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首刈兎は今日も行く!~三姉妹とのペットライフ~  作者: 真田 蒼生
第4章「首刈兎はサンタを目指す」
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第12話

「ラビ君、優勝おめでとう!」

「おめでとうございます」

「うさぎさんおめでとー」

「三人ともありがとう」


表彰等は後からやるらしく、とりあえず闘技場から出た後、3姉妹に迎えられる。祝いの言葉をくれる3人のうち、ヒナとサイカを見て、勝てて本当によかったと思う。もし負けてたらと思うと……。いや、俺は勝ったんだ、もう忘れよう。変態(あのふたり)のことは。


「? おにいさんどうかしたんですか?」

「うさぎさんどーしたのー」

「いや、なんでもない。それじゃベルさんの大会もあるし、移動しようか」

「あ、うんわかったよ」


よし、そうと決まればさっそく移動しよう。善は急げだ。背後の方でこちらを見てる勇者と魔王(変態二人)に絡まれる前に移動しよう。そうしよう。


ところ変わってテイマー部門のスタジアム、そこにはすでに、数名のプレイヤーたちが各々のペットとともに待機していた。ちなみに変態共は撒いてきました。3人に疑問を持たせないように撒くのは大変でした。二人がヘタレでよかった。無駄にアタックしてきたらどうしようかと……。そして、一息ついている俺たち四人に近づいてくる人物が一人。


「……ようやく来ましたね。ベルさん、先輩」

「……だれだっけ?」

「なんでですか!」


いやほんとすまんだれだっけ? いたっけこんなキャラ?


「貴方のかわいい後輩のナギサですよ! 忘れたんですか?」

「忘れてました」


あーナギサかぁ。いたなぁそういえば。思えばこいつがきっかけでこの大会に出ることになったんだったな。


「まったく……さてベルさん。準備は万端ですか?」

「う、うん。大丈夫だよ! フィーと一緒にがんばるもん」

「ほーほーそうですかー。あの約束、覚えてますよね?」

「う、うん。負けた方がラビ君を譲るってやつだよね」

「ですです」


前の時も思ったけど、その条件に俺に発言権はないのでしょうか? いや、譲るってだけだから……自由を束縛はされ……ないのか?


「それでは、私はこれで。いくよ、リュー」

『わう』


話は終わったとばかりに、お供のペットのウルフを連れてその場を去っていく。それをフィーを抱きながら眺めているベル。


「ラビくん……わたし、負けないから」

「お、おう」


どういったものだろうか。そろそろ伝えておいた方がいいよなぁあれ……。いつ伝えるの? 今でーー


『ーーまもなくテイマー部門の大会を開催します。参加者の方々はお集まりください』

「ーーあ、もうそんな時間? いかないと……それじゃ行ってくるねラビ君!」

「あ、お、おういってら」


行っちまった……まぁ、別に伝えなくてもいいか。俺が知ってればいいだけだし。トーナメント表でもみるかぁ。


「姉さんはどこでしょうね?」

「んーっとだな……お、あったあった。第3試合だって」

「さっきのおねーちゃんは?」

「んー? あぁ、えっと……おートップバッター」


第一試合に名前があったナギサを探してみれば、やる気満々といった様子であった。


「がんばるよ、リュー!」

『わう!』


順調にいけば二人の次の試合であたるなぁ。さて、どれくらいの実力になったことやら。


『ーー試合終了。勝ったのはシオリ・ミューペア。ナギサ・リューペアは敗退となります』

「なんでですかー!」

「……」

「おねーちゃんまけちゃったね」


あえて言おう。


「噛ませ乙」

アオイです。

みなさんこの夏どうお過ごしでしょうか。

私は健康的に運動しましたとも。見つからないゲームのディスクを探して家のなかをうろうろと。ものをどけてはうろうろと……見つからない。見つからないよぉ。

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