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首刈兎は今日も行く!~三姉妹とのペットライフ~  作者: 真田 蒼生
最終章「首刈兎は主人とともに……」
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エピローグ

これは同時投稿の二話目です。

第11話をまだ読んでいない方は、そちらを先にお読みください。

――比嘉咲 美鈴――


「あ、ラビ……じゃなかった。遊兎君!」

「ん、あぁ美鈴さん」


始業式が終わり、各々の教室へ帰る途中、遊兎の姿を見つけ、駆け寄っていく。


「えっと……久しぶり……かな?」

「まぁ、リアルだとそうなるね」


そのまま二人で教室へと歩いていく。

少し遅れたのか、周囲にはほかの生徒はいない。


「……しかしまぁ」

「え?」


ふと、遊兎君が話し出した。


「よく三人だけでギルド結成クエストがクリアできたな」

「え? あぁ……」


感心したように言ってくる遊兎君に、クスリと笑いながら答える。


「違うの」

「違うって?」

「あのクエスト、ほかの人に手伝ってもらったんだ」

「他の人?」

「えっとね?」


話しながら、あの時のことを思い出した。


「皆……私、ギルド作りたい!」


そう伝えたとき、ルシは何も言わずに、すぐ行動を起こしてくれた。


「あなたたちだけじゃギルド結成クエストはクリアできないわ。ちょっと応援をよんでくる」


そうしてルシが応援を頼みに行ったのは、なんととあるギルドで、その名前が、女神の威光っていうたいそうな名前で――


「――ごめんもういい、だいたい察した」

「え、そう?」


ならいいか。

たしかルシが言った一言でみんな即答で力にになったんだったな。

たしか、女神の助けになれるわよ……だったかな。

まぁ、それはいいか。


「えっと、それじゃ私からも質問……いいかな?」

「ん?」

「なんでラビ君は……ギルドに入ってくれたの?」

「あー……」


少し上を向いて考え込むラビ君。


「……俺さー」

「うん」

「成り行きで始まったパーティだけど、楽しかったんだ」

「うん」

「いつの間にか、一緒にいるのが当たり前になってた」

「うん」

「こっちが切ろうって言ったつながりだけど、よく考えたら俺が切りたくなかったんだ」

「そっか……」


私も、たぶん妹たちも同じ気持ちだと思う。


「あぁ、あとはあれだ」

「ん?」


まだあるのかな?


「美鈴さんと一緒にいたかったから」

「え?」

「好きだったんだ」

「……うぇ!?」


好き!?

スキ!? 

SUKI!?

え、え!? 

どどどどういうことで!?

それじゃまた、と、そのまま遊兎君は先にいってしまった。


「……えぇ?」


―――ラビ―――


「うさぎさーん!!」

「ぐほぁっ!」


いつものように時計塔の下で待っていれば、これまたいつものようにきれいなボディアタックを食らった。


「よ、よぉヒナ……元気そうだな」

「こんにちわ、お兄さん」

「あぁサイカ、こんにちわ」


そしてこれもいつものようにサイカがやってきた。

そして……

……あれ?


「ベルさんは?」

「……それが」


サイカはそういって、後ろの方を指さした。

見てみれば、そこにはルシと、彼女に隠れるようにしてベルが立っていた。


「……なんかあったの?」

「むしろ、何をしたのか聞きたいです」

「んー……ベルさんとのことと言ったらあれか? 今日学校でな?」


そういって、朝のベルとの会話内容を伝えた。


「えっと、それで」


サイカは、恐る恐る尋ねてきた。


「好きというのは?」

「え? あぁ……」


それは……


「ベルさんたちと遊ぶのが楽しくて好きだったってことだけど?」

「……そんなことだろうと思いました」


あれ? なんかサイカ呆れてる?


「とりあえず、その旨を姉さんに伝えにいきましょう」

「お、おう?」

「いこーうさぎさん!」


二人に手を引かれ、ベルのもとへ向かう。

サイカに説明され、安心しながら落胆するという器用さを見せる彼女。

そうして、落ち着いたのか、彼女は俺に尋ねてきた。


「ラビ君、今日はどこに行く?」


アオイです。

ついに、ついに首刈兎、これにて完結です。これまで読んでくださった方々、本当にありがとうございました。

長かった……本当に長かった。思い返せば大学生になって半ば勢いで始めた連載。まさかここまでたくさんの人に読まれるなんて思ってもいませんでした。

いやぁ……本当に……何度胃にダイレクトアタックされたことか……。

飽き性の作者が最後まで書けたのは、読者様の見ているぞというプレッシャーげふんげふん……読者様たちの応援のおかげだと思っています。

本当にありがとうございました!

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