一話 どんちゃん騒ぎ
「身体中が痛いんじゃ〜。寝かせたままにしてほしいんじゃ〜」
「ダメよ、トキマサさん。私たちのパーティリーダーなんだから。ギルドに来てくれないと」
マッカーサー討伐の翌日の午前。
俺は前日のスキルのデメリットである全身筋肉痛になり、サンサンにおんぶされながら移動。
手足は動こうとするとチクチクするので痛いので本日は寝込んだままにして欲しかった。
だが、魔王軍指揮官の討伐の報奨金が授与されるとの事で今パーティ総出で向かっている。
いや、今日でなくても別に良いだろうに。
「サンサン、もうちょっとゆっくり歩いてくれんか。振動で手足がビリビリするんじゃ。痛てっ!」
「ご主人様、それは嬉しい事アル。ゆっくり味わえば私と同じ世界に来れるネ」
「その世界に俺は永遠に追放済みだからええわ」
サンサンにこの筋肉痛を与えられるスキルとか無いかな。
いつか調べて覚えてみようと思うのともう一つ。
俺とゼアミに最高神から課せられたのは魔王討伐。
であれば、マッカーサーみたいな近代的な技術力を持った軍と戦わなくてはならないのか?
マッカーサーは魔王帝国の科学者とか言っていたから俺が想像する中世の文明度では無い。
そんな化け物が揃いに揃った奴らとタメを張らなくてはならない。
魔王討伐を成し遂げて願望の成就か、討伐を諦めこの世界でほのぼのするか。
俺が選んだのは言うまでもなく、後者。
虎穴入らずんば虎児を得ずというが相手が科学技術力を極高では話にならない。
棒と石を持ち始めた猿と全能神と戦争すると言うのと同じくらいハードモード。
ゼアミやT-34が反対するだろうが今回勝てたのは運が良すぎた方だろう。
確かに俺達パーティは急に覚醒し、化け物揃い(笑)になれたが。
少なくとも魔王の部下はこんな(笑)を相手にするなどと言うおふざけキャラでは無い。
毎度、毎度筋肉痛で倒れる訳にもいかないしなりたく無い。
義務教育、高校、大学で学んだ知識を活かして商売でもするか?
俺は化学と物理が出来るから大筆と合わせて発明品を作れば良いまで考えれる。
まずは湿布を発明しよう、うん、そうしよう。
それで得られた利益で三人とライカさんでほのぼの暮らしていくか。
そんな今後の人生設計を考えていると冒険者ギルドに着いたようで。
ドアを開けると焼いた肉に酒の匂いとツマミのチーズなどの臭いが鼻についた。
ギルドの冒険者百数名の熱気が分かるくらい熱い。
芸人にいる某熱血の人、一人分並みに熱いぞ、もっと熱くなれよ!
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