二十話 屋敷解放
「ようやく宿屋暮らしから解放された俺氏と財布、大歓喜」
(私も一緒に暮らしてくれる人が居てくれて大歓喜)
俺は朝早く起きバケツに水を入れながら言う。
昨夜、受付嬢直々のクエスト。
そう、今横にいる元悪霊ライカの浄化を達成した事により屋敷を手に入れた。
ライカさんの件と退治ではなく浄化だけというクエスト自体は達成状態だった。
悪霊を成仏できたらその屋敷を譲渡、一時的な浄化だと屋敷を無料賃貸だったので。
しかし受付嬢の謎の計らいと不動産の方が了承したのか俺たちに条件付きの屋敷を暮れた。
その条件は屋敷を挟んで裏にある墓地の掃除。
ここを週一で清掃することが条件との事。
墓が疎かになっていると幽霊が集まるわ、悪評立つわで良くないらしい。
まぁ、異世界に来る前爺ちゃん、婆ちゃんの墓掃除をしていた経験があるから苦でもない。
「ほれ、水ぞえ〜」
水を入れたバケツに柄杓を突っ込み墓に掛ける。
もちろん、柄杓が異世界にある訳ないのでこれは自分で作った。
そして捨てる用の雑巾で墓石を磨いていく。
最後に手入れされたのが何時なのだろうか、結構雑巾が黒く染まっていく。
「結構汚れとんな。前は何時掃除したんやろ」
(そうですね。前に人がいらしたのが三十年前くらいですかね)
「え?」
(え?)
「あの、ライカさんの御享年が知りたいのですが」
(それは女性に聞いてよろしくて?)
「すいません、何もないです」
幽霊であるため半透明なのだが空間が揺れているのが分かるくらいに微笑しながら言われた。
元々、大和撫子風の美女だから女神のゼアミとは違う怖さがある。
深淵を見た気がした。
女性に年齢を聞くのはタブーだけど聞いてみたくなっちゃう。
それよりも屋敷に人の手が加えられていない期間が意外にも長すぎた。
忌み地と言われている所をおいそれと工事するのも難しい話だがそれはそれで問題だ。
この墓掃除が終わったら屋敷の点検と修理、掃除でもしておこう。
今睡眠中の女神とメイドを叩き起こして動かせば今日中に終わるだろう。
「さてと、これは終わりだな。次はこれか」
墓石は全部で九個あり中心の大きい墓石を中心に輪になっている。
俺は小さい墓石から洗っていこうと思っている。
(トキマサさん、ここ洗い残されていますよ)
「おっ?ホンマや」
ライカさんが磨き残した汚れに気が付いて教えてくれる。
見た感じ植物の汁が長い年月を経て変化したものだ。
古い汚れは脂やら雨やらで硬質化するから取れにくい。
「これは後で化学洗剤を作って洗うか」
(この異世界に洗剤ってありましたっけ)
「異世界の材料で作るか、神器で顕現させるかやな」
ライカさんは元々転生者だったから洗剤の存在を知っていて当然か。
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