二十九話 飼い犬は飼い主に似る
餌は何を食べさせれば良いのか寝る時間帯はいつか、動物用玩具はどの様な物か。
それらが一切不明なまま飼育しなければならないのである。
「この先不安やな」
先程は癒し系ペットと思っていたが一応、パーティの長として飼育の責任は重大だと悩む。
「Ураааа」
「びっ、くり、した」
リズム良く驚嘆の声が出る俺。
新たなる悩みの根源が背後から現れた。
洗面所の扉を閉じ忘れたので入ってきたのだろう。
にしても、カチューシャは気配を消していたのか足音一つ聞こえなかったぞ。
水が出ている音もあるのだけど静かに来たな。
「なんでお前此処におんねん!って、そう言えばキチンと謝って居らんかったな。さっきのはすんまへん。動物とは言え淑女に失礼な真似してしもた」
「Урааа?」
最後に疑問視みたいな鳴き声をしたので分かっていないのか?
いやでも俺の言葉に反応しているし、音としては反応している感じか。
「欲しい餌言ってみ、今やったらこの神器で生み出してやるさかい。でも、人間の言葉が通じるわけないわな」
「|ВосточнаяПольша《東ポーランド》」
「何か言ったか?」
「Урааааааааааа!」
「お前それだけしか鳴かへんのやな」
途中、どこの国かの言語を発した気がしたが気のせいだろう。
とはいえ、餌が欲しいのは分かった。
少なくともゼアミに連れられて餌は食べていないのは明白。
草食でも肉食でも雑食でも何かしら反応するだろうな。
「俺たちの食事場に連れてってやるさかい。付いてこいや」
洗面所の扉を大きく開けて廊下に出る。
カチューシャは付いてこないで洗面所に居たままだ。
何かして欲しそうな目で見てくる。
あの目の使い方には心当たりというか記憶があるな。
「何や、抱っこして欲しいんか?さっきあんな事やったのに?」
「Урааааа」
「分かった、分かった。そんな目で見るな。ほんま飼い主に似て同じ技使いよるきに」
ゼアミのおんぶに抱っこをして欲しい時に向けてくる目だった。
カチューシャの腹に右手を差し入れて左手で尻を持ち上げる。
さっき持った時を思い返すとやはりある程度は重たく感じる。
いつも背負っているゼアミほどではないが。
カチューシャを抱っこしながら台所に着く。
サンサンがエプロンをして野菜を刻んでいた。
「サンサン、待たせたなぁ。ほな晩御飯の調理手伝うで」
「うんうんうんうん」
「じゃあこのカチューシャをどう調理するか考えるか」
「Урааааа⁈」
俺が冗談のつもりで言ったつもりなのだが。
これには俺の言葉に察したのか本気で抵抗し出したカチューシャ。
そのあと窮鼠猫を噛む感じでまたもや攻撃を喰らったのは言うまでもなく。
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