三十四話 小筆スキル解放運動
俺が持っているものもあるが俺の魔力はサンサンより多く無能女神と狂乱獣人よりは少ない。
俺の魔力はそこまで多く無いから長期戦に強いられるかも知れない。
大筆は最初からスキルが解放されていたが他の小筆の神器は解放されていなかった。
よって小筆達は今まで戦闘に入れなかった訳だが。
ただ俺の身分証には小筆の名前と空白になったスキル欄が浮かんでいる。
要は、スキルが元々無ければスキル欄は無いわけでスキルがあるからスキル欄があるのだ。
という事は大筆ほどでは無いが小筆にも何かしら有能なスキルがあるかも知れない。
俺がスキル習得する時にも身分証にポイントを振り込まなければならなかった。
取り敢えず俺は身分証の円の中に指を入れて透明板を出した。
小筆たちも同じように小筆の名前に振り込む。
今回のクエストでレベルが上がって得られたスキルポイントは6つだ。
小筆一つのスキルを得るのに消費するのは2つだから三本の小筆達のスキルを習得出来る。
十数本ある小筆の中からどれが良いか悩む。
「どれにしよっかな」
「ふーーんだ。私の神器もスキルがあるもん」
「じゃあ、役に立たないお前に振り込むより神器に振り込めば良えんとちゃうか」
ゼアミの膂力と体力は死にかけの老人と同じと比喩されていたからな。
元々脆弱な肉体にバフスキルを与えられても限界値が低ければ低いままだ。
いつも打撃武器として使われている楽器の方がゼアミより強そう。
「君達に決めた‼︎」
そう俺は名前がある小筆の中から目についた小筆を選んでスキルポイントを振り込んでみる。
ヴィーオン♪
「いや待て今の効果音!」
某カードゲーム漫画でモンスター召喚された効果音なのだが。
これで俺のスキル解放された時の身体が光るだけとは違う。
そして俺はもう一度自身の身分証を見てみる。
小筆【月岡芳年】
スキル名〈無惨武者〉
対象に対して精神異常付与成功高確率向上&低度の精神異常耐性向上状態&敵全員に種族問わず中確率で恐怖状態を付与。
小筆【土佐光信】
スキル名〈四神相応〉
対象に毎時MPを回復する状態&毎時HPを回復する状態を付与
小筆【宮本武蔵】
スキル名〈一本勝負〉
対象の会心率と攻撃力を大向上する効果&[剣]を装備時、剣道技術を付与
俺の身分証に明記された小筆達のスキル効果を読み上げてみる。
夢じゃ無い、大筆と同じくらいヤバい能力ばかりだ。
しかも、俺たちのパーティには今まで無く、欲しかったバフが多い。
「強そうなスキル、ゲットだぜ!fuuuuuuuuuu!!」
「スキルを手に入れたせいでトキマサさんが変になった‼︎」
三つのスキルを習得としてTー34みたいに狂喜乱舞したせいで変態扱いされたが。
俺はこのパーティのこの変則的すぎるスキル効果を持ってしてどう戦うか考えながら寝た。
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