の前のヘイシダコ達は光線弾みたいなものに当たる。
「Tー34、あまり傷付けんなよ。後で売るからな、金になるからな」
「Урааааааааааа‼︎」
「あっ、駄目だなコイツ」
今のTー34別の意味での獣モードに入っている。
ただ彼女を追ってヘイシダコを見るあたり身体には打撃痕はあるが大した傷は無いようだ。
あんなバーサーカ見たいな行動をしながらもT-34なりに考えて攻撃しているのだろう。
俺たちも仮加入の暴走シールダーについて行かなければ名折れというもの。
「よっしゃ、T-34に続くぞ!行くぞゼアミ、サンサン」
「分かったアルーーーー。ハァ〜触手ーーー、今行くアルヨーーーー」
俺のドMメイドが触手プレイを期待してスキル〈被虐体質〉を使用して突貫する。
後から知ったスキル、サンサンが言うには敵を惹きつける囮スキルらしい。
今までのクエストで使っていたとの事。
結構便利というか激強スキルでは?
そんな変態メイドに救われながら俺たちもT-34に続いてヘイシダコに攻撃している。
大筆で叩いただけで倒れる弱く、可哀想になってくる。
後で美味しく調理して食ってやるからな。
「待ってこの、味方を盾にしながら進む感じ酷すぎへん?」
「盾になんかしてないよ。あ、T-34、離れないでーーーー!!」
「自分を否定するのに認める時間約1秒」
「もういいもん、トキマサさんと行くから!」
「こっち来るんじゃねえ」
ゼアミのスキル〈カリちゅま〉は軟体動物を惹きつけるという恐れがあるからな。
こっちにゼアミが来ると俺にも墨をかけてくるだろ。
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