第6話
「ーーと、いうわけでー今日はベルさんの新しいペットを探すことにしまーす。はいはくしゅー」
「わー」
「よ、よろしくね?」
「よろしくお願いしますね先輩!」
俺の言葉に素直に従って拍手をしてくれるヒナとサイカ、申し訳なさそうにするベル、そしてなぜかここにいるナギサ。……なぜかここにいるナギサ。
「なぜここにいる」
大事なことなので言葉にして計三回言いました。
それに対しナギサは大して気にしたような気配もせず、
「いいじゃないですか先輩。減るもんじゃあるまいしー」
といってくる。いつまでその態度が持つか見物だなおい。
「とりあえずお前がいると効率が減るな」
「え……」
「まずペットが必要な奴が二人になって探す手間が増えるだろ? しかもその非戦闘の奴を見つけるのも時間かかるだろ? さらにさらにそのモンスターが必ず懐いてくれるとは限らんだろ?」
ここまでいって、改めて召喚士系の職は不遇だなと認識する。うん、救済してやれよ運営。あ、その際は鎌使いもどうぞよろしく。逆に即死廃止とかやめろよ? 詰むぞ? っと、話がそれた。続き続き。
「んで、人数が増えて引率役の俺の負担が増えるだろ?」
「そ、そこは今更一人増えたとしてもーー」
「ーーヒナやサイカをお前と一緒とみなしてんじゃねぇぞこら。しっかりと戦ってくれるんですが?」
「ーーそ、その場合ベルさんについてはーー」
「ーーベルさんは飯が上手いからそれだけで十分」
「ーー餌付けされてるじゃないですか!」
「ーー恥ずかしながらペットだからな。それが普通だ」
うまい具合に利用されてる感があるだろうが本人は無自覚だろうし利用されてる本人が文句ないんだからいいんです。(食べ物に)惚れた弱みってやつか?
俺の言葉にナギサは押し黙ってしまう。論破出来たかな?
「……わかりました」
「おうわかったか。それじゃ俺らはもう行くからーー」
「ーー後ろからついていきます!」
「ーーわかってねぇじゃねぇか」
こいつ、また粘着プレイをする気かっ! そういうと、ナギサは俺にくっついてきた。おいこらはなれろ。
「お願いしますぅ! 一人じゃ仲間ができる気がしないんです! トビだって人に手伝ってもらってようやくテイムできたんですぅ!」
「ならその手伝ってもらった人にもっかい頼んでどうぞ」
「その場の勢いで手伝ってもらっただけなので連絡先等一切知りません!」
「おい俺の時のあの粘着質はどこに行った」
そのまましばらく連れてけ嫌だの論争続けていると、ベルが話しかけてきた。
「ラビ君、このままじゃらちが明かないし、いいんじゃないかな? ついてきても」
「でも一番被害を被るのはベルさんだぞ?」
「うん、でも、私構わないから」
「ほっほう、敵に塩を送りますか」
「うん、ダメかな?」
「……」
皮肉気に行ったナギサに対し、ベルはどうということはないといった様子で答え、ナギサはそれで押し黙ってしまう。
「んー、ベルさんが構わないならいいか。それじゃ行こう」
「ありがとねラビ君」
「いや別に、礼を言われることじゃないし……」
そう言葉を交わしながら、俺たちは森へと入っていった。
「……何この負けた気分……いや、気のせいです。気のせいですよ」
気のせいじゃないと思うぞ。
アオイです。
誠に申し訳ありませんが、今回から、この分量を普通とさせていただきます。執筆時間がないのと、あと、モチベーションがですね……え? その割には短編書いてるじゃないかって? あ、あはははは。
ちがうんですよ首刈兎の展開を考えているときに煮詰まっていつの間にか書いてしまっているんですよ。ゆるしてくださいなんでもはしませんから。




