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電脳狂戦士 現代ダンジョンに挑む  作者: saikasyuu
電脳狂戦士 魔法を見学する
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お試し終了

「うーん。ただいまー」

「おかえりなさい戸村君」

「ういっすー・・・ってあれ?マナは何で顔が赤いんだ?」

「戸村君戸村君」

「なんです日坂さん」

「良いお友達だね!」

「???」


なんのこっちゃ。
















その後も一通り思いついたことを試した。

二十六層の外側を大体二周くらいするとアイディアも尽きてきたので、そこでいったん終了。

ワープで上に戻り休憩することになった。


近くの喫茶店に入って各々好きな物を頼んでから反省会を始めることに。


「それで?蒼は何が納得いってないんです?」

「え?」

「む。やっぱりわかる?」

「戦ってる姿もそうですけど、今も不満な雰囲気出してますよ」

「むぅ・・・ゴクン」


日坂さんの前だから結構隠していたと思うんだがバレてたか。

流石マナ。自分が無表情な分変化に鋭いな。

いや関係ないな。


「でも戸村君結構楽しんでた気がするんですけど」

「まぁ動くのは楽しかったですよ」


実際それは楽しかった。

木々の間や空を自由に飛び回る感覚はやはり素晴らしい。


だがそれは戦い方として満足のいくものかというと、そうではなかった。


「問題はやはり重さですか」

「だなぁ」

「重さ?」

「自分の移動の重さのことです。後は・・・自由度?」

「だなぁ・・・ウッマ」


闇や魔力を放出して加速するやり方は確かに速い移動を可能としている。

しかしどうしてもそれで移動すると後の行動に制限が掛かる。


最近だと、ゲーム内イベントでやったアーサー戦がいい例だ。

あの時の俺はゲーム内でも異常なレベルの身体能力を用いて空気を蹴りとんでもない高速機動を可能としていた。

それとの違いを意識すれば何がダメだったかがわかりやすいと思う。


ようするに、自分の足で動いてないからダメなのだ。


「踏みしめる感覚っていうんですかね。あれが無いとどーもしっくりこなくて」

「あ、なるほど」


これなら豊宝竜の時に使った波紋足場を使った方が良いくらいだ。

だからブースター形式はまず不採用。ゲームでも再現はちょっと面倒だしな。


「あと闇の手を伸ばすのもいらんな」

「え、あれもですか。結構便利そうでしたけど」

「便利ではあるけど・・・あれやるくらいならその分身体能力に回したいなぁって」

「脳筋め・・・」


伸ばすものがあること自体は結構良いとは思った。

でもそれ手じゃなくてもいいよね。俺の主力武器というか、メインの攻撃手段に手を使うからそこはフリーにしておきたいし。

やるならそうだな。尻尾とかあるといいかもしれない。

それも魔法で態々作る物じゃないと思うけど。鎧の一部として自由に動かせるなら採用したい。


その他にもいくつか試したことの批評を二人に聞いてもらう。

すると二人の反応は対照的で、日坂さんは驚いた感じ、マナは納得した様子を見せていた。


「ふぇ・・・色々してましたけど、ほとんどダメなんですね」

「まぁ試行錯誤何てそんなもんですよ」

「この人の場合、今まで捨てた技とかスタイルとかアホみたいな数になってますからね」

「そ、そんなに?」

「えぇ。それを他の人に教えたりはしてるんで無駄にはなってないですけど」


細かいところまで考えると、武器の長さ一ミリ単位で試して辞めてを繰り返した時もある。

当然今の能力で上から殴るっていうスタイルに辿り着くまでに色々諦めた戦い方もある。

それらをまとめると、普通に他のプレイヤーに売れる量のデータも溜まっていた。

それを偶然目についたプレイヤーに教えたり、ヒントを与えたりってのをしていた時期がある。

まぁあれは強いプレイヤーを増やして俺の経験値になってもらうためだったんだけど。


「ランカーもいませんでしたっけ?」

「十三位の奴が最高かなぁ・・・グビッ」

「戸村君教えるのも上手なんですねー」

「それほどでもありますけど」

「そこは謙遜しなさいよ」


褒められたのなら素直に受け止めるべきだろ何言ってんだ。


「えっと。結局今回のおためしだと何を採用するんですか?」

「エンチャントだけかなぁって」

「まぁ一番向いてるでしょうね」


厳密にいえば、それ以外にも十分使っても良いと思えるものはある。

だがゲームの仕様上全てを採用することは出来ない。構築コストが足りない。

ムサシとの相性。俺が得意とする戦い方。

色々な要素を含めて考えてそれに落ち着いた。


応用性があるのは十分に分かったが、それらを活かすのは多分現実だけかなぁ。

近接戦闘をこなすうえでは遠距離攻撃は牽制以外の目的では使わないし、それ以上にムサシにはあまり通用しない。

波紋足場は使えるが、あれはゲーム内だとただの能力で再現出来るから必要ないし。


「あとやっぱり爪は物理的な奴がいい」

「そこは私知らないんですけど」

「ダメなんですか?魔法爪」

「ダメとは言いませんけど・・・しっくりこない」


これはゲーム関係ないことだけどやっぱり実体のない爪はなぁ。

何だろうか。重い一撃じゃなくて鋭い一撃になりがちなのが良くないのか?


「いっそアークの運営が俺の装備作ってくんないかな・・・ゴクン」

「いやそれただのコスプレ・・・」

「ダンジョン産の素材で装備って、まだどこもあまり良いの作れてないですからね」


ダンジョン内で手に入った様々な品を利用して、さらにダンジョン探索を有利に。

そんな考えでどこの国も装備や道具の制作はかなり大規模に進められている。


進捗で言うと、道具はともかく装備はあまり進んでいないらしい。

道具の方は頑丈で長持ちする、ダンジョン以外でも使える日用品の制作くらいまで出来ている。量産はされてないけど。


対して武器の方は本当にさっぱり。

普通に外でもある金属を使った物は当然作れる。

だがダンジョンでしか手に入らない特殊な金属。ミスリルとかああいうのを使った装備はまだ全然出来ていない。

性質をキチンと理解するのに時間が取られ、そこから加工に時間を取られ。

名匠と呼ばれている鍛冶師がやったとしても、正直普通の鉄の装備以下にしかなっていないそうだ。

唯一成功したと言われているのは、日本の包丁メーカーが作った『包丁』だけだ。

まぁ武器じゃないけど、それはダンジョンの特殊金属で作られて且つ切れ味も世界最高峰と認められたそうだ。

実はそれは一般でも金さえあれば買えるようになっている。金さえあれば。


「というか蒼の場合は爪でしょ?もはや無理では」

「かぎ爪・・・じゃないんですよね?」

「そうですね。何かこう、RPGのラスボスが着てる様なごっつい鎧に大きな獣の爪が付いてる感じですね」

「ゲームだとどうやってそれは手に入れるんですか?」

「ん?そういえばあれってどんな条件なんでしたっけ?」

「見た目は普通に弄ってるからなぁ。一応入手法自体は街の外でのモンスター退治だけど」


確か設定だと、暴れていた竜の爪をそのまま付けたとかそんなんだったはず。

とあるクエストを達成すると成功報酬でもらえるのだ。

竜装シリーズって装備で、使ってる奴はあんまり多くない。


「それはまたどうして」

「使いにくいんで。重いし」

「あー。そういえばそんなのありましたね」

「戸村君はそれを振り回してるんだっけ。すごいんだね!」

「褒められてますよ脳筋」

「流石に心が痛い」

「???」


アーツアビリティとか、身体能力に関係ないアビリティと相性が良くない竜装シリーズ。

その為非常に評判がよろしくない。

同じ様なサイズの武器でもっと軽いのあるのも良くない。


ちなみにだが『アークオリンピア』内のクエストで、PvPコンテンツ以外に関わるクエストは難易度が比較的緩い。

あくまでもメインはPvPだからだ。そっちはおまけで、息抜き程度にやるのが良い。

あと武器の違いで攻撃力に差は無いので気を付けよう。

あくまでも差として出るのは武器の大きさやらデザインやらだ。


「重さは攻撃力になるんじゃ・・・」

「仕様上の問題で軽い方が良いんですよね」

「えぇ・・・」

「だからこいつ脳筋なんですよ」

「ああなるほど・・・」


ただ重い物振り回したいだけ侍です・・・


でも振り回す際の感覚が非常に合っていたので使っている。

現実でもあれがやりたい。


「ところで一つ良いですか?」

「ン?俺?」

「当然でしょ」

「ふむ・・・何かあったか?」

「どんだけ食ってんだ。あと日坂さんは何してるんです」

「え?・・・ケーキを食べやすいように切り分けてます!」

「そうですね。それが全部こいつの腹に納まらなければその行動は普通なんですよ」

「日坂さんあっちの皿ください」

「はーい」

「嫁か」


ダンジョンに行くようになってからマジで燃費悪くなったんだよなぁ俺。


マナがここに来てから俺が食った分の皿を数える。

俺も一緒に目で数えてみたらカレーだけで四皿、スパゲッティで二皿ある。


「ハンバーグとケーキも含めろのうk・・・いやデブ?」

「残念なことに殆ど筋肉に回ってるんだ」

「うっそでしょ!?」

「確かに戸村君見た目あんまり変わってないですよね」

「体重は増えてるんですけどね」


元々どんだけ食っても見た目に反映されるタイプじゃなかったけど、最近はよりその傾向にある。

食った分全部戦いで消費出来てるからなんだろうな。

まぁ元から鍛えてはいたから、肉体的にはちゃんと自分の身になる様になってたのも大きいのだろう。


「日坂さんがサポートしてるのは?」

「戸村君食べにくいかなぁって」

「貴方もしやこれを甘やかしたいだけか???」

「てかお前なんで敬語何だ?」

「今聞くことじゃ無いでしょそれ。あと私はゲーム内で基本は敬語です」


それはそうなんだけども。

俺達の方が年下ってのがちゃんと分かっていて。

冒険者としてもはるかに先輩。

日坂さんはともかく、俺との付き合いは長いんだから敬語崩しても良いのではと思ったのだ。


でもちゃんと理由があるようで。


「昔から何故かこの喋り方なので」

「へぇ」

「ははーん?興味ないなさては」

「で、でも時々崩れますから、近いうちにもっと自然になりますよ」

「これこいつらに煽られるようになってからなんですよね」

「戸村君悪い影響与えてるよ」

「俺だけのせいじゃないんで・・・」


何ならこれに関してはアーサーもやってるから・・・

まぁ主犯は扇雀なんですけど。


「そういや今日扇雀来たがったってマジ?」

「マジですよ。仕事が休めないって呻いてましたけど」

「社会人ざまぁwww」

「貴方も数年後には・・・なってなさそうだな」

「おい」


いや俺だって普通に社会人に・・・あっれあんまり想像できないぞ?


「戸村君は私とずっとダンジョンに行ってますよ」

「なら良いかなぁ」

「・・・確認なんですけど、お付き合いしてないんですよね?」

「告白は済ませてます!」

「夢叶えた後で良いって言われてます」

「クソ男だ!!!」


日坂さんの好意にべったり甘えてる自覚はあります・・・

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― 新着の感想 ―
[一言] 闇の衣まとって高機動マニューバとかやらかしてNGですか… ゲーム内での妥協しなさすぎが伺えますねぇ それにしても日坂さんの正妻ポジが揺るがなすぎて遠島さんの入る隙間ががが
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