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電脳狂戦士 現代ダンジョンに挑む  作者: saikasyuu
電脳狂戦士 妹のお願いを聞く
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女子校へ突入

新章入ったのだ。

「「「「「「宜しくお願いします!!!」」」」」」

「あーうん。よろしくお願いします?」


目の前に並んだ二十人くらいの女子高生達。

その中には遠島たちの姿もある。


日坂さんもその光景に俺の隣で苦笑いだ。


さてどうしてそんな光景が俺の前にあるのか。

それは少し時間を遡る必要がある。


あれはちょうど、俺が退院して少し経ったくらいの話だ。





















「兄ちゃんヒマそうだね?」

「暇そうなんじゃなくてな?暇なんだよ」


『無効化ダンジョン』で起きた黒狼戦以降。俺はダンジョンに行っていない。

協会から行かないでと要請されたというのと、日坂さんにも同じことを言われたからだ。

まぁ日坂さんの方は少しの間だけで良いからと泣きながら言われたのが効いた。

前の戦いが激しかったから、その休みと思ってとまで言われたら流石に断るのも忍びないし。


実際少しの間休むって意味なら、暫くダンジョンに行かないのは別に何ともない。

じゃあゲームするかーとしか思わないし。日坂さんと出かけるのも良いと思った。


そのうちの一つ。ゲームについて。

まずこっちは・・・色々あってやってない。原因はムサシなんだが。


何てことは無い。

ゲーム内で久しぶりにムサシと会って、ダンジョン内で久しぶりに負けかけたと伝えたらこう言われた。


『いや、普通に寝ろ』


表情の見えないはずのムサシが何してんだこいつみたいな顔になってるのを理解出来たのは初めてだった。

そんなことそんな顔で言われてしまうと妙に居心地が悪い。

戦ってーと言っても断られたしな。何か気分じゃなくなってしまったのだ。


日坂さんとお出かけの方は、まぁこっちも今日は偶然予定が合わなかった。

お義母さんの通院の手伝い。弟達の用事などなど。

まぁこれは俺の入院中に俺に掛かり切りだったせいもあるんだけど・・・とにかく予定が合わなかった。


そんなわけで、本当に暇なのだ。先月とは違う理由だけど同じようなヒマ時間が出来ている。

でも休めと言われただけで、三十層とかにために行くのは止められてないからまだマシか?

前回は特殊冒険者の云々でやめてくれって話で、今回は俺の体調の話だからな。

俺が問題ないと思って、医者がOKを出せばとりあえずは問題ない。

でも一応数日間は日坂さんの為にお休みしようと思っていた。

ダンジョンには行くかもしれんが、深いところは無し!よっぽどのことが無い限りな。


そんな暇を持て余した日曜日。

リアの奴も製作で引きこもってるし、千尋がいるだけまだマシだったのかもしれない。


そんな千尋だが、何やら制服を着ている。

通ってる学校の制服だ。こいつは中高一貫の女子校に通っている。


「ん?学校行くのか?」

「そだよ。兄ちゃんもいこ?」

「そうだなぁ・・・あ?何て言った?」

「だから。お兄ちゃんも行きますよ?」

「・・・何で?」

「呼ばれたから」

「誰に」

「先輩に?」

「何で???」


本当に何で???


思い当たる節は欠片も存在しないが、まぁ暇なので良いかとついていくことに。

制服に着替えた方が良いかと思ったがいらんと言われたのでそれじゃあと私服で行くことに。

千尋セレクトの、曰くワイルド系オシャレだとか何とかを着て行く。


「で?マジで誰に何で呼ばれたの俺」

「んー?別にお兄ちゃんが呼ばれたわけじゃないよ?」

「・・・頭打ったか」

「失礼な」


話を聞くに、どうも呼ばれたのは冒険者として経験豊富な人とのこと。

高等部の先輩がそんな話をしていたのを聞いて、うちの兄で良くね?と思ったらしい。

いつ連れてくか考えていた所、今日朝っぱらから暇そうにソファで倒れていた奴がいたので連れて行くことにしたそうだ。


「前もって言って???」

「お兄ちゃん言わなくてもヒマでしょどうせ」

「暇だけど」


基本ダンジョンもゲームも趣味だからな。いくらでも予定はずらせる。

金銭事情的にも何にも問題無いのでそちらも良し。

強くなるという目的はあるが、今はそれもちょっと難しい。深いところに行けない以上はなぁ。闇雲に戦っても意味ないから。


「でも相手の予定とか」

「いや今日活動日だから」

「活動日?何のだ?」

「ダンジョン部」

「ダンジョン部?」


はて、聞いたことのない部活・・・と言いたいが実は知っている。

これちょっと前にテレビで話題になってたよな。あれって千尋の学校じゃなかった気がするが。


「あ、うちで出来たのは夏休み前位だよ。本格活動は開けてからだけど」

「へぇ。あそこって結構厳しかったはずだよな。よく通ったな」

「今のご時世ダンジョンに関わらないって逆に問題だよ」


だけどその部活にはある課題があるらしく、それを解決するために俺みたいな冒険者が必要だとか。


「でもお前まだ15だろ」

「15でも入るのは出来るの。ダンジョンには行けないけど。ほら、色々調べるだけでも面白いし」

「そんなもんか」

「戦闘狂のお兄ちゃんと違って、千尋ちゃんはインドア派なのです」

「ハハハ」

「む。信じてない笑いだ」


まぁ冗談もほどほどになとしか言えない。


千尋の抗議を受け流していると学校に到着。

割と近い位置にある学校だから毎日千尋の登校は楽そうだ。


校庭の方から声が聞こえる。運動部が走っているのだろうか。

いやそれにしては声が少ないな。そもそもここ、日曜日に部活してる所あったか?


「あ、お兄ちゃん離れないでね。不審者として捕まっちゃうよ」

「分かってるわ」


流石に女子校で勝手に動くつもりはないっての。


それにしても相変わらず綺麗な学校だな。

うちの高校も割と綺麗な方だとは思うが、こことは比べられないだろう。

あとテラスとかもあるしまるで漫画の世界の学校みたいだ。


千尋の後ろを歩いて着いたのは声が聞こえた校庭。

そこでは二十人ほどの女子たちが体操着で走っていた。

その先頭を走る女子生徒に千尋が声を掛ける。


「茉理せんぱーい!!」


名前を呼ぶと、一瞬驚いたような顔で俺を見てすぐに千尋に気が付く。

校庭の内周で、ちょうど半分くらいの位置だったので少し待つ。

全員がこちらに走ってくると、名前を呼ばれた先輩が他の生徒に声を掛ける。

どうやら休憩らしい。


「待たせたわね千尋さん」

「いえいえ。急に呼んじゃったので大丈夫ですよ」

「ありがとう。そちらの方は・・・お兄さんかしら?」

「はい!前も話した、冒険者の兄です」

「戸村宗次です」

「雨宮茉理です。よろしく」


握手をすると、この人が戦える人だと分かる。

感覚的に・・・遠島より強いな?


「へぇ」

「お兄ちゃん」

「おっと」


いきなり品定めはダメか。


すぐに手を離す。思ってたより強めに握ってしまったかもしれない。


「すみませんうちの兄が」

「い、いえ。大丈夫よ」


いきなり初対面の男性に手を強く握られるのは恥ずかしかったのか、少し顔を赤らめている雨宮さん。

そういや女子校の人ってあんまり男に慣れてないって話聞くけど、案外そうでもないのかな?


・・・いや違うな。休憩している女子たちの目があれだ。

小声だけど何かきゃーきゃー言ってるし。


それに雨宮さんの方も気が付いたのか、気まずそうな顔になる。


「あー。ごめんなさいね。うちの子たちが」

「兄は女の子好きなんで問題ないです」

「大問題だわ」

「ふふっ。愉快なお兄様なのね」

「なん・・・だと・・・?」


これで俺が面白い判定になるの?マジ??


「とりあえず中でお話しましょうか」

「ん?入って良いんですか?」

「在校生のご家族なら大丈夫よ。みんな、休憩終わったら自由で良いわ!」

「「「「「はーい!!」」」」」


先ほどまでへとへとだった彼女達だが返事は元気だ。


雨宮さんに案内されて通されたのは部活動の部室が集まった方の校舎。

そちらの方に彼女たちの部室があるらしい。


「ここよ。すぐにお茶も入れるわね」

「ひっろ!?」

「お兄ちゃんの学校の視聴覚室より広いでしょ」


これマジで今月から活動する部活か?

そう思ってしまうほどダンジョン部の部室は広かった。

埃一つ無く、ソファや座椅子も柔らかそう。

置かれている調度品も高級そうに見える。

テレビもパソコンもあるし、何かここに住めそう。


雨宮さんは紅茶を入れてくれた。茶葉からやるタイプのようだ。

どうも準備してあったらしい。


「ごめんなさい。急だったからお茶以外出せなくて」

「お、お構いなく」

「あ、お兄ちゃんがお金持ちオーラに充てられた」

「あら。千尋さんはそうでもなかったわよね?」

「お兄ちゃん変な所で庶民的なんですよ。自分だってお金持ちなのに」


こういうのは慣れないんだよ。そう口には出さないけど。

一旦落ち着くために紅茶を一口。

・・・なるほど?全く分からん。


「キーモンですか?」

「流石ね千尋さん」

「お前分かんのか・・・」

「世界三大紅茶の一つだよ?うちでも出した事あるよ?」

「俺はコーヒーばっかり飲んでるのお忘れか」

「あれ?そうだっけ?」

「あら。ならコーヒーの方が良かったかしら」

「ああいえ。本当にお構いなく」


どうせ高いもん飲んでも分からんしな。


だが何か飲んだことでいったん落ち着くことは出来た。

これなら話を聞けそうだ。


「えっとそれで?あんま事情聴いてないんですけど」

「そうなのね。なら少しだけ説明させてもらうわ」


千尋の通う中高一貫の女子校。

歴史がそこまである学校ではないが、立地の関係と卒業生の活躍から人気の学校だ。

所謂お嬢様学校という奴で、家が金を持っている事が多い。

そうじゃない普通の生徒もいるが、その割合は半々と言ったところか。


そんな学校で、先月ダンジョンについての活動を行うダンジョン部が出来た。


「設立希望自体は前から出してたのだけれど、中々許可が下りなくてね」

「まぁでしょうね」


お嬢様を預かってる学校としては、ダンジョンと言う命の保証をしかねる場所に関する部活動は認めづらいだろうさ。

でもここ一年の間で事情は変わった。

ダンジョンの重要性が上がったという話もある。要するに世間的がダンジョンに対して寛容になったのだ。

ならざる得なかったって見方も出来るが・・・これはうがったものの見方かな?。


そんな世間の動きを受けて、学校も重い腰を上げてようやく部活動として成立。

実はダンジョンに興味のある生徒は多く、今日いるメンバーはごく一部に過ぎないんだとか。


「中等部もまとめてだから、結構多いんだよね」

「そんなもんか。まぁでもうちもそうだしなぁ」


そこはうちも変わらないか。

一番活動してるのは遠島達だろうが、それほど本格的じゃなくても冒険者活動をしている生徒はいる。

目的は割とそれぞれだが、その辺りはどうなんだろうか。


「うちは結構統一されてますよね?」

「そうね。将来の為が一番多いかしら」

「思ってたより真面目な理由だったな・・・」


冒険者として活動してましたが就活でも使える時代だもんな。そういう考えでもおかしくないか。

それ以外で多いのは美容の為なんだとか。

レベルアップや魔石利用による美容効果はどの年齢層の女性にも刺さるな。


あと魔道具についても結構注目度が高いらしい。面白い話だ。


「大体はこんな所かしらね」

「設立まではそうですね」

「ん?お前も関わってんの?」

「うん。その時はまさかお兄ちゃんが冒険者になるなんて思わなかったけど」

「あー。俺興味なかったしな」

「そうなの?珍しいわね」


確かに今の時代で考えればそうかもなぁ。

冒険者にはとりあえずなっておけみたいな風潮あるし。

実際なってから分かってけど、意外と恩恵も多いんだ。

身分証明書にも使えるし。お店によっては冒険者割引なんてものもあるくらいだ。


「それで?問題っていうのは?今のところ無さそうですけど」

「実は活動内容で問題があるの」

「と、言うと?」

「部活動としてダンジョンに行けないんだって」

「・・・ん?おかしくね?雨宮さん行ってますよね?」

「あら。分かるの?」

「最初手握って分かったんですよ」

「へ、へぇ。そんなこともできるのね」

「これ兄がおかしいだけなんであんまり真に受けないでくださいね?」

「おい妹」

「何戦闘狂」


もはや兄扱いもされないですけど。


でもダンジョン部なのに部活動でダンジョンに行けないって何だ?

それじゃあ何のための部活かって話になっちゃう気がするが。


「安全を保障できる程の実力者の引率が必要なんだってさ。面倒だよね」

「そう言ってはいけないわ千尋さん。先生方だって意地悪で言っているわけじゃないのよ」

「それはそうなんでしょうけど」

「それは雨宮さんじゃだめだと?」

「私は学校内の人だからね。外部の人でって条件付きなの」

「なるほど」


ようやく冒険者が必要な意味が理解できた。

千尋が通ってはいるが、俺自体はこの学校とは関係ない。


「でも問題は実力なのだけれど・・・失礼だけど、どこの階層まで行っているのかしら?」

「お兄ちゃん?」

「三十層ですけど」


そういうと雨宮さんの動きが固まる。

それでも冷静な表情を崩さない当たり流石部長。関係ないか?


「さ・・・三十層?ほ、本当に?」

「まぁはい。これ冒険者カードです」


基本的に冒険者カードでその冒険者がどこまで潜っているか確認することは出来ない。

だがある条件付きで確認が出来るものがある


それはワープ可能階層だ。

冒険者カードには、小さくはあるがそのカードの持ち主がどこまでワープできるかが書いてある。

それを見てようやく信じ切れたのか、それでも信じられない様な、驚いたような顔で俺の顔を見てくる雨宮さん。

何となく微笑み返してみると、さっと頬が赤く染まる。


「・・・お兄ちゃん?」

「はいすみません」


今のは分かってやりました反省します。


「兄はちょっと女たらしみたいな面があるので」

「・・・そのようね?」

「失礼な」


女性の扱いというか、接し方自体は慣れてる方だとは思うけど。

主に扇雀のせいだな。でも日坂さん相手だとうまくいかないの何でだ?


「とりあえず、実力も問題ないっすかね?」

「え、ええ。これなら全然大丈夫よ」

「なら良かったですよ」

「てかお兄ちゃん」

「ん?どうした?」

「流れ的に話はもう分かったと思うけど、良いの?」

「???。別に構わんけど」

「えっ?」


まぁ千尋が驚くのも無理はない。

俺の事を知っている人なら大抵は驚くだろう。


彼女達の目的はもう分かっている。

要するに自分たちがダンジョンに潜る為の引率が欲しいんだ。


俺がそれを受けると、当然その分の時間は取られてしまうわけで、俺の目的とそれは反する。


そして俺をよく知っている人なら、それを俺がとんでもなく嫌がるのも分かる。

だから千尋もそんなことを言ってきたのだろう。


でもまず前提が間違っている。


「妹の頼みを断りゃしねぇよ。この程度なら猶更な」

「お兄ちゃん・・・」

「あと日坂さんに休養日作れって怒られたし。普通に暇なんだ」

「それはそれでどうなの?あと感動を返して」

「無理」


ま、そういうわけで、俺が引率するのは何にも問題は無いのだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 休養日にダンジョンて休養になるのか…日坂さんが許容範囲ならいいんだろうけど つか相変わらず感情の振れ方が変な主人公… 女子校に男一人で入ったら普通キョドると思うんだけどなぁ
[良い点] 新章期待
2023/06/24 20:07 退会済み
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