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首刈兎は今日も行く!~三姉妹とのペットライフ~  作者: 真田 蒼生
第4章「首刈兎はサンタを目指す」
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第3話

「ーーよいしょっとぉ!」

『ギィ!』


先ほどまで戦闘をしていたゴブリンの群れの最後の一匹を切り飛ばす。NKT(長く苦しい戦いだった)。ゴブリンって一匹いたら20匹入るからなぁ。レベルが低いからと言って油断はできない相手だ。


「お疲れ様です先輩」

『キュッ!』

「おーサンキューなトビ」

『キュキュッ』


戦闘が終わった俺のもとに来て、回復魔法をかけてくれるトビに礼を言って頭をなでてやる。気持ちよさそうにするトビをみて、俺も和む。


「……あのー先輩? 私はーー」

「ーーさっきから傍観してるだけのニートは黙ってろ」

「ーーひどい!」


全然ひどくない。何のために戦ってると思ってるんだ。ナギサ(ニート)はしばらくうつむいた後、顔を上げる。


「私だって戦おうとしてますよ! でも……」

「でも?」


キッと俺のほうを見て、ナギサ(引きニート)はいう。


「トビを戦わせるなんてそんなことできるわけないじゃないですか!」

「おうその腰に下げてる鞭は飾りか」


トビを戦わせるわけにはいかないという意見には全面的に賛成するが言えることは一つだ。


「働かざる者経験値得るべからず。ほらそこにメタスラがいるぞ。行って来い」

「えーいやですよー。何のために鞭使いだったところに召喚系のスキルとって召喚士になったと思ってるんですか」

「しらんよ。だったらほかのモンスター呼び出して戦わせれば……って、ん?」


メタスラ(・・・・)

……ちらっ。


『ピキー』

「……」


先ほど刺した方向を見てみれば、そこにはみんな大好きメタスラ(経験値)さんが存在していた。俺とメタスラは、目が合い、固まる。目と目が合うー瞬間ーー


「ーー先輩……あれってーー」

「ーーっ!」


ナギサの言葉を合図に、俺たちは動き出した。目と目が合った瞬間。狩らなければいけないという義務感が俺を襲う! 俺は駆け出し、メタスラは逃げ出し、ナギサを放置した経験値(いのち)がけの鬼ごっこが始まる。あれなんかデジャヴ……でもそんなの関係ねぇ!


「まてごらぁあああああああああああああああああああああ!」

『ピキーーーーーーー!』


……その後。


「まったく……私を置いていくとか何を考えているんですか」

「そこはまたやってしまったと思っているが経験値ゲットしたし、相手がお前だったから罪悪感無し」

「なんでですか!」

「ファーストコンタクトがあれだったし」


めでたくメタスラを討伐し、経験値でうはうはだった俺は、一足先に街に戻っていたナギサと合流し、説教的なことをされていた。だが聞き流す。これで相手がベルさんたちだったら土下座物だがナギサなら何ら問題ない。


「まぁべつにいいだろ。メタスラ倒せておかげでお前にも経験値入ったんだし……」

「そうですけど……なんか納得が……」


ナギサのレベルはまだまだ序盤だから、3LVくらいは上がったんじゃね? それなら儲け儲け。


「まぁ、いいです。先輩にはこれからもちょくちょくレベリング手伝ってもらう予定ですし……」

「断固断らせてもらう」


今日レベリングを手伝ったのも、ベルと合流するまで暇だったのと、トビと戯れたかったからだ。ベルさんたちと合流したらまた3人と一緒に行動だからな。そんな暇はないだろう。一緒に野郎とか言い出されても、サイカが人見知りだしな。……んん?


「なぁナギサ」

「はい?」

「今何時?」

「えっとですね……現実時間で7時、こっちの時間で言うとーー」

「ーーあ、それ以上はいいです」


ですよねーやっぱりそんな時間だよねぇ……。やっべぇベルたちとの集合時間過ぎとる……っ! メタスラ狩るのに夢中になり過ぎたっ!


「じゃあナギサ。俺今日は用があるからこの辺で」

「そうですか? 残念ですがわかりました。ではまた」


そう伝え、急いで3姉妹との集合場所へ向かおうとしたとき、


「ラビ君?」


不思議と響く低い声に、なぜかすごい寒気がした。ギギギと異音がなりそうなぎこちない動きで声の聞こえた方に顔を向ければ、そこには案の定ベル・サイカ・ヒナの3姉妹がいた。心なしか、ベルの背後には般若が見え、サイカとヒナは触らぬ神に祟りなしとばかりに、ベルから距離を取っていた。お、落ち着け俺……おそらくベルは俺が待ちぼうけをくらわしたということで怒っているはずだ……まずはそこの弁明をしなければ……っ!


「や、やぁ、ベルさん。それにサイカとヒナも。すまんちょっと野暮用で集合時間に遅れちゃって……今から向かうところだったんだが」

「あ、そうなの? 私たちももうちょっと待ってようかと思ったんだけどね? MAPを見たらもう街に入るみたいだからこっちから行こうって話になったんだ」


そう答えるベルの表情はにこやかだ。あれ? そんなに怒ってない? セーフ? ……ほっ。


「そっか。それじゃさっそく遊ぼうーー」

「ーーその前にラビ君」

「--ん?」


気を取り直してさっそく遊びに出かけようとしたら、ベルに尋ねられた。


「その女の子……だぁれ?」


そう、俗にいうハイライトの消えた目をしながら、ナギサを見つめてそう言った。

アオイです。

最近ゲームセンターによることがあって、ガンダムVSガンダムのゲームをやってみました。

結果は惨敗。あれ、もう始めたらすぐネット対戦なんですね。自分の弱さで相方さんに迷惑をかけてしまい申し訳ない。

とりあえず今回の件で思ったことは一つ。CPU戦をやらしてください……(切実)

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