二十四話 女神の家出
出会った時という事は死後の裁判の時の事だろうか。
あの時は俺にもオーラが見えていたが今となってはお世辞にもあるとは言えない。
「ゼアミちゃん泣かないアルヨ。ほら、涙拭くネ」
「ありがとう、サンサン。此処では貴方が唯一の味方だわ」
隣に座っていたサンサンがハンカチで泣き止ませようとする。
サンサンが急に母性を醸し出してゼアミちゃんを抱きしめ始めたのだ。
急にそんな事されては周りの奴らはどう反応すれば良い?
勝手に敵認定されたライカさんはよほど応えたのかションボリしている。
(私は味方扱いされてないのですね、シュン…)
「ライカさん、大丈夫か。俺は貴方の味方やで」
今この屋敷にとどまらずこの異世界の中では俺しか理解者がいないしな。
一番理解しなければならないゼアミが幽霊嫌いでこうな訳だし。
(トキマサさん!)
「ご主人様!」
「お前も反応するんかい!まぁ、今は良えやで」
ライカさんがこっちにきて抱き着いてきた。
幽霊であるためか実態が無いため触られている感覚がないけどそれはしょうがない。
ライカさんに続いて俺にくっついてきた。
サンサンは出会った時から何故か俺にゾッコンだし。
これでゼアミ陣営側が全部ライカ側へと回った。
ゼアミは驚愕して椅子から勢いよく立ち上がった。
「サンサンもライカさんに懐柔された!もうこのパーティは終わりよ」
「懐柔されたってそんなに大袈裟な。それにゼアミが幽霊怖いからやで。こっちおいで俺とサンサンおるから怖ないで」
仲間と一緒なら怖くないアピールをするがゼアミの幽霊嫌いはそんな物で緩和される訳なく。
「こんなヤバい所に居られる訳ないでしょ。私はこの屋敷を出ていくわ」
ホラーゲームで一番最初に死ぬかキャラがいうワードランキング一位の台詞を言った。
「あっ、ゼアミ死んだわ」
(ゼアミ様、其方は人形達が一杯いる部屋で)
ゼアミ一人でこの世界を生きていけるのかは分からない。
それが出来れば最初からそうしていたが。
可愛い我が子には旅をさせよというからそれもアリだと思った。
食べ終わって自室に帰るのだろうかリビングから出ようと扉を開けた。
すると扉からは遊び相手を欲しがった西洋人形達がワサワサと出てきた。
「オネイチャン、アソボー」
「アソボー、アソボー」
まるで歳上の姉に遊びをせがむ妹みたいだな。
ゼアミ本人は正気の沙汰じゃないだろうが。
後ろ姿を見ただけで分かる、これは心底怖がっていますな。
本日二度目のゼアミの絶叫が来ると予測して俺は耳を塞いだ。
「キャーーー!もう嫌ァァァァァァァァァ‼︎」
ゼアミの人生でこれまで以上、そしてもう二度としないような絶叫で屋敷を出て行った。
ご愛読いただいた貴方に圧倒的感謝を‼︎
芸術は爆発だ‼︎と作者は皆様の声援と笑いにより日々進化していきます。
楽しんでいただけるとトキマサ達が喜びます
・腹筋が崩壊した
・もっとネタを見たい
などと少し思ってくださった方は、画面下部の☆☆☆☆☆を★★★★★にしてブックマークに入れていただく、率直な感想、批評などで応援して下さるとモチベーションが上がりネタが大量生産する事ができます
また誤字脱字や文法上でおかしい箇所を指摘していただけると幸いです。
それでは全ての読者に絶対的な祝福あれ‼︎




