17話 生で生き物って食った事ありますか?
「んっ、女神がこんな触手プレイをさせられるなんて女神末代までの恥だわ。粘液でネバネバで泣き弱っている姿を見られたら、信者に蔑まれ変な目で見られるのがオチ。信仰心も地に落ちちゃうし、こんな一方的な食べられて帰られるわけないじゃない」
「いや今すぐに帰るぞ」
さっさと帰ってその汚い粘液を風呂で洗い流せ。
ゼアミのネバネバになった手を取って引きずって帰ろう。
「いやよ、いや。絶対仕返ししてやるんだから。女神の力を見せてやるんだから」
「安心せぇ。俺は今それを望んでいひん」
お前の信仰は俺の中では隕石の落下速度より速い速度で落ちてるから。
リー○○ショックの株価並みに暴落してるから。
この一週間、宿屋でぐだぐだしてギルドで歌を歌って集金。
ぐだぐだして俺のベッドの上で涎垂らして気持ちよく寝ているを繰り返し計7日間。
散々人のことニートや引きこもりと言っていたがまさかブーメランを飛ばしていたとは。
見えない太いブーメランが頭にぶっ刺さっとるぞ。
オッサン女神なんて見たら後の今のネバネバ姿はまだ可愛いく見えるぞ。
そう思っていると、ガサガサと茂みの方から音がする。
「ん?今なんかおった気がして………」
「ふふん。トキマサはビビリね。そんなことはな………」
そうゼアミが言い終わった後に茂みから出てきて遠くの方でクリオネが飛んでいる。
そう言った後ゼアミは無言のまま楽器を抱える。
体が小さいからか音が少ない。
そのまま離れた所にいた他のクリオネに向かって駆け出す。
ようやくゼアミの戦闘スタイルが見えるのか。
さっきは望んでいないなんて言って。
コイツはコイツなりに頑張ろうとしていたのか。
たとえ異世界に落ちても女神は女神。
音楽でも奏でて万象を操り木々の蔓で縛ったり鳥達で突っついたり。
そうやって攻撃でもするのかなと思った矢先に。
「てやーーー」
拙い掛け声とともに光り輝く楽器でクリオネに殴りかかったのだ。
おそらく女神パワーかなんかを纏っているのだろう。
殴られたクリオネの腹は波紋を生んで静止した。
えっ?
「待て待て待て。楽器ってそないな使い方するんやっけ?」
音楽家の魂とか言われているものをそんな無残に。
謝れ、今すぐに全世界の音楽家達に謝れ。
今ならまだ許してくれる。
楽器達は許してくれるぞ。
お前がやっているのヤンキーと変わらないぞ。
「どうよトキマサ。私の力思い知ったかしら?」
「楽器で殴るんじゃねぇーよ」
確かに琴や三味線は木製と金属製だから比較的硬いけどさ。
クリオネの硬い膜に弱小のゼアミと楽器の火力の打撃は一切効かないと思うが。
現に今クリオネは蝿が止まったかの様に触手をウネウネさせている。
一切の攻撃が伝わっていない。
そしてゼアミの虚しい敵意に対して触手で挨拶をしようとする。
何の鳴き声もしないまま触手を動かすクリオネに毛押させたのかゼアミが小さく呟く。
「あのギガントクリオネ様。その私達のマスコットになりません。その透明な天使のようなお姿にその触手に人気が出ると思うのよね。ほら少年少女に貝類って人気だしさ、潮干狩りとか好きじゃない?そうだ、この音楽神である私が作曲してあげましょう。これ以上ない名誉だと思うし、どうかしっ……いやぁぁぁごめんなさい」
舌をゼアミの足に絡めて食おうとするクリオネ。
それに対して近くの木に必死に捕まるゼアミ。
「いやーまた食べられる。トキマサ助けてー。トキマサしゃーん」
泣き叫びながらリターン。
あれこの状況どっかで見たような。
あっ、数分前の状況だ。
「俺こんな冒険生活望んでないんやけどな」
そして俺はまたもやゼアミを飲み込もうと静止したクリオネを倒す為。
大筆を振り回してまた山を召喚して本日二体目を倒した。
泣きじゃくる粘液まみれの女神を背中におんぶは嫌だった。
だが泣きじゃくる少女を置いて帰るのは気が引けるし、木に吊るすのは後日にしよう。
人生初のクエストはこんな感じに終えたのだった。
ご愛読いただいた貴方に圧倒的感謝を‼︎
芸術は爆発だ‼︎と作者は皆様の声援と笑いにより日々進化していきます。
楽しんでいただけるとトキマサ達が喜びます
・腹筋が崩壊した
・もっとネタを見たい
などと少し思ってくださった方は、画面下部の☆☆☆☆☆を★★★★★にしてブックマークに入れていただく、率直な感想、批評などで応援して下さるとモチベーションが上がりネタが大量生産する事ができます
また誤字脱字や文法上でおかしい箇所を指摘していただけると幸いです。
それでは全ての読者に絶対的な祝福あれ‼︎




