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芸術は爆発だ!!  作者: ヒョーゴスラビア総統
一章 紙絵師による異世界冒険だ‼︎
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20話 活字印刷を開発した人は神だと思う


「これがあれか。コミケにるあまり売れておらん人たちの気持ちか」


「そうね。あまり来ないわね♫〜〜」


 若干じゃっかん滅入(めい)りが時期尚早じきしょうそうになりながらつぶやく。


 机にひじをつけてだらだらと待ち続けている。


 わし手書きの張り紙、広告をき散らした。


 早朝からあと数十分の昼頃まで俺達へ集う将来英雄同志を待ち続けていた。


 俺たちの前に影も形も現れようとはしなかった。


「♪〜♪〜〜〜♪〜〜」


 もはや萎えモードに俺は突入しかけている。


 それを他所にゼアミはゼアミで鼻歌はなうたを交じらせながら三味線しゃみせんげんの手入れをしている。


 コイツが「仲間が欲しいわ」という台詞セリフを言い出した事から始まったのに。


 いっそのことどうだろうか。


 コイツを看板がわりにしてひたいに張り紙を貼っつけて立たせておこうか。


 何処どこぞの中国妖怪キョンシーらしからぬゼアミーとかはどうだ。


 考えてみたが面白く無いな、却下きゃつか


 泣きべそをかきながら暴れられると評判が低迷するしかない。


 あまり張り紙を他の冒険者に見て貰っていないのか。


 昨日三時間かけて作ったのだがな。


 紙を買いまくって数十枚くらい同じ絵を文を描きまくった。


 お陰で俺の指は肉刺まめのオンパレードだが、仲間が増えてくれるなら必要な犠牲ぎせい


 しかし印刷機が無いのはとても不便だった。


 中世では金属活字(かつじ)と呼ばれる活版印刷というものがあったらしいがこの異世界には無かった。


 まぁ売ってあったとしても俺たちの少ない金では買えたかも疑わしい。


 筆で同じものを顕現けんげんさせて役立てようとしたのだが。


 どうやら機械などは形は顕現できても機能までは無理らしい。


 俺の絵師レベルの低さが原因なのかは分からない。


 もう少しレベルが上がってからもう一度試してみよう。


 これでパーだったら本気で数週間ほど休むぞ。


 万年筆の効果を確かめることができたから良いけどさ。


 だが、広告伝達関係こうこくでんたつかんけいが問題では無さそうだ。


 一応ギルドにも募集看板というパーティー募集をうながしてくれる設備がある。


 設置されていた掲示板けいじばんに貼り付けておいたのだが。


 俺達以外のパーティーも募集をしている。


 そしてその人達は面接みたいなものを行ったあとギルドを出て行く。


 簡単な例えがモ○○ンやF○のオンラインシステムのようなもの。


 レベルが低いキャラが置いていかれる。


 そのような光景を何時間も見ていた。


 勇者を待ちわびている人々のようにな。


 お陰で誰も来ない理由が冒険者たちの話し声などから判明した。


「ぼちぼち、募集条件を変えへんか。あまりにもハードルが高すぎる。俺らの最終目的が魔王討伐やけどさ、是非ぜひもねぇけど。ん〜。なぁ。上位職業持ちの方々だけっていう条件は少なく無いか?」


「ええ?いやよ。そんなの。余計に時間が掛かっちゃうじゃない」


「せやけどさ。現に数時間待っても来ぉへんし。このままじゃ本末転倒な気がしてきたねん」


「確かに。でもぉ」


 そうこの異世界には階級制度かいきゅうせいどが多用されている。


 身分階級みぶんかいきゅう軍階級ぐんかいきゅう、そして職業階級しょくぎょうかいきゅうetcなどだ。


 人というものは比べるもの、比較化が大好きだ。


 ゼアミが付いた【ホワイトヴィザード】は上位職。


 魔力と魔術の種類が人間の中でも抜きん出て多いと言われる。


 ゼアミは魔術の上位の魔法の対である奇蹟きせきも使えるらしい。


 だが使ってしまえば女神だとバレてしまうので使わないと言っているのだが。


 まさか昨日見せたあの技がそれだとしたらその時は温かい目で見てやろう。


 そんなこともあり、なかなか普通の人間ではつけないエリート職業。


 それに対して俺の【サモナー】は何処にでも居る下位職かいしょく


 数ある職業、魔術師まじゅつしの中でも一番人気のない職業らしいのだ。


 理由は魔力コストとスキルの難易度の高さだ。


 しかも下位職は職業持ちの中でも七割近くいるため上位職じょういしょくは限られている存在。


 上位職の冒険者はそりゃ需要じゅよう優遇ゆうぐうもとても良く凄い訳。


 良い人材が多く取れる就活と同じ位だ。


 良いものはすぐに取られて残りは自分から拾ってくれる人を探さなきゃならない。


 上位職を持ち早く魔王を倒して天界に帰りたいゼアミはさっさと最強人材で組みたいらしい。


 因みにゼアミが考案したパーティーの理想形はこう。


 後衛班こうえいはんが三人のうち小攻撃、回復役のゼアミ。


 召喚という工作役の俺なので強攻撃タイプの魔術師【ヴィザード】が欲しいらしい。


 前衛班ぜんえいはんは一週間前、俺が受付嬢うけつけじょうにオススメで言われたもの。


 攻防役こうぼうやく【ナイト】と遊撃役ゆうげきやく【バーザーカー】防御役【シールダー】の三人。


 この世界がゲームなら完璧主義かんぺきしゅぎのゲーマーが作り出した上位職のパーティー。


 そんなザッ魔王討伐しますよ的な精鋭せんえいのパーティーを作り出そうと思っている。


 いや無理集めるのが無謀むぼうにも程があるだろ。


 ポ○モ○カードのEXカードやソシャゲの最強キャラ編成を組み立てるようなもの。


 俺だって本音はそんな最強パーティーを作りたいが皆無かいむに等しい。


「大体ゼアミは上位職やからええけど、俺は下位職やねん。魔法を使いたい欲にかられた俺が【サモナー】を選んだ責任はあるけどな。流石に俺以外が優秀な奴等だと少し…な。ちょいと条件の設定を下げて見ないか」


「嫌‼︎嫌よ。妥協したくない」


 首を横にぶんぶん振り回しながら叫ぶゼアミ。


 コイツこうゆう時は何故なぜ意固地いこじになるんだ。


「せやけどそれじゃもっと長い間待たなくちゃいけんようになるぞ。ほんせやけどええのか」


「それも嫌‼︎いつまでも指遊びは嫌よ。ランタンで作った影絵かげえで遊ぶのも飽きた」


「なんでも嫌々は通用しいひんから。ちょいと条件変えてくるわ」


 そう言いながら募集要項ぼしゅうようこうの書き換えを行おうと立ち上がった時。

ご愛読いただいた貴方に圧倒的感謝を‼︎

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それでは全ての読者に絶対的な祝福あれ‼︎

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