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ある日、悪役令嬢の一人だと言われました  作者: キムラましゅろう


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23/30

ある日、ヒロインだとナントナクわかった

前世の記憶を思い出して、自分が転生者だと知ったきっかけはパパとママがお金で悪いコトをしてワタシも取り調べ?ってヤツを受けた時だった。


なんかよくわかんないけど?記憶を探る魔法?ってヤツで頭の中をのぞかれちゃって、その時にこれまたなんかよくわかんないけど前世の記憶が出てきたのよね~。


魔法でワタシの頭ん中をのぞいたオジさんにはワタシの前世の記憶までは見えなかったみたいだけど?


でもそのかわり、ワタシの魔力がなんか特殊?っていうのがわかっちゃったみたいで。


それからたくさん変なローブを着たオジさんやお兄さんたちがやって来て、ワタシのコトで色々話をしはじめたの。


そして「これは陛下にご報告せねば……」

とか言って、ワタシを王宮に連れて行った。


え?王宮?本当に?

前世のワタシならガチで!?ってぶっ飛んでいたところね。


と、そこでワタシはさらなる衝撃の事実に気づいた。


「今まで当たり前に住んでいたこの世界って……前世()のワタシから見たら異世界ってヤツよね……?」


………ちょっと待って?


ワタシの名前はリュミナ。

リュミナ・ドウィッチ。

お家は貧乏だけど男爵家。


え………?

これって、前世で本好きの妹が読んでた

『リュミナ・ドウィッチ男爵令嬢と素敵な夫たち』(うろ覚え)

とかいうTL小説の世界なんじゃないの?


だって疑いようがないじゃない?

ワタシの名前はリュミナ・ドウィッチで、男爵令嬢で、急になんか魔力がどうのこうので王宮に連れて来られて、それからえっと…えっと………?


それから?なんだっけ?


じつはワタシ、その本読んだコトないのよね。

ていうか読書なんて地味なコトしな~い。

このお話は妹が好きで聞いてもいないのにあらすじを紹介してくるからなんか覚えていただけで……。


あぁ~こんなコトになるとわかってたらちゃんと読んでたのに!


えっと……?妹はなんて言ってたっけ……?


そう、たしかヒロイン(これワタシね♪ドヤァ)はなんか不思議な力を持ってて(なんの力かは知らない)王様に紹介されてから王子様と一緒に学校に通うようになるのよね、たしか。


それで明るくて元気で可愛いヒロイン(ムフ♡ワタシ)に王子様もそのお友だちとかもみんな、ホレちゃうわけ。

そしてそれが気に入らない悪役令嬢とかいうポジのメスキャラたちに虐められてぇ。

でもヒロイン(ワタシ)が大好きな王子様たちが守ってくれるのよね、たしか。

悪役令嬢たちは国外追放や修道院に入れられてざまぁwって妹が言ってたなー。


それから………なんだっけ?

アレ?ラストはどうなるって妹は言ってたっけ?

あーん!ちゃんと聞いとけばよかった~~。


でもでも!タイトルから考えたら、ワタシってばたくさんの旦那さんと結婚する感じ?

だってなんたって“素敵な夫()()”だもんね!


キャーー!

素敵ってコトはイケメンってコトでしょーー?

これはやっぱりワタシが紹介された王子様や生徒会執行部?のメンバーたちのコトよね♡

彼らがワタシの未来の旦那様なの?嬉しい!


ん?でも一人でたくさんの男性と結婚なんて出来たっけ?

あ、異世界だからなんでもOKなのね!

まあなんでもいいわ、彼らと結婚できるなら。


だってみんな、偉い貴族の息子でお金持ちでとにかくイケメンなんだもん!


とくにルドヴィック殿下とエクトル様は超ワタシの好みの顔!


ワタシってばなんてラッキーな転生者。

だってヒロインよ?ヒロイン!

悪役令嬢じゃなくてヒロイン!!


こんな物語みたいなコトがホントに起きるなんて。


あ、もともと物語の世界だったっけ?

うーん?でもここは現実の世界よね?一体どうなってるのかしら?

……まぁ考えてもわからないコトは考えても仕方ないわね。


せっかくヒロインなんだし、イケメンたちに囲まれてるんだし、美少女に生まれたんだし、毎日美味しいもの食べられるし、これは楽しまなきゃソンよ。

学校以外では行動が制限されてる気もするけど。


ワタシはなんにもしなくても物語なんだから勝手にハピエンに向かっていくんだから楽よね。


イケメンたちと楽しくすごして、悪役令嬢たちにほどほどに虐められて悲しい顔しときゃいいのよ。

そしたら後は勝手になんとかなるんでしょ?

楽勝楽勝♪



と、思っていたのに………



なんで?なんかあらすじと違うコトない?


違わくはない気もするけど、やっぱり違う。


悪役令嬢たちが全然虐めに来ないの。

近づいても来ないの。


べつにホントは虐められるのはイヤだから虐めて来ないのはいいんだけどさ?

なんかラストが変わってきそうでイヤじゃない?


現にエクトル様なんて自分の婚約者のコトばっかり気にしてるし。


せっかくみんなでバザールデートしてたのに悪役令嬢たちに会ったとたんに帰るとか言うし!

も~ホントなんなの?ぷん!


イヴァン様はワタシにゾッコンでキスとかしてくれるから(キャッ♡いきなりベロチューとかしてくるのよ。さすがはTL小説だわ♡)彼を見てるとちゃんと物語通りに進んでるんだろうな~とはわかるんだけど。


でもまぁやっぱり?ヒロインとしてはちゃんと筋書き通りにしてもらわないと困るのよね。


と、いうことで!

自作自演ってヤツで虐めとか嫌がらせを受けてる演出をしてみました!


方法はね、事前にノートがないと言っておいてフラグを立てとくの。

そして悪役令嬢たちが移動教室で使う廊下に、彼女たちが通る寸前にノートを置いとくの。


そしたら案の定、悪役令嬢たちはワタシのノートを拾うのよ。

そこで証人としてその時間空いてたコラール様を連れて現行犯逮捕するってわけ。


ワタシってば頭良くない?

前世では、体は子供だけど頭はお爺さんという推理アニメを見ていたからね。

そういうのが頭にヒラメクわけなのよ。


ふふふ。

完璧に悪役令嬢たちを犯人に仕立てあげるまではいかなかったけれどまぁ上手くいったわ。


だってそれからしばらくして悪役令嬢たちが学校に来なくなったんだもん!


退学届けを出して国外に行くんだって。

プ!ハイ乙~~!


と思ったらやっぱりここでもなんか変な展開。


イヴァン様以外のみんな、なぜか居なくなった悪役令嬢たちを探してるのよ。


なんで?せっかく自分から消えてくれたのに。

断罪イベントはまぁ楽しそうだけどなんか大掛かりになりそうだから面倒くさいと思っていたの。

それを自分たちから居なくなってくれてラッキーなのに!


もーいいじゃないほっとけば。

どうせみんなはワタシの旦那様になるんだから。


でもなんか、エクトル様は外国に行ったって言うしイヴァン様は突然療養しちゃうし。


それにワタシの能力が分かったとか言って王宮の敷地内で、女ばっかりに囲まれて住むコトになったし。

それ以降王子様たちと会えなくなっちゃったのよね。


なんか寂しいしつまんないしイケメンいないし。

ちょっと文句を言ってやろうと思って無理やり理由つけてルドヴィック殿下に会いに行ったら、ワタシの側にいる役目は終わったとか言うしわけわかんない。

なにそれ?お役目?なんのコト?


まぁでもこれからはワタシは王太子殿下にお世話されるらしいからいいんたけどね♡

ルドヴィック殿下のお兄サマも素敵な人なのよね~。

とにかく顔がいいのよ、異世界の人間は。


だからほぅら、やっぱりワタシはヒロイン。


この世界はワタシのためにある世界。


結局はワタシのために上手く転がっていく世界なの。



………でもどうして王太子妃が妊娠してそれをお祝いするパーティーにワタシは呼ばれないのかしら?


この世界のヒロインのワタシがパーティーの主役の存在を食っちゃうから?

それを妬んだ王太子妃って人がワタシの出席を認めなかったんじゃない?


まぁ~なんて心が狭いんでしょ。


それに聞けば悪役令嬢たちが戻ってきてパーティーに参加するそうじゃない。


それってもしかして断罪イベントなんじゃないの?

(アレ?断罪イベントって卒業式じゃなかったっけ?)


これは大変!

ヒロインとして絶対に何がなんでも出席しなくちゃ!


ルドヴィック殿下も王太子殿下もパーティーに呼んでくれないなら、もっと偉い人に頼むもんね。


この国で一番偉い人。


ワタシのコトを貴重な人材とかいってVIP扱いしてくれる人!


そう、王サマ。


王サマにオネダリしてパーティーに参加しちゃおうっと。


待ってなさい悪役令嬢ども。


パーティーでアンタたちを地獄のズンドコに落として、殿下やエクトル様たちと幸せな結婚をするんだ♡


さぁて。それじゃや今から王宮に行って王サマにオネダリしようっと!


ついでにドレスも買ってもらっちゃおうっと!

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