三十一話 テンプレの反対
この屋敷が今の俺たちの家だ。
そのおかげで風呂場と洗面所は宿屋暮らしの時よりまぁまぁ大きくなっている。
旅館などにある大浴場並みの大きさだ。
さてと、今日はクエストを行わなかった訳だがそれでも墓掃除などで汗をかいた。
我ながら少し臭う服を脱ごうとシャツに手をかけるところでふと止まった。
何やら気配を感じたからだ。
「おい?」
「うん?何アルカ」
気配の正体は声と素振りで分かった。
俺たちのメイド、サンサンだ。
「何でお前おるん?」
「何アルカ?」
「今から着替えるんやけど?」
「そうアルナ」
「下まで脱ぐんやけど」
「お手伝いするアル」
「せんでええわ。早よ出て行かんかい」
なんで、ここに居るつもりなのかが理解不能。
時々、理解に苦しむことを仕出かすのがバーサーカらしいがこんな所で出さなくてもな。
「ふふふ、ご主人様。私の職業をお忘れアルカ?私はメイドアル。ご奉仕アル。ご主人様のお背中を流すのも仕事アルヨ」
言っていることは従者らしい台詞だ。
が、目が別の意味で爛々として歓喜の極みの表情だ。
「じゃあその目はなんやねん」
「いえいえ、ご主人様、これはその、アルナ。あの、今は私の至福の時〜〜アル。じゅるり」
それは変態紳士である俺がする反応なのだが。
取り敢えずはサンサンがいる限り下も脱げなければ風呂に入れない。
「よだれ拭いて早よ出て行け!この変態駄メイド」
「アアアン」
俺は条件反射的に側に居るカチューシャに当たらないようにサンサンを巴投げした。
そんなドMらしい喜びの悲鳴が聞こえながら廊下に放り出されるサンサン。
「ヒャグッ」
変な悲鳴が聞こえてから返事がなかった為、伸びているのだろう。
食後直ぐなのだが、キチンと身体を鍛えているサンサンのことだ。
多少時間が過ぎたら起きるだろう。
そして下を脱いで腰にタオルを巻いて風呂の扉を開ける。
先程まで地獄絵図を見ていたカチューシャを抱着ながら入っていく。
ゼアミが言っていたように暴れることはなく俺の腕の中でじっとしている。
ただの風呂嫌いでなさそうだ。
「ほら、カチューシャ。入ろか〜」
「カチューシャ、ズルいある」
「おらっ!」
カポーーンっと良い衝突音が風呂場に反響して響き渡る。
サンサンにしてはメスとは言え動物の壁を超えた弱い嫉妬文句。
三個ある内のサンサン用の風呂桶をサンサンにぶつける。
伊達に俺のドMメイドでは無いな。
コメディキャラ並みの速度の復活。
素晴らしい復活力だが今はそれを望んでいない。
風呂桶に当たったサンサンを確認して風呂場の扉を閉める。
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