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いつでも真面目ちゃん! ~VRMMOでハジケようとしたけど、結局マジメに強くなり過ぎました~  作者: 亜空間会話(以下略)
4章 ドリームパーク:すべて未来を捧ぐなら

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161【隠された街!?】EDP開放【覚醒】(4)

 どうぞ。

 剣の光と真っ黒い横薙ぎが交錯して、リザードマンはガラスのような音を立てて砕け散った。


「ひゅー、さすがサーだよ!」

「なんか……なに? 異次元すぎない?」


 シェリーが戦慄するだけはあって、『じゃ、楽しみにしてるよ』と去っていったサーはものすごく強かった。


「ハットですか……」

「けっこういいですよー、いろいろ投げ捨てればですけど」


『捨てすぎ問題』『正気ではいられない!』『多々買いよりひでぇや』『統計取ってないけどこの人儲け六割がた捨ててると思う』『わりと愚者してるよねこの人』『引かれてるの気付こう?』『システム面からしてハットはアカン』


 マジシャンが帽子から何か出すからくりは、という発想でデザインされたらしいハットの技は、いろいろ出したり空間をつなげたり、といったものばかりだ。けれど現実とは違って、「多大なコストをかけて現実をねじ曲げている」ことになっている。


「聞く限り、参考にはできませんね。あなたが【愚者】ソロをできるからこその技です」

「ん、たしかに。ところで、なんか始まってるよ」


 倒されたモンスターたちが分解して出てきた光の粒が、ひとところに寄り集まっていく。四角く集まった光の粒は、立体パズルのように固まったかと思うと、パキンと四つに割れた。


『おめでとう! ああ、素晴らしい戦いだった! では、次はこのパズルを完成させてもらおう。この四つは、それぞれ命・魂・力・技に分かれている』


 緑色が命、黄色いのが魂、赤いのが力、青いのが技というふうになっているようだった。それぞれ、分かりやすいアイコンがついている。


『そして! きみたちは四つに舞台を分けて、このピースを集めなければならない。秀でているものが行うか、劣るものが行うかで、ピースが集まったときの結果が変わってくる! よく気を付けて集めに行くこと』

「ふーむ。皆さんのステータスはだいたい把握しておりますが、どうしましょうか」

「上がるのか下がるのかで違うよねぇ。敵がどうなるかで、メンバーの組み方が変わってきちゃうんだけど……ジェロゥさん」

「残念ながら、ここから先が成功したことはない。敵の強さは大して変わらないが、数も増えてくる。本気を出した方がいいだろう」


 部屋の形がガキン、ガキンと組み換わり、四角い部屋から四つの道が伸びるすごく分かりやすいダンジョンになった。そして、見慣れたセーブポイントが現れる。


「えーと。技は技術か特技の数だとして、レーネとアヤコさんに。力はステータスのことだろうから私がアンナに切り替えるのとシェリーで、命はHPだからディリードさんと、フィエルはプロミナに切り替えて。あと……とっことホウイさん? どうしよ、MP高かったっけ」

「それなりには確保しています。言うほどではありませんが」

「余ってしまいましたなー。間近で見せていただきましょう、よろしくお願いしますぞ!」

「じゃあ、切り替えてくるねー」


 セーブポイントからキャラクター選択画面に戻って、紫の人魚に変わった。


「行きましょう、ディリードさん」

「あっああ、行こう」


 アンナから分けてもらったカメラを、自動操縦モードに切り替える。それなりにハイライトっぽいシーンを数値解析で読み取って映してくれる、かなり優秀なモードらしい。


『ちょい照れてる?』『えっちだからでは……』『このタッグで負けたらガチ』『さすがに勝つやろ』『これHP軸やったんか』『逆に負けそうな組み合わせいないだろ』


 受けても死なない、と豪語するディリードに続いて、ついついと尻尾を動かしながら進む。緑色の回路みたいな模様が光る壁や床は、普通のダンジョンよりもずっと、大きな力で動いているのが分かった。


「何が出てくるんでしょうねー。私たちに勝てそうな敵ってなんでしょう」

「今のところ最上位なのは、外なるダンジョンの敵だろうな。偽神に汚染された化け物と戦える」


 ブーツの音が、天井はどこまでもあるのに幅が狭い回廊にへんに響く。ドーム状の部屋には何があるのか、近付くたびに大きめの息遣いのようなものが聞こえている。


「先に入る。敵のちゅ」

「わぁ!?」


『ファッ!?』『なにこれ』『やっば』『強すぎやろ』『このビームなんなん』『やばい』『これで無理なら無理では??』『カメラさん死にそうやん』『目潰れるかと思ったわ』


 のぞき込んだ瞬間に、ディリードの頭が消し飛ぶ。すっと体を引っ込めたから死亡状態ではないらしい、とポーションをぶっかけて回復させると、「これは強いな」と平然と言った。


「光属性だな。できるだけ回復してもらえると助かる」

「わかりました。どんな敵ですか?」

「見る前に頭がなくなった。が、相当デカいな」

「ちょっと怖いなー。いろいろ出しときます」


 呪符で作ったあれこれをいつでも出せるようにしながら、光をねじ曲げる壁みたいなものを作ったディリードに続いて、私も部屋に入った。

 化け物コンビ(直球)。モンスター割合が50%を超えている……両方とも枠が六つずつあるので、6:6ハーフに落ち着くのが完成形のはずですが、どうなるものやら。

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