二十五話 女神のお帰り
「ご主人様。ゼアミちゃん一人だけ出て行ったけど大丈夫アルカ?もうすぐ夕方アルなのに」
「大丈夫やろ、そのうち号泣しながら帰って来るって」
ゼアミが出て行ってから数時間が過ぎ窓からは分かるように日は暮れて来ている。
一人で生きられる技術を持っていないのは今まで付き合って来た時間で知っている。
料理、家事、洗濯もままならず女神としてのチート能力もそこまで使えていないのだ。
天界では箱入り娘として蝶よ花よと育てられて来たのが分かる生活だ。
しかもゼアミのお金も俺が握っているからそう簡単に街の外には出られない。
変な事件に巻き込まれる事は無いほどこの町は治安は良いはずだし。
そしてこの街も大きいとは言えず中堅都市くらいでこの屋敷が一番大きく高台にある。
迷子になる事はよほどの方向音痴でなければ帰れる。
時間が経てば渡鳥みたいに戻って来るだろうと思っていたら。
ガッチャン
この屋敷一番の巨大玄関扉の開閉音がした。
今現在でこの屋敷から外に出ているのはゼアミ一人だけ。
しかも鍵を持っているのもゼアミと俺とサンサンだけなのだ。
よってゼアミ以外に開けられるのは居ない。
「ほら帰ってきた」
「ゼアミちゃーーーん大丈夫アルカーーー⁈」
ゼアミの事を心配していたサンサンが迎えに行く。
優しく温厚なうちのメイドは本当に素晴らしい。
俺とゼアミはサンサンの爪の垢を煎じて飲まねばならないなと思う。
冷静に考えるとそれって何の罰ゲームだ?
「ご主人様!ご主人様‼︎ゼアミちゃんが!ゼアミちゃんがーーー!」
「どうしたんや⁉︎サンサン!ゼアミになんかあったんか?ゼアミに手を出した奴、絶対コロ………なんか連れて来てるーーー」
サンサンらしからぬ慌てようだ。
まさかゼアミの身に何か起こってしまったのか。
治安が良いとは分かっていたが実は暴漢に襲われたか、もしくは危険なモンスターに。
そんな俺の大切な女神に手を出した相手に一瞬憤るが。
それは杞憂だった様子で。
何やら赤色の毛並みをした生物を連れて来ている。
「なんやゼアミ。動物は屋敷では飼えへんで。返して来なさい」
「良いじゃない、幽霊に対しての緩衝材として置いてあげてよ。この子がいないと私ダメなのよーーー!」
まるで何かの中毒者みたいな台詞で抵抗してくる。
「それにこの子は道端で捨てられていたのよ。この棺桶に入って鳴いていたの。これは女神として放っておく事はできないわ」
急に女神としての使命みたいな感じで救いを行わなければならない口調で攻めてくる。
とまれ、それとこれとは別だ。
生き物を育てるというのは死ぬまで世話を続けるモノ。
ようは最後の最後まで見守るのが飼い主の定め。
それを今ゼアミは選択しようとしているのだ。
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