十五話 ネクロマンサー(仮)になりました
「なんっ、だとっ。我が作った中での最強の眷属が手駒にされるとは。だが、これで勝ったと思うなよ。最後には我がいる。そう、最強の悪霊アキムラ・ライカ。そしてこの辺から集めた霊魂で相手をしてやろうーーー!」
この部屋に来て何回目か、声の主が叫ぶと部屋中から虫が湧くように霊魂が出てくる。
そして冬に自らの体温を上げるために集まる獣の様に一箇所に集まる。
幽霊屋敷と報告を受けてきたが一切出てこなかった理由がここに集まっていたのか。
そして中心には俺の半分くらいの人型の人形。
見覚えがあるとすれば日本人形みたいな人形が立っていた。
恐らくあれが今クエストの討伐目標、悪霊の正体なのだろうか。
霊魂を蒐集して人型の人形は部屋の天井くらいの大きさに巨大化。
「サンサン、俺と一緒にアイツをどつき回すぞ。ゼアミ、俺とサンサンに幽霊に有効な魔術かけてくれ」
「分かったわ。えい、女神権限スキル。『音楽女神の加護』どぉ?これで一応、神聖状態がついたと思うわ」
ゼアミが唱えた瞬間、俺とサンサンの体が一瞬白色に輝いている。
言う通り何かしらの攻撃特化バフを貰っているのだろう。
これで気兼ねなくこの悪霊をシバける。
「ええぞ、ええぞ。サンサンいくぞー、ヒャッハーーー」
ある世紀末のモブのように叫びながら巨大人形に向かって走り出す。
(我がそう簡単にやられると思うな‼︎イグニッション、ファイヤーーーーー)
そう悪霊が何やら呪文名を唱えると火球が現れサンサンの方へ飛んでいく。
ドンッと爆発を上げ床を破壊し一階へとつながる落とし穴を作り出した。
「アーーールーーーーー」
「サンサンーーー」
火球に命中したサンサンは自分で決めていたのか情けない悲鳴を上げながら一階へと落ちる。
「お前、よくもこの屋敷を。許さねー」
「サンサンの心配は?」
ゼアミがそう俺にツッコむがサンサンなら大丈夫だろう。
あいつはそう簡単にやられる耐久力ではない筈だ。
今頃一階で先ほどの火球の味を味わっていると予想。
「お前、俺たちが住むはずの屋敷に傷をつけやがって。弁償しろ?絶対弁償代払うまで成仏させねえからな」
俺はそう叫び長く神聖を持った自らの身体と神器を用いて悪霊をできる限り叩き続ける。
「今の今まで全然戦いらしい戦いしてなかったからなぁ!この悪霊討伐戦線用に考えていたのがあっとのでねぇ。歌川国芳・相馬の古内裏‼︎ 出てこい、がしゃどくろ!」
スキル〈画狂の星〉と〈森羅万象〉を使用。
小筆を袖から出し自身の目の前全体に骸骨を描く。
ガチャガチャとなりながら黒の絵の具は白と変化していき巨大なガシャドクロと化す。
ご愛読いただいた貴方に圧倒的感謝を‼︎
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