三十六話 本日も………落ちます………
「同志よ、前日に立案した作戦A通りよくやった」
T-34が棺桶をマッカーサーの方向へと構えていた。
もう弾頭は無いとか言っていたのに。
しかも、作戦Aって何?初耳なんだけど。
「マッカーサーとやら、貴様もよく戦った。なので私も良い土産をくれてやる」
「ほお、貴様自身が来てくれるのか。よく決断したな」
いや、T-34が土産をやる意味はないだろう。
少なくともT-34にはついていく意思が無いように見える。
「ふん、誰が貴様についていくと言った。私はこの同志に身体中を穢されたからな、穢した責任を取ると言い私に一緒くっついてくれると決めたのだ」
「事実無根のデマカセ言わんといてくれるか?」
俺も俺でこんなテロリストに一緒付き纏われるのは嫌なんだけど。
「貴様にくれてやる土産は、ツァーリボンバーーーーー!」
「ちょっとみんな逃げてーーー!」
最後の最後にそれが残っていたのかよ。
今回の戦いの原因になった代物が最後に出てくるとか。
エンタメとしては上出来だけど俺たちにとってみれば上出来じゃ無い。
「これはヤバそう、逃げなきゃ」
「お前は逃げんな」
富士山に誤って手を埋めてしまったマッカーサーが山ごと逃げようとするが俺が引き返す。
富士山と大筆は墨のような物質で繋がっておりなかなか千切れない。
これである程度は動くものの逃げられない。
俺の膂力もスキルで向上済みだ。
完全に力比べである。
「ちょっと、逃してよ。あれはヤバそうな気がするの。私の経験とセンサーが危険信号を放っているの。ああヤバい、変な歌を歌い始めた。ねえ、そこのカッコいい大筆の冒険者さん。逃してくれない?逃してくれたらもう軍隊を連れてこないから」
「知らんわ」
「お願いよ」
今までの風格も無いぐらいに泣きかけた声で喋り出すマッカーサー。
まさかの命乞いと泣き脅しを仕掛けてくるとは。
ただT-34と同じくらいヤバいやつを放置して置けない。
機械歩兵や戦車隊、航空機などを駆使して戦ってくる軍隊は危険すぎる。
マッカーサーはここで倒しておかなければ他の街を破壊尽くすだろう。
「フ、フ、フ、フ、無加熱金属式バレル、開門!。ソビエト製全弾放射式棺桶型砲身、地上へ根性で固定済!」
興奮と狂気が入り混じった笑い方をしながらもいつものように棺桶を構えるT-34。
高角度に入り照準を合わせ、大量破壊兵器の装填が終了する。
「ツァーリボンバー発射‼︎」
前回より大きめのツァーリボンバーをマッカーサーに向かって発射した。
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