八話 狭い個室に男女が二人 何も起こらないはずもなく……
バタンッ
これまでの扉と違い開けづらかった扉が勢い良くしまった。
「「はっ?」」
背中のゼアミと同じ意見だった。
すぐさま俺は閉まった扉に近づきドアノブをガチャガチャ回す。
そこはホラーゲームのテンプレか扉が開かないどころか一ミリも動く気配すら無い。
力が伝わっていない様で全体重かけても動かなかった。
外に出ようにも窓には鉄格子で閉ざされている。
そう、言うなれば完全なる密室だった。
「なんで閉まってもうたんや」
そんな台詞を吐きながら辺りを見回しもう一つ恐ろしい事に気がついた。
サンサンがいない。
いつも喧しくて、こんな閉鎖状況をモゾモゾ喜んでいそうなサンサンがいないのだ。
「サンサン。どこいくねーーーん」
この屋敷に響き渡るかのように声を張り上げてサンサンを呼ぶ。
返事はなくただただ俺の声が部屋中に響き渡るだけだった。
今、一番この場にいたら嬉しい奴だ。
このネガティブ空間をポジティブ空間に変えてくれる筈な。
まさかの拉致られるとかいうオチ。
「ねえ、トキマサさん。何か聞こえない」
ゼアミちゃんがそんな泣きっ面にグレネードランチャーみたいな事をを背中から呟いた。
確かに耳を澄ましてみるとコンコンコンコンと廊下を歩いてくる音がしている。
それも二階とかではなく一階からでこちらに近づいてくるようだ。
「ちょっと待て隠れる場所ないて」
こんなの袋小路でもうやられるフラグ満々。
まさかラスボスの悪霊が来るのではないかと考えながら持ってきた掃除機と筆を構える。
ゼアミちゃんは案の定、震えながら俺の背中で小さくなっていた。
音が少しずつ近づいてきて俺たちのいる部屋に止まった。
「さぁ、来るなら来いよ」
おそらくこの異世界の俺の遺言になるかも知れない台詞。
どうせならサンサンのような美少女の胸の中で死にたかったが今はゼアミの小さい胸で我慢。
そう思いながら扉が開くのを待っていたがなかなか開かない。
何、この出そうで出ない便秘みたいな幽霊は。
はよ、扉から出てきて欲しいのだが。
そう思っていると閉まっている扉の下から一枚の紙と棒状の物が出てきた。
紙には[この部屋から出たいのであれば二人で○ッキーゲームをしなさい]と書いてある。
動き出した俺を見てなのかゼアミちゃんも目を開いて紙を読んだ。
棒状の物はどうやら異世界版○ッキーのようでゼアミが好きなお菓子。
「ゼアミ、これを食べ。元気なるで」
まるで大阪のおばちゃんが飴玉をあげるかのようにお菓子をゼアミに渡す。
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