29話 人類皆変態よ
「トキマサさん、トキマサさん。見てみてこの剣、私に相応しくない?」
そして武器やら鎧やら売っている武器屋に来たのだが。
散々「平和主義代表の女神に武器は必要ない」とかほざいて行くのに文句言っていたゼアミ。
が、今は嬉々として武器を手当たり次第、選んでいる。
いの一番に神器でクリオネをしばいていた女神のどこが平和主義か三時間くらい問いたい。
「あんまりいろて物とか壊すなよ」
こいつなら「あっ、落とした」でパッリーンの流れで売り物を壊しそうだからな。
そんなことなったら俺だけならゼアミちゃんとサンサンの賃金だけ置いてトンザラしよう。
「ご主人様、ご主人様。これでしばいて欲しいアル」
サンサンがいかにも痛そうな棍棒、メイスを持ってくる。
どうにもこれで痛いかによって使うらしい。
何に使うかと念を押して聞くと俺からのお仕置きに使って欲しいとのこと。
「お前には、もっとやべえ物でしばいてやるからそれを置いてこんかい」
そういうと、何やら嬉々とした顔をしながらメイスを元の場所に戻してくる。
「因みにご主人様、どのような物でしばいてくれるアルか?」
その目はキラキラしており、まるでお菓子を欲しがる純粋な子供のよう。
「安心しろサンサン、君には後で富士山でどつき回してあげるから」
「側から聞いていたけど頭おかしい発言よね」
ゼアミちゃんがツッコむ。
確かに冷静に聞いてみればおかしい台詞だが俺の神器の能力を知ると納得がいく。
「ゼアミも装備整えや?お前も和服着ているだけだろ」
異世界に落とされた時からの格好のままみたいな感じだ。
二日に一回、温泉に訪れては洗いそれを宿屋の風呂に干していただけのもの。
「ふふふ、トキマサさんは知らないようね。この服も神器能力一つでね、全状態異常無効、最高の防御力に耐久性、神々の叡智の結晶並みの魔法で作られた物。チートアイテムにも負けない最強装備なんだからね」
「それ先言えや」
そんな神器をそこらの洗濯物と一緒に洗いやがって。
「その装備、俺にくれへんか」
そもそもチートアイテムをくれるはずだったのだ。
筆を貰ってその力を実感した後だがゼアミのその服の方が明らかに上位互換だろ。
「無理に決まってるでしょ。これ脱いだらスッポンポンになるじゃない」
「安心しろ、俺の服やるさかい」
筆の力でゼアミちゃんの大きさにデザインし直したら良いだけの話。
クリオネにネバネバされるより俺が着て吶喊して攻撃すればその服の効果も使える。
「いやよ、絶対にトキマサさんみたいなケダモノにはあげないから」
「誰がケダモノや」
確かに俺は変態だが同時に紳士だ。
「ケダモノよ!幼気な女の子に脱げって。ケダモノの台詞じゃない」
「脱げとは言ってへんやろ。その服を俺にくれって言ってるだけやん。別に俺の筆と交換でもええで?それに俺は別に女子の裸なんてどうでも良いし。ていうかゼアミ、とうとう幼女と認めたな」
幼気という単語を俺は言い逃さなかったぞ。
これでロリ女神という事が公認なった訳だ。
「何よ、次は急に子供扱いして。言葉の綾じゃない。口を開けばロリロリ、この変態!」
「おおん?俺は生まれた時から変態紳士やぞ」
俺は公認だからな。これを公言する所は明らかにこの店ではないが。
確かにゼアミにはロリロリ言い過ぎたが見た目が事実だし。
この世界に来てゼアミを子供扱いしなかった人がいないぞ。
「ゼアミちゃん。ほんまにその服くれへんのか」
本当に欲しいのだけどな、防御力は上げておけるなら上げておきたい。
それに状態異常無効だと苦しむ危険もないしな。
「あげない。絶対あげない。トキマサさんに襲われても絶対上げないから」
「何度も言ってるやん。俺は変態紳士。女性は絶対襲わへんのが掟やぞ」
「本当?本当に襲わない?」
「襲わへんて。もうええわ、交換交渉決裂、その服は諦めるわ」
「ふん、それならいいけど。この武器いいわね」
俺がゼアミの服に興味を示さなくなったのか武器を再度選び始める。
頑固なゼアミの事で恐らくこのまま強請ってもくれないだろう。
恐らく本人が言っている通り無理矢理でもな。
「取り敢えずどの鎧にしよか」
この革鎧にするか軽いし、ある程度の瓦礫は防げるだろう。
そう言えばサンサンは籠手などの部分防具を持っていたような。
どれがオススメか聞いてみるのも良いかもしれないな。
そう横に居るはずのサンサンに聞こうとしたら。
こちらを見ながら何やら赤面し小言を言いながらモジモジしている。
「おいサンサン、そのボタン外そうとすんな。ここは試着室やないんやぞ」
ここは武器屋であって服を脱ぐ所じゃないからな。
「ご主人様のためにこの服をあげようと思ったアル」
「いや、なんで?要らんで」
「えっ⁈」
俺の返答は当然の返答だと思うのだが、毎度の如く驚くサンサン。
「でもでも、破けたり、切れたりしたら自動修復する服アルよ?ご主人様要らないアルカ」
「それは俺よりお前が来ていたら良いとちゃうか?」
正直俺はズタボロにならないし、男だからムスコが見えないのであれば大丈夫だろうし。
それに引き換えドMで前線に出ているサンサンの方がズタボロになる可能性が高い。
そうなると俺には嬉しいがコンプラ的にアウトだ。
ここまでは理解しているつもりだったのだけどな。
「そうだったアルな」
「何のために着ていたのか忘れてたんか」
「忘れてたアル」
「安心しろ、もの忘れは誰にでもあるって。で、サンサン。お前防具つけとったやろ。あれと似たやつでオススメはあるか?」
本来聞きたかったやつを聞いてみる。
いつものサンサンの流れに乗せられてしまったが本流に戻る。
「ん?オススメ。いつも適当に買ってるから分からないアル」
「あっ、そっち系の人でしたか」
そう言えばこの娘、防御力は全捨ての娘だったわ。
そんな娘が防具に興味なんて一切ないに決まっている。
防御力極振りの娘が聞いたら驚くだろうな。
「こんな娘に聞こうと思った俺が馬鹿だった」
「ふへ?」
情け無い疑問文句を唱えながら目を丸くするサンサン。
もういい、自分で選ぼう。
命をお金に変えられないから高い胸用の鎧にしよう。
お金が入ったから多少はね?
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