二十六話 物量こそ正義
「やっちゃえ、【シールダー】」
「何というご褒美だ同志よ。私にネギと味噌と鍋を背負った鴨を連れてくるとは………これは、成功せねばなるまい。無加熱金属式バレル、開門!ソビエト製全弾放射式棺桶型砲身、地上へ根性で固定!大量破壊専用、対地上戦力殲滅兵器FROG。全解放!赤い星よ、盛大に燃え上がれ‼︎Урааааааааааа‼︎」
ドドドドドドドドドドドドドドドッ
棺桶の側面が開き中から列を成した小型のミサイルが飛び出した。
確かにマッカーサーに見せつけられた弾頭そっくりでT-34が犯人で間違いない。
俺の背中から数十m地点から爆風が響き渡った。
まるで洋画の戦争映画で出てくる絨毯爆撃みたいに連鎖的に爆破している。
冒険者達が幾ら切りかかっても傷がつく程度だった機械歩兵の装甲が当たっただけで人の頭部並みの大きさの穴が開く。
そこでは膨大な火力で無言のままスクラップにされていく機械歩兵達。
時々、T-34が味方で良かったと思う瞬間。
未だモクモクと爆煙と砂埃が上る中で街中の冒険者が歓声を上げる。
その様はまるで英雄が君臨したT-34が初めて英雄に見えた気がした。
「すげえええええ!やったなぁ、このテロリスト」
「頭のネジが全部ないコミンテルの化け物がやったぞ!」
「いつもУрааааааа!叫んでいた変なヤツだと思っていたがやる時はやるんだな、凄いぜ」
街から今までのT-34がやっていた奇行と叫声から想像していなかったような反応。
ある意味、馬鹿にされているようにも聞こえるその歓声にT-34は。
「同志よ、凄いぞ。私が褒められている」
「せ、せやな」
今日のT-34の気分は最高潮を迎えたらしく尻尾と耳を激しく動かして喜んでいた。
T-34が喜んでいるから良いのか。
「因みに、同志よ。地上戦力を掃討する武器は全部無くなったぞ」
「マジか。まぁ今日は仕事をしたから休んどき」
「にゅ!」
変な返答をするT-34。
とりあえず、ゼアミを背中から下ろしていつものパーティの陣形に戻る。
機械歩兵が全滅し一人草原に立ち尽くしているマッカーサーが俺達を見つめている。
正確には本日の一番黒星、T-34を凝視している。
そして、肩を震わせ大声で笑い出した。
「アハハハハハハ。素晴らしい、素晴らしいぞ。まさかこの最弱と呼ばれた街にコミンテルンがいたとはな。お陰で歩兵がやられてしまったわ」
「ふーーーん、我がコミンテルに怯えて眠れ」
上機嫌なT-34は臆する事なく挑発する。
確かにコミンテルんは凄いけどあまり刺激するなよ。
「コミンテルンは頭は狂っているが生産力は膨大だからな。倒すのに多大な犠牲が必要だがこれ程とは。コミンテルンの大軍といつも戦っている彼の方の苦労も分かった気がするな」
コミンテルンが頭おかしいのは十分に知られていたのですね。
しかも、一人のコミンテルンでこれだけやるのにな。
大軍と戦っているその「彼の方」が凄く気になる。
「とはいえ、コミンテルンの人間一人で撤退したとすれば間違いなく私の悪印象を魔王様に与える事になるからな」
いや、もう帰ってください、撤退してください。
T-34の弾頭はもうゼロよ。
「では、戦車隊、前進せよ。航空隊、地上を焼き払え」
そうマッカーサーが叫んだ瞬間、彼女の背中から戦車隊の団体がご到着した。
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