五話 スキル強化日間
「今はだいたい午前中アル」
「見ればわかる情報ありがとう?」
先に草原に行ってモンスターか何かが居るか見ておいてと言ったつもりだったが。
俺の言葉足らずかサンサンは時間のそのままの状況を説明する。
「どうや、ゼアミ。お前の女神センサーでモンスターはおらんか?」
「いないわね」
「そうか、なら早よ行けよ」
「いやよ、このセンサー半分の確率で外れるんだから」
「そのセンサーガバガバすぎへん?大丈夫?」
先日判明した音楽神のアホ毛に見えるセンサー、女神センサーを使ってみる。
実際T-34を判別できていなかったから実質ポンコツですね。
センサーが50%の確率で外れるのは怖すぎる。
そういえばT-34は危険ではないとか言って言っていたけど実際T-34はあんなのだし。
「さてと、朝飯を食べて草原にきた訳やけど。これからスキル強化訓練を行うで」
「ふう、そして私がTー34中佐だ。皆きちんと指示通りに行動するように」
「お前には二等兵がお似合いだわ、早く粛清されろや」
「そんな軽々しく言わないでくれないか同志よ」
短気で狂乱化するTー34がそれくらいの階級がある訳ない。
そんな破天荒な部隊の隊長なんてついて行きたくないし配属されたくない。
本当にそれくらいの階級があるとすれば俺は中将レベルまでになっているだろう。
因みに二等兵とは訓練兵を終えた一兵卒から入営したばっかりの兵士の階級。
突撃兵モドキのTー34には最適な階級だと思う。
それに服装が入りたての新兵卒に配られる軍服だし、勲章付いてないし。
「というよりもモンスターが一匹もいないでは無いか?」
「それは、やな。さっきギルドで聞いた話やけど、魔王軍の基地が近くに出来たらしくてな。その魔王軍が掃討したのかモンスターが少なくなってしまったんやと」
「ちくしょうめーーーーー‼︎」
某総統閣下の映画の偽字幕シーンのような台詞を言うTー34。
またモンスターを掃射しまくれると意気揚々としていたTー34が悔しがった。
これには俺も同じ意見だった。
俺達のパーティでも倒せる弱いモンスターが居なくなってクエストが一枚も無い。
そのため、俺一人で倒してお小遣い稼ぎしようと思っていた矢先がこれ。
来週から来月くらいに魔王軍基地討伐のために王都から精鋭騎士団が来るらしい。
掃討されたせいで今ではモンスターがいない草原でのんびりするだけになってしまった。
ただのんびりしていると時間が無駄と思いスキル強化に時間を費やそうと思った訳だ。
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