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いつでも真面目ちゃん! ~VRMMOでハジケようとしたけど、結局マジメに強くなり過ぎました~  作者: 亜空間会話(以下略)
2章 救罪矛償:あなたの足が訪れる

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85 リザルトはまだまだ先!

 どうぞ。

 戦闘系、情報系、制作系、混ぜこぜ系――四大ギルドを大別すると、そういう風になる。前の「魔王チャレンジ」は、「今のうちに勧誘しとかないとほかに取られる!」みたいな変に熱心な風潮をぶち壊すために、無理やりぶち込んだ劇薬だった。


 けど今回は違うよぉ、とサフォレは笑った。


「第二弾企画として、名前は「ブレイブ・チャレンジャー」に変更。予選と本戦に分けてやるのとぉ……今回はもっと面白くしようかな」

「少し話し合って、さらに楽しいことを思いついたのです。並行して開催する「月夜の下剋上」で、アマルガム陣営の皆さんにも参加権をお与えしようと思っておりますぞ」

「下克上ね……誰か来るのかしら? 私も自信ついてきたし、出てもいい?」

「お、シェリーがやる気出してる。珍しいねー」


 ものすごい人数になりそうだと思ったけど、対多数戦は大得意だ。


「注目の猛者とか、いたりする?」

「アマルガムはあんまりいないかなぁ。ディリードは当然として、本部メンバーは全員並べるくらいの強さみたいだし……あっちは実力者いっぱいいるから、ピックアップしとくよぉ」

「ほかの配信勢もそれなりの猛者ですからなー。メンバーの名前とジョブをチェックしておきます、情報は会議で伝えますぞ」

「ありがと、ちゃんと共有しなきゃだよね」


 あの男と同じくらいの強さが四人、そして「戦闘系ギルド」という肩書き。どう考えたって、弱いわけがない。


「強いカードの確保もだし……もうちょっと魔法も使わないとかなー」

「魔法? スクロールで増やせばいいんじゃないかしら」

「えっ、そうなの? っていうかスクロールってなんだっけ」

「……西洋の巻物です」


 レーネが説明してくれた。西洋で記録用に使っていたものは「羊皮紙」というもので、いまのゲームの原型になったゲームだと「羊皮紙に魔法陣が書かれていて、魔法を使うと燃えてなくなる」みたいな設定があったらしい。そういう「使うとなくなる巻物」がスクロールと呼ばれるアイテムで、巻物を展開するみたいにずらーっと文字を読むから、デジタルモニターで文字を上下にスライドするのもスクロールと呼ぶ、らしい。


「ふむふむ。じゃあまたTTに行けばいいんだね」

「そろそろ癒着疑われるよぉ……」

「全体的に協力関係の方がいいのでは?」

「そうだよねー……」


 四大ギルドはそれぞれ別方面に尖っているだけで、別に敵同士ではない。ここはごちゃ混ぜ系だから、一部は「あそこに追い付こう」なんて言っているかもしれないけど、他のところは競う気すらないと思う。「ミルコメレオ」なんて筆頭で、あそこが「情報戦は負けられません!」なんて言っているところは、まったく想像できなかった。


「あとは……魅せ技、あといくつか欲しいなー。戦う以外でも、ふだんから武器使っていかないと」

「習得条件ならミルですな。こちらは関与しておりませんが、いくらでもやっていただいて構いませんぞ」

「うん、あちこち行ってくる」


 それぞれ課題を頭に浮かべているらしく、いまひとつ集中していない生返事だけが返ってきた。好き放題やれるその空気をありがたく受け止めながら、玄関のセーブポイントからエーベルにワープする――


『おっと! ようやく引っかかりましたか』

「グレリーさん? どうしたんですか、全域結界なんて張って」

『あなたも今日の「パレヱド」に参加する権利があるからですよ。ご招待しようかと思いましてね』

「おぉー……! ぜひ!」


 タスクはメモ帳に書いておいて、今日はひとまず「パレヱド」に参加することにした。

 ジョブごとの基礎耐性に関する記述がまったくされておらず、感想にてそこに関連する指摘がありました。言及する機会がなく、これからもほとんどないものと思われるため、設定集の「モンスタージョブについて」の項目に、わずかながら追加しておきます。

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