第13話
『――決着! 第二試合の勝者は、ミナ・ヤマトペアです』
「いよいよ次は姉さんの出番ですね」
「フィー勝てるかなー?」
「んー、相手次第じゃないかね?」
第二試合が終わり、次はいよいよベルの試合となった。第二試合に出ていたプレイヤーが退場してすぐ、第三試合のアナウンスが流れる。……うっし、
「オープン」
「? お兄さん?」
席から立ち上がり、武装展開ワードを唱える。なんだろう……久しぶりに言った気がするコレ。毎日言ってるはずなんだけどなぁ? ……まぁ気にするまい。
「? うさぎさんどうしたの?」
「んー、ちょっとな」
ヒナとサイカと話している最中にも、アナウンスは続いている。
『つづいて東側、出場選手の登場です』
「あ、お姉ちゃん出てきた!」
そのアナウンスと同時に、入場口からベルがフィーを抱いて歩いてくる。そのまま中央まで歩き、やる気満々といった様子で対戦相手を見ている。フィーもやる気満々の様子だ。まぁお前は別にどうでもいいけど。関係ないし。
『可憐な少女が登場だ。実力はいかに? ベル選手。そしてパートナー……』
「んじゃ、行ってくるわーー《ハイジャンプ》」
「え?」
サイカにそう言って、スキルを使用して跳躍し、ベルの正面に着地する。それと同時に、溜められていたアナウンスの続きが流れる。
『獣人のPlayRabbitです! ……え? 獣人?』
「……え?」
俺の登場に、司会役もベルも困惑している様子。周りのギャラリーたちもざわざわしだした。
『ええっと、これはどういうことなんでしょうかチーフ』
『ん? どういうことって?』
司会役が隣にいた解説役。おそらく運営のリーダーなのだろう男に尋ねている。
『いえ、あれってプレイヤーですよね? しかもあれ、プレイヤーの部で優勝した選手ですよね?』
『うんまぁ、そうだね。でも違反ではないよ?』
『それはどういう?』
『彼、ちゃんとペットだし』
『え?』
『彼の首元、みてみなよ』
そう言われ、闘技場のカメラが俺の顔をアップして写す。いえーいピースピース。ついでに首輪をみせてやる。
『ペットの証の首輪がついてるでしょ?』
『……あれ、アクセサリーじゃなかったんですか。え、でも彼はプレイヤーですよね? なんでペットの状態になんか……』
『プレイヤーでも獣人なら契約できるからね』
『なるほど……はぁ!?』
司会役が叫ぶ。うわっ……ハウリングうっせ。
『ちょっとチーフ!? そんな設定聞いたことありませんよ!?』
『言ってないし。俺の独断だし』
『はぁ!?』
ちょっと司会役さん。ハウリングうるさいって。しかしそうか……この仕様は運営の代表の独断だったのか。道理で全然公式サイトに情報が出ないなって思ったわ。しかしなんで独断で……。
『なんでそんなことをするんですか!』
『それはもちろん……』
おれもきになる。なんで?
『ペット扱いされるっていいと思うからだ! 従えてもらえる感覚、使役される感覚、もうたまらんだろう!』
『……』
…………。
『君もだろうPlayRabbit君。いや、我が同志よ』
……とりあえず一言。
「運営お前も(変態)か」
そして勝手に同志にするな。
アオイです。
PVが200万を超えましたね。……えぇ、私は大丈夫ですよ? ちょっと吐き気と、頭痛と、胃痛と、ふらつきetcがあるくらいです。大丈夫です、ええ、大丈夫です……。
本当にありがとうございます。これからもどうかよろしくお願いしたします。




