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首刈兎は今日も行く!~三姉妹とのペットライフ~  作者: 真田 蒼生
間章「首刈兎は遊び倒す?」
50/84

プロローグ

ーーーベルーーー


ラビ君とサイカが結婚しました。

就職し、収入が安定したラビ君からの告白でした。サイカはそれを二つ返事で承諾。めでたく二人は結婚しました。二人は仲睦まじく暮らし、安定した収入で海外に何度も行っていました。二人は終わりまでずっと一緒に行動すると思っていました。しかしそこでとある問題が起こりました。私です。

ラビ君が結婚してから独り身のキャリアウーマンの生活を送っていた私は、あるとき略奪愛に目覚めました。何度も何度もアプローチをかけました。何度も何度も、神の許す限り、行いました。むしろ神様にやらされていたといってもいいでしょう。

その甲斐もあってか、最後の最後にラビ君の承諾を得ることができました。

離婚のための慰謝料など、散財がありましたが、結果的にラビ君と結婚することができたので私は満足でした。別れたサイカは苦笑いをしていました。そうして、幸せな生活が始まると……思っていました。

ラビ君は……ヒナと結婚しました。まさかのヒナが略奪愛に目覚めたのです。

そして、一度目のアプローチでラビ君は見事に撃沈し、結婚に至りました。

私の手元には、ほんのわずかな慰謝料しか残りませんでした。

……別れ際、ラビ君はこう言いました。


「……人生ゲームってこんな修羅場が連続するゲームだったっけ?」


ーーーラビーーー


どうしてこうなった。


「わーい! ヒナ一番!」

「おーよかったな」


はしゃぐヒナの隣で、適当な相槌を打ちながら、俺はどうしてこうなったのか考えていた。

きっかけは、新しくアップデートで追加された町のカジノだった。

「戦闘以外の娯楽を」と、追加されたこのカジノは、スロットやルーレットに始まり、トランプゲームなどのゲームも置いてあった。そして、どこぞの勇者行為が可能なRPGのように人生ゲームがあった。

その人生ゲームがヒナの目に留まり、みんなでやろうということになった。

初めは順調だった。

職業が決まり、ハプニングなどもいろいろあったが、全員笑って楽しめていた。

そして中盤にはいった。

ゲーム中盤では結婚マスというものが存在していた。これに止まったプレイヤーは、一緒にプレイしている異性のプレイヤーと結婚することができる。複数人いる場合はダイスで決められる。そうして、結婚マスに止まった俺はダイスを振り、その対象となったのはサイカだった。

俺はサイカと結婚し、新婚旅行などでハワイなどの海外に飛び回った。

そんなとき、それは起こった。

ベルが結婚マスに止まったのだ。先ほど言ったように、結婚する対象はプレイしている異性のプレイヤーだ。そして現在プレイしている男女の比率は1:3。そう、女性が結婚する場合、俺しか対象がいないのである。そして、ここからがこの人生ゲームのおかしなところだ。

対象がすでに結婚していた場合、略奪愛というイベントが起き、結婚を申し込むプレイヤーと申し込まれた方の結婚相手のプレイヤーはお互いにダイスを振る。そうして、その出目が相手より大きかった方が、結婚できるというものだ。申し込まれる側の意思はどこに行ったと。

そしてダイスの結果は、サイカの勝利。俺はそのままサイカと結婚していた。そしてそれからゲームはおかしくなっていく。

ベルは、何度も何度も結婚マスに止まった。もうそれはダイスの女神が細工をしているんじゃないかと思うほど止まった。そのたびにサイカが勝った。だがベルはくじけず挑んだ。何度も何度も何度も何度も。

そして、最後の最後。先にはもう結婚マスが存在しない場所で、ベルはサイカに勝利した。そうして、俺とベルは結婚することになった。サイカは苦笑いし、ベルはかなり喜んでいた。よほど負け続けたのが悔しかったのだろう。俺も苦笑しながら、ベルとの結婚生活を続ける……はずだった。


「あ、ヒナも結婚マスだ!」


ヒナが結婚マスに止まったのである。対象はもちろん俺。そのままベルとヒナの勝負が始まった。結果は……ヒナの圧勝。そのまま俺は、ヒナと結婚することになった。

ベルはその場に崩れ落ち、ヒナはうれしいのかぴょんぴょん跳ね回っていた。俺は何もしていないのに、サイカ・ベル・ヒナの3人をたぶらかした最低の男ということなってしまった。

……もう一度言わせてもらおう。


人生ゲームってこんな修羅場が連続するゲームだっけ?

アオイです。

新章となりますが、この章は短めとなっています。

続編というより番外編に近いですかね?

まぁいままでの章が繋がっていたかというとそんなことはありませんが……。

取り合えず、この章はラビとベルがただイチャコラ(?)するだけのものとなっています。

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