第12話
感想で尋ねられたことにここで答えておきたいと思います。
まず、<神の祝福>の効果ですが、それを持っているプレイヤーのLUKの表記は、祝福の効果が反映されたものとなっています。祝福の3倍効果は端数切捨てということになっていますので、こういったきりのいい数字となっています。
次に、ラビのステータス変動についてですがステータスの前半の+10は主人のベルが装備している契約の指輪の効果です。
そして後半のステータス変動は、ベルの<契約魔法>のLV/2の端数切り上げの分の上昇となっています。
…ひとまずこれくらいですかね?ほかにも疑問点があれば、感想で教えてください。
説明が足りず、申し訳ありませんでした。
「さてと…そんでお前ら何してんの?」
サイカを降ろし、何やら言い争っていた風なルシとゼロのところに行って、俺はすぐに状況を聞いた。…まぁだいたい察しはついてるんだけど。
「あぁ、プーちゃんお帰りーいやーほんとにすぐ帰ってくるとは思わなかったよー」
ルシはいつものように軽い感じで返してくる…だからプーちゃんはやめろと…いっても無駄なのに思ってしまう。これが様式美ってやつか(絶対違う)
「き、貴様…な、なんで…ピ、PKの奴らは…」
…思いのほかすぐに自白したな。ていうかほんとに正解するとは…某クイズ番組だったらいくらもらえてたかな。
「あぁあいつら?げへへのほうは首ちょんぱ、話の分かるキラとやらはその首ちょんぱ見て帰って行ったぞ」
「あ、あいつらぁ…っ!」
「ん、なになに?プーちゃんなんかあったの?」
「プーちゃんはやめい…まぁ簡単に言うと、PK差し向けられた、撃退した、キャンプが心配になって帰ってきた、今ここな」
「オッケー把握…にしても性格わるいねぇこの人」
「まぁそこは言ってやるな…んで?どうする?」
とりあえず顔をうつむかせているナルシスト君に話しかける。
「…デュ…」
「「デュ?」」
ナルシスト君がつぶやいた言葉にルシとともに首をかしげる…なんかこの流れ前にもあったような…?
そんなことを考えていると、ナルシスト君がバッと顔をあげ、
「決闘だぁ!」
…と、顔を真っ赤にして指をさしながらそう言ってきた。 ま た か よ 。
「僕と決闘しろ!ルールは僕が決めさせてもらう!貴様はあのわけのわからない即死技は禁止!僕は前に使った蘇生アイテムを禁止にしてやる!そのルールで勝負だ!」
「うっわー…なにその勝手なルール、しかも上から目線だし」
それを聞いてルシが呆れたような顔をする。
それがきこえていないのか、または無視しているのかはわからないが、ナルシストが続ける。
「そして勝負内容はHP全損!これで僕と勝負しろ!」
「あぁ、いいぞ」
「にげるのk…なんだと!?」
「いや、決闘受けてやるって。ほらさっさと申し込んでくれ」
「いいのプーちゃん?」
ナルシストが決闘の申し込みを準備しているとき、ルシが話しかけてくる。
「いや…ぶっちゃけもうめんどくさい」
「あぁ…」
考えもなにもない簡単な理由を告げると、すぐに納得してくれた。それと同時にウィンドウにナルシストからの決闘申請が送られてきた。それを了承し、1分後に決闘が開始されるというアナウンスが流れる。
「そんじゃさがってろ」
「おっけーそれじゃプーちゃんがんばってねー」
そういってルシはベルたちのもとに歩いていく。そしてベルたちはというと…なにやらベルがサイカの肩を押さえて何か話している。ヒナはそれを首をかしげながら見ている…なにしてんだろ?
「ふふふ…前回までの僕だと思うなよ…」
ナルシストはにやにやと笑いながらそう言ってくる。まぁたしかに…装備も前は白いスーツに赤マントというなんとも貴族風な服装だったが、現在のあいつの服装は全体的に白いことには変わらないが、青のワンポイントの入ったコートを着ていて、部分鎧なんかもつけている。見た感じ魔法メインから近接にも対応できるようになったんだろう。そんなことを考えていたらカウントダウンがはじまり、すぐに決闘がスタートする。
「《フリーズランサーレイン》」
前回と同じく、いきなりの氷の雨をはなってくる。前より数が多いが…《ハイジャンプ》で難なくよけるとそのままゼロに接近する。そして鎌を振りかぶり…
「甘いぞ!--《アイスソード》!」
「っと…」
切ろうとしたところでゼロが氷の剣を作り出し、こちらに向けて振ってきた。それをよけて俺はすこしゼロから距離をとる。
「はははは!どうだ!これで近づけまい!そこまで大きなものを振るにはどうしても隙ができてしまう!その隙にこの剣で切ってやる!どうだ!このために僕は<片手剣>と<斬撃>の技能を取得したんだぞ!おかげで技能枠の空きがもうないじゃないか!どうしてくれるんだ!」
「いやしらんがな」
逆恨みにもほどがある。魔法系の職なら物理攻撃のステータス低いはずなのに…よくやるわ。
「だが、これでお前の勝ち目は薄れた!このまま勝たせてもらうぞ!」
ゼロが勝ち誇ったように言う。…それはどうかな。
「こっちもだてにこの使いにくい武器でトッププレイヤーやってるわけじゃないんでね」
「なんだと?」
俺は再び<跳躍>で増加された脚力を生かし、ゼロに接近する。ゼロは俺が大鎌を振りかぶるのを待っているようだ…ようしそこまで言うなら見せてやろう。この俺が近接タイプのプレイヤーとの戦闘のために生み出した技を!その名も…
「《ラッシュ》…そしてぇ!大鎌パンチ!」
「げふぁ!?」
俺は鎌を片手でもち、鎌を持ってないほうの手でゼロにボディーブローをかましてやる。ここで終わらないぞ…。
「大鎌ジャブ!大鎌ストレート!大鎌フック!大鎌アッパー!」
「げっ!がっ!ちょっ!やめっ!」
苦しんでいるゼロに向けて4種類の打撃を打ち込む、もちろん《ラッシュ》は継続中だ。そしてその二重の意味のラッシュを続けて、ゼロのHPが危険域に突入したとき、締めとばかりに俺は、
「大鎌キック!」
「ああああああああああ!」
兎族の脚力を生かしたキックをくらわせてやった。それを食らったゼロはHPをゼロにしながらも、空へ向けて飛んでいく。
「大鎌をつかえええええええええええええ・・・」
『決闘に勝利しました。』
それが最後の言葉となった。
まったく…魔法職が少しかじったといっても、近接で、ピーキーな武器を使っているといえど近接職に勝てるわけがないだろ。
え?武器使ってないって?何を言っている?名前に使っているじゃないか。
そして俺はベルたちのところに戻っていった。
「おつかれさまラビ君!」
「……お、おつかれさまでした」
そんな俺を迎えたのは、やけに笑顔がまぶしいベルと、なぜか疲れているサイカだった。
…ほんとなにしてたの?
アオイです。
ついにこの日が来ました。バレンタインです。
みなさん、各自訓練をしてきたことでしょう。
その成果を今こそ見せるときです。ともにチョコ会社の謀略に対抗しましょう!
…なお私は春休み故家から一切出ないのであがきようがない模様。
…春休みが今日ばかりはうらめしい…でもおかげで大学でチョコをもらうやつらの姿を見ないですむからよかったのか…




