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電脳狂戦士 現代ダンジョンに挑む  作者: saikasyuu
電脳狂戦士 適応する
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『技』の模倣と理解

主人公とムサシに関しての話を思い付きはするんですがまだ展開的に暫く公開出来ないもどかしさが・・・

「何ですかあのチート技は!?」

「師匠技使ってるじゃないですか!!」


対戦待ちルームを抜けてプライベートエリアに集合したら速攻で絡まれた。まぁ知ってた。

二人の後ろでアーサーとアルチャ氏が苦笑いしている。マチナは何か猫と戯れてる。


「一旦落ち着かね?」

「「・・・」」

「急に落ち着くなぁ!」

「おー」

「流石ネタへの反応は早いですね・・・ってそうじゃなくって」

「あー。じゃあとりあえずマナの方からだな」


ぶっちゃけこれはアーサーは分かってると思う。実際こちらは見ているが驚いてはいないし。


「えーっとまず見てた側はどこまで分かった?」

「師匠が急に脱力したのは分かったっすけど・・・あれって、『瞬』ですよね?」

「そこまで分かってんなら俺の説明いらなくね?」

「どういうことです?」

「ん?マナは・・・ああいや。確かに使わんか。もしかしてアルチャ氏も?」

「誰かの技の再現ってことはまぁ分かったけど」


ああやっぱりか。じゃあそこから説明するか。


まず俺がやったのは、ムサシの技術の再現・・・を、自分なりにデザインし直したアーサーの技の再現だ。


「長い!?」

「あ、やっぱりあれ僕の方なんだね」

「まぁな。刀じゃないし」


何の流派かは知らないが、その技の大本は『居合・またたき

とにかく速度を重視した抜刀術だ。

主な使用相手は俺みたいな高機動で動くタイプの相手。

これだけでアーサーがあの居合を俺対策で覚えて来たのは明白だろう。


「でも君、丸覚えなんて出来なかったよね?」

「そうだな。出来ないな」

「え、その割にちゃんとしてたというか」

「太刀筋にぶれは全くなかったすね」

「私は火が急に横に斬られたのしか分からなかったんですけど、そうなんですか?」

「ワンチャン先生のそれと見間違えるっすね」


まぁやってることは変わらない。

ムサシの場合は極めすぎて何でもかんでも究極的に見えるっていう頭の悪い状態だけど。


さて。では俺が出来ないと言っている見て覚えるという技術の解説を始めよう。


でも基本的に重要なのは相手を観察することだ。

動きを見て、要点を掴み、結果を己に落とし込む。

この一連の動作の精度をものすごく高めた物がアーサーのそれだ。

技のコピーなんて言い方も出来るな。


しかし俺の場合はそこまでのものじゃない。

見て似たような動きは出来るが、それそのものを真似ることは出来ない


「それって結局同じなんじゃないの?」

「全然違うんすよ」

「蒼の場合、居合自体は出来るんです。でも瞬は出来ない」

「・・・あ、なるほど中身が無いのね」

「正解です」


流石アルチャ氏理解が早い。

本当ならば、俺は『瞬』が出来ない。

それは俺の技量がムサシに届かない事も関係している。

あまりに完成度が高すぎて参考にならないんだ。


「ああ。プロの動きを素人が見てもってやつですね。それなら分かる」

「スポーツでも何でも、そこは変わらないからな」


参考にするなら自分の腕に合わせた物にした方が良いってことだな。

だがこの『瞬』は使い手がムサシしかいない以上、俺は俺に合わせた技量のそれを見ることが出来ない。

故に真似することは不可能で、それを試みるくらいなら別の事した方が良い。


「じゃあ何でいきなり出来るように?」

「それは・・・」

「あー。僕のせいかぁ」

「お、分かったか?」

「いやそうだよねぇ。確かに見せたなぁ」


珍しくアーサーが本気で頭を抱えている。

無理もない。自分のせいで俺が強く・・・なったかは分からんけど、手札が増えたのは確実だからな。


でも理解できていない周りは困惑する。


「アーサーが何かやらかすって想像出来ないんですけど?」

「普通はやらかしでも何でも無いしな」

「うん。そうだね。でも出来るとは思わなかったなぁ」

「まぁ見せたこと無いしな。俺の真似技能って」


ぶっちゃけ真似するまでも無く、いきなり自分の動きに落とし込めたからってだけなんだけど。


「何しちゃったんすか?」

「・・・いやね?ちょっと前に蒼が僕の国に来たんだけど」

「えー!海外旅行?いいなぁ」

「いやあれっすよ。暴走したあれこれの話の時ですよ?」

「あ、じゃあ冒険者関係の話なんだ・・・でもいいなぁ」

「ほぇ。じゃあ師匠たちオフ会してたんすか・・・イケメンでした?」

「こいつほとんど顔弄ってないぞ」

「じゃあ師匠と同じっすね」


じゃあってなんだじゃあって。


海外旅行という名の特殊冒険者試験のことについて、

スポンサー企業の娘であり俺を七瀬スポーツに紹介した張本人であるマナは知っている話なので特に食いついてこない。

でもその場で何があったかを詳しくは知らない。


「それで?何があったんです?私あの・・・例のモンスター以外のこと知らないんですけど」

「その前哨戦みたいな相手にね、僕が覚えた居合を使っちゃったんだよ」

「はぁ・・・それは別にいいんじゃないすか?」

「そうっすね。普通っすよね?」

「いや。その居合・・・まだ未完成でね?」

「うーん?」


いまいちまだ納得してないご様子のマナとロメ。

でもこの未完成ってところが非常に重要なのだ。

要するに、出来の悪い・・・俺にとってはちょうどいいお手本になるのだから。


それを教えると、ようやく二人は理解してくれたようだ。


「じゃあ私が負けた原因はこいつか!」

「今回に限ってはそうなるねぇ。はっはっは」

「笑ってんじゃねぇですよ!?」


ちっこいマナが、デカいアーサーに突っかかるが止められてる。頭で手を抑えるだけで止められる悲しき身長差よ。

リアルの身長なら問題なかっただろうに。


何なら今日巨人相手に完成度が高まった物も見てるから、それもまた勉強になった。


要するに、出来の悪いお手本と、そこから成長していくとどうなるかを見れてしまったのだ。

そらまぁ。ある程度器用ならそこから真似することもできるよな?

居合の基本が脱力にある以上、そこが出来るならあとは細かい所詰めるだけだし。


「あとは地面を鞘代わりにして、そこから引き抜けば疑似的な居合の完成ってわけですね」

「・・・久しぶりに師匠が化け物に見えてるっす」

「こればっかりは賛成するわ。流石におかしいっしょ」

「いや。いうてマジでおかしいのはこいつですよ」

「え?アーサーが?」

「だって、俺が真似できないレベルの技を、こいつ覚えられたんですよ?」

「「・・・」」


取っ掛かりを掴むのは、まぁ俺も時間を掛ければ出来たかもしれない。

でもやらなかったのは、やった所で出来るとは思えなかったから。

それだけムサシの居合は完成度が高い・・・これは語弊があるな。


ムサシの剣術は全てにおいて完成度が高い。

その為武術面は素人である俺が学ぶにはあまりにも壁が高いと判断したのだ。実際間違えてないしな。


でもアーサーはそれが出来ると判断し、実際やってみせた。

未完成とは言っていたが、十分使える程に完成されており、俺が参考にできるレベルでもあった。

これが本当にもっと未熟な技だった場合、逆に真似は出来なかっただろう。

そういう意味でアーサーはやらかしたって見方も出来るな。


「まさにちょうどいい塩梅で覚えちゃったんだ・・・はぁ」

「これで勝てない先生ってマジで何者っすか」

「化け物?」

「師匠に言われるんだもんなぁ」


・・・ムサシの強みは、別に剣術の完成度の高さじゃないってのは言わない方が良いかな?


アーサーをちらっと見ると、マナを捌きながらこちらを見て首を小さく横に振る。

やっぱりこちらの話を聞いていたのか。


ま、それに気が付いた所で奴の技量をどうにかしない限り勝てないからな。

まだ言わなくても良いだろう。特にロメには。

こいつが今成長しているのはその技量が良い目標になっているからだ。

教えることで無駄に混乱させる事も無いだろう。


それに、これに気が付いているのはランカーの中でも近接戦をやる連中だけだからな。

多分この辺りは俺より仙人の爺の方が詳しいだろうし。


「ちなみに言うと、アーサーは本来刀でやるはずの居合を直剣に落とし込んでるのもあるんでよりヤバいっす」

「「うわぁ」」

「え、ここでそれ言うのかい蒼」

「後ロメはそのうちこれやれるようになると思うから頑張れ」

「どうやって!?」


感覚と・・・慣れかなぁ。

こいつのポテンシャルならやってやれない事も無いだろうし。


「相手の動きを見る!自分に置き換える!実践する!以上!!」

「出来るかぁっす!!」

「何を言うか、アーサーはお前の受け流し盗んでるんだぞ」

「えっ」

「だからお前も盗み返せ!」

「何故に!?というかいつ!?」

「・・・あ、もしかして私と組んだ時の?」

「正解。最初は無意識だったけど」

「はっ!?もしかして覚えないと一方的に搾取される・・・!?」

「大正解。ほらやる気出て来ただろ?」

「うごごごご」


まぁ全部盗めとは言わないが、簡単なのくらいは真似できるようにならないとな。

ランカーは全員出来るとは言わないが、相手の動きを見てすぐに対策するくらいはやってくるし。


「・・・マナさんもっすか?」

「お前さっき見てただろ。俺に拘束効かないと見るや否や弾幕作って、時間使いたくないから並列と重複詠唱始めたの」

「う、うわぁ・・・マジっすか・・・」

「え、何でこの流れで私までドン引きされてるんです?」

「いや、無理ないと思うよ私は」

「ちなみにこの人は、その俺達の動きを先読みして完璧に罠に掛けられる人です」

「うわぁぁぁぁぁぁ!!??」

「私も!?」


当然でしょ何言ってんのアルチャ氏。

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