第13話
スキル紹介
《召喚》:契約した獣を呼び出せる技能スキル。契約技能LV1で取得。
召喚されるまえに召喚されるPLが了承するかどうかを決める描写を追加しました。
…さて、これはどんな状況だ?
メタスラを倒して、さて帰ろうかと思って迷子になったのに気が付いて、しばらく森の中走り(跳び)回って、見つかんなくて、半ばやけくそでベルに《召喚》を使ってみてくれってメールして、そんですぐになんか召喚に応じますかとかいうウィンドウが表示されてそんで応じたら上から魔法陣的なものが降ってきて、気が付いたらここにいて、3姉妹がいると思ったら武器持った怪しい二人組がいて、自称テスターのイケメンナルシストが倒れてて…どういうことだってばよ。
考えていたら、二人組が言った。
「な、なんだ!?いきなり出てきやがったぞ!?」
「構うこたぁねぇ!PKして貰える経験値が増えただけだ!」
おっけ把握した。
俺がメタスラを追いかけてる間にPKプレイヤーに遭遇してしまったんだな、これは申し訳ないことした。そんで、襲われる寸前で俺がメールを送ってすぐに召喚したと。納得納得。え?イケメンナルシスト?どうでもいいだろそんなこと。
「あー。PKさん?いいかな?」
「なんだ?」
俺はとりあえずPKと話し合うことにした。争いは何も生まないからな。
「そこで倒れてるベータテスターくんはあげるから俺らはかえっていいかな?」
ただし、何事にも犠牲はつきものである。大方騒動の発端なのであろうこいつには犠牲になってもらおう。
PKでは倒したプレイヤーのLVによってもらえる経験値が変わるからな。初心者3人をやるよりこいつやったほうがはるかに経験値が多いだろう。
さて、決断は…
「だめにきまってんだろ」
で す よ ね 。
知ってたわ。PKプレイヤーは経験値よりも狩ることを重要視する奴らもいるからなぁ。
「じゃぁ、やるしかないかぁ」
「ラ、ラビ君大丈夫?」
「大丈夫だろ、とりあえず下がってて」
「わ、わかった」「がんばってください」「うさぎさん負けないでね!」
「おう」
ベルたちを下がらせ、鎌を構える。
「「ちっ」」
二人組は舌打ちをしながら、各々の武器を構えた。
…わかるぞその気持ち、俺も少し前までそっち側だったから…。
さて、戦闘開始だ…二対一だが、やれるだけやって……まてよ?
「なぁあんたら」
「なんだ?」
俺はとあることを思いつき、二人組に声をかけた。
「あんたら、ベルたちもPKしようとしたんだよな?」
「あたりまえだろう?」「なにをいまさら」
「じゃあ、ヒナ…あの小さい子もやろうとしたんだよな?」
「お、おう」「せ、せやな」
お、動揺してる動揺してる。やっぱり考えてたか。
俺はそんな二人に、爆弾を投下してみた。
「それって実際、やばくね?」
「「………」」
だよなぁ?見た感じ二人組は大人とは言わなくても高校は卒業してそうだし、そんな二人が小学生を襲う?…うん、字面的にも体裁的にも、限りなく黒に近いグレーだよな?
「い、いや!だからこれはゲームだから!現実じゃないから!」
「そ、そうだそうだ!ていうかばれなきゃ犯罪じゃなーー」
二人は叫びながら言い返してきた。…チャンス。
「ーー《首刈り》《ハイジャンプ》」
俺はゼロのとき同様、《ハイジャンプ》で前に飛び、横に構えていた鎌で二人のうちの一人の首を飛ばした。
「…えっ?」
片方は何が起こったかわからない様子。まぁそうだよな?さっきまでHP満タンだったのに一発でゼロになるとか、ありえないよな?
…さて、ここらでこの元死にスキルだった《首刈り》について説明しておこうか。
《首狩り》は攻撃が相手の首にヒットしたとき、攻撃力準拠で対象を即死させるスキルだ。
まぁそれだけだと、どれくらいのダメージを入れたら即死になるのかわからんよな?
実際俺もわからん。検証とかしてないし。しかも俺の武器、いまだ初期装備だしな。だから即死発動とかムリゲーだと思ってたんだが、半年くらい前…あ、もちろんゲーム時間な?そのくらいのときに、あることが判明したのだ。
ALOでの攻撃力の計算は、武器を振る速度も含まれると。
俺が今回使った《ハイジャンプ》のスキル説明はこうだ。
《ハイジャンプ》:高く、そして速く飛ぶことができる技能スキル。
ここで大事なのは「速く」という部分。
つまり、《ハイジャンプ》の速度で鎌を首に当てれば、十分即死にできるほどの威力を出せるということだ。
ちなみにこの攻撃速度も威力に含まれることを発見したのは、俺ではなく検証好きのプレイヤーだ。
いや、こういった先駆者様方が情報を教えてくれるから、俺たちは快適にプレイできてるんだ。みんなも感謝しようね。
…と、いうことで
「次はお前だ」
「ひ、卑怯だぞ不意打ちなんて!」
「レベルの低い初心者相手にPKしようとしたお前が言うなーー《首刈り》《ハイジャンプ》」
俺は再び、首を飛ばすために飛び出した…しかし
「うぉっとぉ!?」
PKプレイヤーは紙一重という感じでよけてしまった。
…そうなんだよなぁ。これまっすぐしか進めないし…いや正確に言うと《エアジャンプ》と軽業のコンボで曲がれなくはないが…まだそこまでの域に達してないのだ。
つまりこの《首刈り》、初見殺しのようなものなのだ。
「へ、へへへ…も、もうその技は見切ったぜ…」
よけられてしまっては仕方ない、普通に戦うとしよう。
「《シャドウボール》」
俺は闇魔法を使い、空中に頭くらいの大きさの黒い球体を作り出す。
この魔法も、最初に使ったときは存在意義のわからない魔法だったのだが…
この魔法の特徴は、作り出した物体が意外と固く、そして、浮いていて、つつけばその方向に動くことだ。
そして俺には、ウサギの脚力がある。…あとはわかるな?
「ボールを相手のゴールに向けてー」
「な、なんだそーー」
「ーーシュゥゥゥゥゥゥウッ!」
「ぶべらぁ!?」
これぞ、俺が編み出した闇魔法(物理)。
俺は思いっきり《シャドウボール》をけりとばし、相手の顔面へと当てた。超!エキサイティ…やめとこ。どこぞのオリジナルさんが怒る。
さて、PKは顔を抑えて悶えている。さすがにHP全損は無理だからな…つづけて…
「《暗視》《シャドウミスト》」
真っ黒な霧を半径10mほどに展開し、俺とPKを包む。
これは俺も真っ暗で何も見えなくなる魔法だが…探索技能のLVが上がり覚えたスキル《暗視》、これのおかげで真っ暗な中でもしっかりと補足ができるのだ。
俺は鎌を持ったまま、ゆっくりとPKの背後に回る。
「くっそ!卑怯だぞてめぇ!」
PKは顔を腫らしてわめいていた。
「よいしょっと」
「あばばばばばば!?」
俺はとあるアイテムを奴に使った。
スタンガンというアイテムでその名の通り対象に麻痺の状態異常を与えるものだ。なのでこれを食らったこいつは、そのまま倒れていく。
そしてその倒れている奴の首元に、鎌を差し入れた。
「卑怯、汚いは敗者のたわごとってね」
「ちょ…タンmーー」
「そんじゃバイバイ」
俺はそのまま、鎌を引いた。
それでこいつのHPは0。幕引きだ。…いま、うまいこと言ったくね?
アオイです。
クリスマスすぎましたね…
皆さんどうお過ごしでしたでしょうか?
私ですか?…大学にいっていましたよ?
なんで25日まで大学あるんですかね?
これはカップルに予定を作らせなかった大学側GJというべきなのか予定ができるかもしれなかった奴に絶望を味あわせたのか…どっちなのでしょうか?
ちなみに私はそもそも遊ぶ友人がいないという立場です。あれ?これ前も言いましたね?
…ま、まだ大学生活は始まったばかりですしぃ!?




