7話 Gと幽霊と変態と
残り物には福があるというがそれもある。
ただここで貧乏籤を引いて事故物件だとかは嫌だな。
「ここはどないな宿屋でっかね」
俺が指差したのはギルドから徒歩十五分圏内の宿屋だ。
料金はこの異世界では平均並に見える。
これならゼアミと別室で寝ても料金は安い。
これにはお財布もニッコリ顔だ。
「そうですね。そこはその………出るですよ」
そう受付嬢が訳ありのような暗い顔で言う。
「やっぱり曰く付きでさいでっか」
「何?出るっておばけとか出るの?」
そうゼアミが怯えた顔で聞いてくる。
お化けって表現が可愛いな。
そこは幽霊とかだろう。
「お化けですか?あの赤い舌を出して足がひょろひょろしたあの綿飴みたいな?」
いや綿飴って貴方見たことあんのかい。
「そうよそれよ」
おまえもかい‼︎
指をビシッと伸ばしながら肯定するゼアミ。
「ここではそう言ったものは出ませんよ。ただお化けに出会いたいと言う方は此方の宿屋が有りますが?」
「いや、泊まらへんよ?」
誰が好き好んで幽霊と仲良く泊まらなければならないのか。
「そうですか。なかなか泊まってくれる方が居なくて居なくて」
「ほんでこの宿屋は何が出るでっか?」
「Gが出るのです」
「………。はい?」
「はいGが出るのです」
「なんで二回言ったの?」
「いえ、重要語句ですので」
「そっちちゃうやろゼアミ」
Gが出る家が事故物件ってそれじゃ俺の家と言うか大体の人の家が事故物件と化すのだが。
まさかこの異世界のG様は人間サイズとか?
○ラフ○ーマーばりの方が住んでいるのか?
「何やねん。この家のGは巨大メガ盛りサイズが出てくるとそう言う感じでっか」
「いえ、そんな生やさしいものではございません。列をなして千匹ぐらいが出てくるだけです」
「普通に怖いわ」
普通の心霊現象を超えた現象。
幽霊も裸足ですっ飛んで逃げるぞ。
ちくしょう、想像しちまったじゃないか。
うん、確かにそれは事故物件要素ありまくりだな。
「もっと他にちょけた所やのうてマシなところは無いのでっか?こことかは?」
「その宿屋はですね、曰く付きでして」
いやもう耐性がついてしまったのだが。
ツッコミも疲れた。
今度は何の問題因子があるのだろうか。
「以前住まれていた方が自殺されたんですよ」
「普通の事故物件やないか‼︎いや、普通の事故物件ってケッタイな話やけど。あれかここは化て出るんか」
「いえ、きちんとお祓いをしてもらったのでそのようなことは」
それは安心できる。
一応女神であるゼアミがいるから悪霊的なものは倒せると思うが念のためだ。
「ほいたら何が問題なんや?化て出てこないなら曰く付きになる問題はないはずなんやけど」
「はい、ですのでお泊まりになられるお部屋にはお化けは居ませんよ。少し腐乱臭とミイラが横たわっている置物があるだけで」
「おいちょっと待て。それ死体まだあるってことか?」
「はいまだ……はい」
「処理ぐらいしたってあげへんて可哀想すぎんか」
「クエストにも死体処理募集って貼ってあるのですが誰もしてくれなく二年間このままで」
「二年間?骨になってもうてるやん。ホ○ーマンもブ○ックびっくりやでそんなん」
骨化したアニメキャラもびっくりだろ。
死んでも誰にも相手にされないとか悲しすぎる。
その点、俺は転生後に判決をしてくれたことを考えれば。
少しゼアミに感謝しなければならない。
まぁ感謝の言葉をかける前にさっさと明日までに生きる方法を見つけなければ。
「そうでっか。じゃあここはどうでっか」
「そこもですね。曰く付きなんです」
「多いな。曰く付き多いな」
「はい。そこは以前住まれていた方が……その」
「亡くなったの?」
と悲しげな声で言うゼアミ。
「住んでいますよ」
「曰く付きやないやんけ」
何処がだよ。どこに曰く付きの要素があったか?
「はい、年齢55歳、ロリコンでレズ好き、ニート引きこもりの部屋に泊まる事になります」
「そんな条件で何で顧客が来ると思った?」
そもそも何故宿屋として使えるのかと思っている。
よく部屋を貸し出せる事ができるな。
男でも拒否するレベルだぞ、それ。
「はい、ロリっ娘が泊まるのなら、月極家賃1000ポンで良いとのことです」
「いや泊まらねえよ?」
いくら家賃が激安であっても泊まらねえよ。
甘い蜜を垂らした花ではなくて食虫植物と同意。
いくらゼアミの事が嫌でもそんな狼の前に羊を差し出すようなことはしない。
と言うか当のゼアミは。
「ちょっと貴方。私をロリっ娘と認識しているの。私はね、ロリっ娘じゃないわよ」
と受付嬢にロリ認定されていることに腹が立っているようだ。
この世界の治安は大丈夫か?
やばい世界に来てしまったのかもしれないな。
あとクエストとして死体処理募集を貼ってあると言うことはやはり何でもありなのだろう。
であるからしてやはり衣食住のうち安全を得るための住が必要だ。
だからさっさと決めるしかない。
「ええと、じゃあこの宿屋はどないですかね」
「そうですね、そこは評判が良いのですがお二人で寝泊まりしますか?」
普通にあるのかよ。
今までの時間を返してくれよ受付嬢さん。
しかし、二人で寝泊まりするというのは少し違う気がする。
俺は別室でと答えようとしたがゼアミ「そうよ」と即答した。
あれ?意外だな。
「ロリコン陰キャと寝たら何されるか分からないから、嫌‼︎」とか言うと思っていたのに。
てか誰がロリコンだよ。許さん、許さんぞロリ女神。
しかし俺の事を毛嫌いしていたゼアミにしては意外な回答だな。
「分かりました。では当ギルドよりご予約しておきます」
受付嬢は宿屋の店名を紙に書いていく。
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