二十五話 会心の一撃って楽しいよね!
「トキマサしゃーん、トキマサしゃーん」
ゼアミが泣き叫びながらこれまで走ったことがないくらいの速度で走ってきている。
大量のファンに追いかけられる有名人に見えるのは俺の目がおかしくなったのだろう。
良かったな、またゼアミのカリスマに惹きつけられる種族が増えて。
ただそれが何処かへ走っている状況を眺めるだけならどれほど良かっただろう。
ゼアミが機械歩兵の大軍を引き連れ、俺を目指して走ってきた。
「こっちに、来るじゃねえ。あっち行けよ」
「嫌ーーーー!、嫌ーーーー!トキマサしゃーん、助けて。好きだから、だいしゅきだから助けてーーー」
俺に少しでも助けてもらおうとポジティブな言動をしているが。
生憎様、俺には装甲を砕くほどの火力を持ち合わせていない。
出来ても凹みを生むくらいしてから出来なかったからな。
「分かったから、自分を助けたいからって、そんな嘘、連呼するんじゃねえ。変な目で見られるだろ駄女神」
普段、俺のこと否定的に見ているくせに変な時だけ構ってくるんだからな。
いや、待て、この状況は使えるぞ。
「よし、T-34。お前は此処にいて基地に向かって撃った種類の弾頭の準備をしておいてくれ」
「ラジャー、ビシッ」
軍隊の敬礼のように手を額につけるT-34。
ある程度機械歩兵を破壊尽くして上機嫌な様子。
俺は一計思いついて直様忘れないうちに実行に移す。
「〈名所江戸百景・する賀てふ〉よし、良えかT-34。この位置に機械歩兵達が来た時撃ちまくってくれ」
「ラジャー、ダブルビシッ」
「ほんまに大丈夫か」
大筆を使って長く続く木造の建築物を顕現させる。
歌川広重の代表作群の名所江戸百景の一作品であり、三越の越後屋の本店。
左右の商家が遠点に向かって続いており奥には巨大な富士山が佇んでいる作品。
葛飾北斎とは違う画風で朱が混じった空に対して蒼や藍色の富士山と商家が一層魅せている。
今回の召喚では人と言った生物は俺の技術では顕現不可だったがそれが幸いとしている。
要はこの囲まれたところに機械歩兵を連れてきてT-34に纏めて撃たせるのが俺の狙いだ。
顕現させた後は富士山の麓で泣き走りしているゼアミを捕獲しにいく。
「よっしゃ、バッチこい。ゼアミ」
「トキマサしゃーん」
今まで会えなかった祖父に抱きつく孫みたいな反応。
本当にこの女神はこの異世界で何回も泣いているな。
すぐに抱きかかえて背中におんぶ。
「よいしょ、ちょっと太ったかゼアミ」
「そんな言わないで!早く走って逃げて」
食って寝ての生活しているからか異世界に来た時より少し増えたような気が。
グジュグジュ泣きながら伏せているゼアミを運んでT-34に合図を送る。
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