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首刈兎は今日も行く!~三姉妹とのペットライフ~  作者: 真田 蒼生
最終章「首刈兎は主人とともに……」
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第9話

「久しぶりだな、ウサギの兄ちゃん」


軽い口調でそう言いながら近づいてくるのは、俺と同じくらいの年齢の男だった。

まぁアバターだから実際の年齢はわからんが。


「お前……」


そして、俺にその男の見覚えは……


「だれだ?」


なかった。

だれだおまえ。


「ははは、そりゃそうか。一回会ったきりだもんな」


俺に覚えがないことを気にした様子もなく、男はけらけらと笑う。

そうだなぁ、と男は考え込み、


「首ちょんぱされたげへへ」


そうつぶやいた。

その言葉(単語?)で俺は思い出した。

忘れもしない……ことはなかったが、かろうじて覚えていた。


「あんときのPKのやつか」

「ザッツライト。キラって呼んでくれ」


あー思い出せた思い出せた。

キャンプイベントのときサイカと一緒にいたとき絡んできた二人組のPKだ。

思い出せてよかったよかった。


「じゃ、さいなら」

「まてまてまて」


そのまま去ろうとしたら引き留められた。

んだよ、こっちは暇じゃないんだよ。


「ちょっと話さないか?」

「話さない」

「レア物の武器がほしいんじゃないのか? ちゃんと大鎌だ」

「詳しく聞こうじゃないか」


かなしいかな、どんなに急いでいてもレアなアイテムが手に入るといわれると止まってしまうのがゲーマーの(さが)よ。

キラはそんな俺の反応に満足そうに頷き、話を始める。


「俺さ、PKのギルドを作ろうと思ってんだよ」

「いきなり物騒な話になったな」


まぁきけよとキラは続ける。


「PKといってもちゃんとルールは決める」


教えられたルールは簡単に言うと次の二つだった。

PKしてもいいというプレイヤーに対してだけPKを行う。

PKプレイヤー自体をPKする。


「こんな感じだ。結構良心的なPKだろ?」


良心的なPKとはいったい……。

ここからが本題だと、キラが話し出す。

まぁ何を言われるのかはわかってるが……。


「ということで俺らのギルドに入らないか? 俺がマスター、お前がサブマスで」

「何がということなのかはわからんがとりあえず断る」

「えー、こんな好条件なかなかないぜ? いまならこんなものも手に入るぞ?」


そういってキラはウィンドウを操作し、とあるアイテムを取り出した。

それに俺はすかさず《鑑定》スキルを使用する。


【デスサイス】種別:大鎌 | 攻撃力 120 |  耐久 100

概要:死神が使用している鎌をモチーフに作られた武器。命を刈り取る形をしてるだろう?(制作者談)


「どうだ? なかなか強力なもんだろう? わざわざうちのギルドの鍛冶にスキルとらせて作ったんだぜ?」

「…………」


それを見せびらかしてくるキラに対し、俺は黙ってしまう。

正直超欲しい。

でもPKはなぁ……あぁでもちゃんとルールがあって悪いことするわけじゃ……うーん。

悩む、超悩む。


「じゃあこうしようぜ」


悩んでいたらキラがこういってきた。


決闘(デュエル)しよう。俺が勝ったらお前がギルドに入ってこの鎌を手に入れる。お前が勝ったらこれを手に入れて、ギルドに入るかは選べる」


ほう?

決闘か……どっち道武器が手に入るならやってもいいかな。

負けてもギルドに入るだけだし……もともと入りたいギルドはなかったし。

よし、それじゃやるか……。


「わかーー」

「ーーラビ君?」


了承の旨を伝えようとしたとき、声をかけられた。

振り返れば、そこには先ほどまで会いに行こうとおもっていたベルたちがいた。




アオイです。

クリスマスイベント告知されましたね。

邪ンヌが来ることは予想していました。していました……が!

ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタク……サンタ・リリィってなんだ! 属性過多にもほどがあんぞ!

何故普通に邪ンヌさんにしなかった!

あ? なに? リリィの画像? 

………………。

かわいいから許す!

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